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~第十三章~


「・・・気色悪い」


その豚は、その胴体と声こそは豚だが顔は明らかに魚顔で足には蹄鉄が付けられていない馬の蹄、尻尾の先にはライオンのように毛が丸く集まっていた。


俺と杉弓はその豚?から目を離せなくなっていた。


「か、上総・・・くん?」


「!?」


気を抜いていた刹那に後方から俺の名前を呼ぶ声が聞こえてきた。


驚いて体を震わせながら瞬時に振り向く。


緊張のせいか一瞬心臓がその仕事を放棄したかに思えた。


誰だ!?敵!?


振り向いた先にはどこか見覚えのある少女が立っていた。


「・・・篠崎?」


「そう!そうだよ!よかった、ひとりかと思ってた」


俺と同じ桐峰の制服を着ている少女が俺の顔を見て安堵していた。


こいつは篠崎。篠崎未来しのざきみらい


同級生で弓道部に所属している女学生だ。


威圧の欠片も感じない優しい瞳に潤みが掛かっていて、整った顔立ちにトップで束ねたポニーテール。小さな身長に控えめな胸は、実年齢より彼女を幼く見させている。


その小さな体には不釣合いなほどの巨大な弓が背中に背負っていて、腰には二丁のごつい拳銃、左肩から右下に掛けて背負っている巨大な大筒を装備していた。


これが篠崎の武器だろう。


「お前なんでここに?」


なんでこいつがここに・・・


篠崎もあの列車に乗ったってことか?


当たり前の質問を篠崎に投げかけた。


「多分、上総くん達と一緒。変な電車に乗ってきたの」


そうか・・・篠崎も巻き込まれたのか。


どうしようもない憤りが心のそこに生まれたのが分かった。


「ところで篠崎・・・それ、重くないのか?」


一目見たときからずっと不思議に思っていたことを問いかける。


そういって俺は、篠崎の持っている武器たちを指差した。


「これ?あぁ、多分トレインさんに聞いてると思うけどこれ私の能力」


篠崎もトレインにあったのか・・・


「私の能力はグラビティコントロール。重力操作だよ」


そういってとても重そうな大筒を右手一本だ軽々と持ち上げてしまった。


「そういうことか・・・」


一瞬、篠崎がゴリラ並みの力持ちなのかと考えたことは秘密にしておこう。


獲物で殺されてしまうかもしれない。


そう。俺は心に言い聞かせた。

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