29 ロゼの限界
ロゼ視点のお話です。
「ねぇーニーネ、おねがいよぉ。」
「ダメです。絶対にいけません。」
手を合わせて懇願するも、ニーネは頑として同意を示してくれない。
もうこのやり取りを20分は続けていた。
「なんでだめなの〜ちょっとだけ!10分だけでいいから!!ね?」
「だからダメですってもー。」
縋るように訴えてもぷいとそっぽを向いてしまう。こんなに頑固なニーネは初めてだった。
つい先程までニーネから授業を受けていたのだが、そこで城の外の世界は王となった人に影響されることを学んだ。
つまり外には漫画や小説、私の欲望を満たすありとあらゆる遊びが散在しているということ。
ここはとても綺麗な場所だが、私の欲を満たしてくれ面白い遊びも何も無い生活に限界が来ていた。
やはり病気だ。
そこでニーネに外に出たいと頼んだ結果、その願いは却下され続けているというわけなのである。
「お願いします!このとーり!!」
「きゃああっ!しがみつかないでくださいー!!」
「…………なにやってるの?」
振り返ると、怪訝そうな顔で立つ少女が一人。
守護番号7番のナナだ。
「ナナ様!ロゼ様が城外へ行きたいと仰るのでそれを必死に止めているところなのですよ。」
ニーネがやれやれと言わんばかりにそう訴える。
(二人がかりで私を止めようとしても無駄よ!)
「いいんじゃないの?別に。」
そう思った矢先、ナナは拍子抜けするほどあっさり外出を認めてくれた。
「…えっ?……いや、しかし……」
「ほらっ!ナナさんもいいって言ってるし!!」
この好機を逃す訳にはいかない。
「……わかりましたっ!ですが、私は行きませんよ!」
「うん!一人で行ってくる!」
「それはなりません。」
ならんのか。
「なのでナナ様。ロゼ様の護衛をお願いしてもよろしいでしょうか?」
期待を込めた眼差しの向こうに、厄介事を押し付けられたと言わんばかりの顔があった。
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