<16話> 戦闘準備 ~side:サミル~
なかなか筆が進みません。やっと投稿できました。
団員を待機させた場所に近づくと、いつもと様子が違うのに気付く。
何かと騒がしい奴らがやけにおとなしいと思ったら、勝手に飯を食ってやがった。
「お疲れ様っす。ずいぶん時間が掛かったっすね。あ、これ、親父さんと兄貴の分すよ。」
食べる手も止めずに言ってくる部下に、本気で腹が立ってきた。
(ちょっと〆とくか)
「指示も無えのに、先に食ってやがった馬鹿共。てめえらは打ち上げん時は麦酒だけだ。まだ食ってないのには、葡萄酒もつけてやる。」
言うなり、周囲から悲鳴じみた声が上がる。
「そんなー。兄貴、勘弁してくださいよー」
「葡萄酒も飲みてぇぇっ。」
「やった。俺まだ食ってなくてよかった。」
必死の懇願に一切反応せずに飯を食っていると、今度は団長に訴え始める。
「親父さん。許してくださいよ。」
「あきらめろ。サミルを怒らせたお前らが悪い。ここで機嫌の悪いあいつを押さえつけたら、戦闘時に余計面倒になんぞ。」
(団長。あんたまで俺をそんな風に思ってたんすか・・・)
「「「はあっ。そうっすね。」」」
(そして、なんであいつらもそれで納得すんだ?)
「そんなお前らに良い知らせだ。【烈光】の綺麗な娘さん達が、【深紅】のけが人にも治癒の術を掛けてくれることになった。足引っ張る前に【烈光】の副団長の所まで下がりな。だからって、鼻の下伸ばして無ぇで、さっさと戻って来いよ。」
「「「「「うおー。」」」」」
野太い声で上がる歓声に、隣の【黎明】やロートフ兵の視線が突き刺さる。
(筋肉だらけのごつい連中が、赤い鎧との相乗効果で更に暑苦しく見えるもんな。)
「そろそろ装備を整えとけよ。四半刻後には戦闘開始だ。【黎明】と【深紅】が魔獣を追い立ててくれる。お前ら、しっかり狩れよ。」
「終わったらギルドの広間貸しきって、3団で酒盛りだぞ。」
引き締める俺に対して、団長は楽しそうに笑って言う。
「さて、出るか。お前ら気合入れていけよ。」




