ケージェーカジノ②
キャンディにぼろ負けした、白服のおじさんディーラーは、黒服達に連れていかれた。
「おいお前。金貨100枚以上負けるなんてどうなっているんだ?」
ケージェーカジノ支配人カーズだ。背の低いチョビヒゲの男だ。
「いえ。あの中で一番幸運が高いのがダンバルのAだったので、ダンバルを用心していたら、幸運Bのキャンディにやられてしまいました。」
おじさんディーラーは、支配人に土下座をするように報告する。
「入口での測定も間違いなくBと出ました。」
黒服が報告する。冒険者ギルドカードにはBと表示されているのだ。
「ふん。お前幸運Aだよな?なぜ負ける?」
「分かりません。たまたま1回勝つなら分かりますが、全敗するなんてあり得ません。」
「おい!ステータス鑑定してみろ。」
おじさんディーラーが鑑定するも、幸運Aと表示されている。
「間違いないのか。ならそのキャンディを測定してこい。」
黒服が離れた場所で測定するも、測定不能となった。
「なるほど。加護持ちか。加護持ちは、許可がないと測定できないからな。聞いたら断られたんだろ?」
「はい。」
「普通させるわけないよな。」
「ルーレットのディーラーは、イカサマも出来る幸運Sのピークの台に誘導しました。万に1つも負けることはありません。」
「そうか。しっかり絞りとれよ。あとお前、ピークが負けたら借金奴隷行きだからな。覚悟しろよ。」
「お願いします!働いて返しますので、奴隷だけは!」
「1000万エルすぐ払えるのか?ケージェーカジノはクビだ。金を持って来たら考えてやるよ。」
1000万エル。そんな貯金はない。おじさんディーラーは、ただ泣き崩れピークの勝利を願うのだ。
――――――――――――――――――
「こちらはVIP会員さま限定のルーレットとなります。ディーラーはピークが務めますので、ゆっくりとお楽しみください。」
黒服に個室のルーレット台に案内された。
「やあやあ、今回のお客様は顔色が様々だね。」
白髪のお兄ちゃんが黒スーツ姿でルーレットを回している。
ジェットさんは金貨30枚ほど負けて顔面蒼白だ。ジルさんも負けているが、銀貨10枚(1万エル)ほどなので遊び程度だろう。
俺は金貨107枚勝っている。アリス金貨5枚とダンバルさん銀貨25枚勝っている。
「この0〜36の数字を当てたら36倍。数字の赤か黒を当てたら2倍だよ。奇数と偶数でも2倍だね。0は緑なので注意してね。」
なるほど、ルーレットにピークさんが玉を入れてどこに入るかを当てるだけか。簡単だな。
「ここは最低金貨1枚からだよ。お金がないなら無理をしないことだね。」
「俺は降りる。そんな金はない。」
ジルさんは止めるみたいだ。
「俺はやるぞ!この金貨1枚で夢を見るんだ!」
ジェットさんが血走った眼で金貨をみている。
ギャンブルにはまった男の末路がこれか。反面教師にはもってこいだな。
俺とアリスはもちろん参加する。ダンバルさんも金貨5枚で参加するみたいだ。
「それじゃあ、さっそく座ってね。楽しい楽しい第1ゲームを初めるよ!」
ピークさんが笑顔で俺を見てくる。
俺が何かしたのか?
そうか!
金貨100枚を賭ける客だと思って期待しているんだな。よし一発やってやるか!
楽しい楽しいゲームが始まった。
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