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~第十四章~


「私ね・・・」


どことなく不安を隠しきれていない表情でゆっくりと口を開く。


俺には篠崎が次に何を言おうとしているのかが分かった。


その憂鬱そうな表情が何もかもを語っていたから。


「うん」


だから俺はその不安を聞いて受け止めてやることにした。


それで少しでもこいつが楽になるのなら。


「いきなりこんな所に来て凄く不安なの・・・お母さんやお父さんも私がこんな目にあってるなんて知らないからきっと心配してると思うの」


俺はあまり篠崎と話したことは無い。


学校の廊下ですれ違っても挨拶なんてしないし、ただお互いが顔と名前を知っている程度だった。


でも俺の周りで篠崎と絡んでいる奴は多かったし、人当たりもいい篠崎はみんなから嫌われるような奴ではない。


風の噂で篠崎の家は家族がとても仲が良く良好な家庭だったという。


そんな家庭が途端に娘がいなくなって心配する両親はいないだろう。


少なくとも俺はそう思った。


そして篠崎のその言葉をきっかけに俺も家族がとても心配になってしまった。


どうやら姉もこの列車に乗ったらしいから姉弟揃って行方不明となるとどんな家でも心配するだろう。


家だって仲が悪いわけでもないしむしろ良いほうだ。


親父もいない我が家は母さん一人で俺ら二人を育ててきてくれた。


だけどどうしようもないこの現状に何もで出来ずにここにいるしかないということが俺の無力さを物語っていた。


せめて姉の安否さえ確認できれば良いのに・・・


篠崎に話の途中で自分の心配を始めて実感していた。


「お母さんやお父さん・・・心配してないかな・・・」


「大丈夫だよ、みんなで力をあわせてここから帰ろう。それが俺達の目的だ」


肩をがっくり落としていた篠崎の手を取りそう言葉を掛ける。


手にぬくもりを感じたのか顔を上げて俺の眼を見ると頬を赤らめながら安心したようににっこりと微笑んだ。


その笑顔がとても可愛くて、手を握っていたことを忘れ、篠崎に釘付けになっていた。


「おい、二人で盛り上がっているところ申し訳ないのだが俺を忘れていないか?」


ふと後ろから、期限の悪そうな声が耳に入る。


完璧に忘れていたよ杉弓。


「あ、わ、悪い・・・」


慌てるようにして篠崎の手を放すと、杉弓の方へ振り返り軽く頭を下げた。


「紹介するよ、こいつは俺と同じ高校に通う篠崎未来」


そして、二人が向き合っている間に入り篠崎に手をさして言う。


「こんにちは、篠崎です」


篠崎もそれにあわせるようにして軽く会釈する。


「んでこっちが杉弓吾朗座。さっき列車の中で知り合ったんだ」


こんどは手を逆に向けて杉弓を紹介する。


「杉弓だ、よろしくな」


篠崎の綺麗でか弱い手と、杉弓のごつくて硬い手が合わさり紹介が終わった。



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