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世界最高のパティシエ〜罪深き男の奮闘物語〜  作者: 茄子の皮
ローズマリン伯爵家御用達店
62/95

ケージェーカジノ②

 キャンディにぼろ負けした、白服のおじさんディーラーは、黒服達に連れていかれた。


「おいお前。金貨100枚以上負けるなんてどうなっているんだ?」

 ケージェーカジノ支配人カーズだ。背の低いチョビヒゲの男だ。


「いえ。あの中で一番幸運が高いのがダンバルのAだったので、ダンバルを用心していたら、幸運Bのキャンディにやられてしまいました。」

 おじさんディーラーは、支配人に土下座をするように報告する。


「入口での測定も間違いなくBと出ました。」

 黒服が報告する。冒険者ギルドカードにはBと表示されているのだ。


「ふん。お前幸運Aだよな?なぜ負ける?」


「分かりません。たまたま1回勝つなら分かりますが、全敗するなんてあり得ません。」


「おい!ステータス鑑定してみろ。」


 おじさんディーラーが鑑定するも、幸運Aと表示されている。


「間違いないのか。ならそのキャンディを測定してこい。」


 黒服が離れた場所で測定するも、測定不能となった。


「なるほど。加護持ちか。加護持ちは、許可がないと測定できないからな。聞いたら断られたんだろ?」


「はい。」


「普通させるわけないよな。」


「ルーレットのディーラーは、イカサマも出来る幸運Sのピークの台に誘導しました。万に1つも負けることはありません。」


「そうか。しっかり絞りとれよ。あとお前、ピークが負けたら借金奴隷行きだからな。覚悟しろよ。」


「お願いします!働いて返しますので、奴隷だけは!」


「1000万エルすぐ払えるのか?ケージェーカジノはクビだ。金を持って来たら考えてやるよ。」


 1000万エル。そんな貯金はない。おじさんディーラーは、ただ泣き崩れピークの勝利を願うのだ。



 ――――――――――――――――――


「こちらはVIP会員さま限定のルーレットとなります。ディーラーはピークが務めますので、ゆっくりとお楽しみください。」

 黒服に個室のルーレット台に案内された。


「やあやあ、今回のお客様は顔色が様々だね。」

 白髪のお兄ちゃんが黒スーツ姿でルーレットを回している。


 ジェットさんは金貨30枚ほど負けて顔面蒼白だ。ジルさんも負けているが、銀貨10枚(1万エル)ほどなので遊び程度だろう。

 俺は金貨107枚勝っている。アリス金貨5枚とダンバルさん銀貨25枚勝っている。


「この0〜36の数字を当てたら36倍。数字の赤か黒を当てたら2倍だよ。奇数と偶数でも2倍だね。0は緑なので注意してね。」

 なるほど、ルーレットにピークさんが玉を入れてどこに入るかを当てるだけか。簡単だな。


「ここは最低金貨1枚からだよ。お金がないなら無理をしないことだね。」


「俺は降りる。そんな金はない。」

 ジルさんは止めるみたいだ。


「俺はやるぞ!この金貨1枚で夢を見るんだ!」

 ジェットさんが血走った眼で金貨をみている。


 ギャンブルにはまった男の末路がこれか。反面教師にはもってこいだな。


 俺とアリスはもちろん参加する。ダンバルさんも金貨5枚で参加するみたいだ。


「それじゃあ、さっそく座ってね。楽しい楽しい第1ゲームを初めるよ!」

 ピークさんが笑顔で俺を見てくる。



 俺が何かしたのか?

 そうか!

 金貨100枚を賭ける客だと思って期待しているんだな。よし一発やってやるか!


 楽しい楽しいゲームが始まった。


毎日朝7時に次話投稿しています。


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― 新着の感想 ―
[気になる点] しっかし…ケー連中って…ステータスを利用したイカサマじゃん!…店潰れろ! …今さらですが、この作品のタイトルで主人公を罪深いと書いてますが、砂糖を独占してるスイーツ店や、ステータスイ…
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