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世界最高のパティシエ〜罪深き男の奮闘物語〜  作者: 茄子の皮
ローズマリン伯爵家御用達店
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コルトさん貶す

「ふっふっふっ。流石私が目をつけただけの商会なだけある。」

 部屋に一人笑顔で契約書を眺める男が一人、商業ギルド副ギルドマスターのコルトである。目をつけたと言うよりも、ただ運が良かっただけで、勝手に成長していっただけだけど。


「これでロイヤルスイーツ商会の独占は終わる。砂糖を使用したスイーツは、とことんロイヤルスイーツ商会が独占しているからな。そこに巨大な斧のごとき一撃をつければ、その衝撃は世界中へと広がっていくだろう。」


 コンコン。

「コルトさん。ロイヤルスイーツ商会から相談が来てますが。」

 受付の女性が部屋を訪問する。


 ロイヤルスイーツ商会は、ギルドマスターが担当しているが、本日ギルドマスターはいないのだ。


「分かりました。私が対応しましょう。」



 副ギルドマスターのコルトが、ロイヤルスイーツ商会の職員と会談する。

 議題は『ジャムが安価で出回っている件』だ。


 そこでいかにキャンディスイーツ商会が素晴らしいかをコルトは力説し、職員を困らせるのだ。


「我々ロイヤルスイーツ商会の専売とも言えるジャム生産にライバル店が現れた訳ですね。」


「そうです。商売は自由ですからAランク商会ともあろう方が、新人商会に目くじら立てることも無いでしょう。」


「そうですね。まだこのローズマリン伯爵家領内ですので、問題はありません。ただ忠告はしましたよ。」


「ええ、問題ありません。キャンディスイーツ商会は、これからの商会なので、いずれ結果が出るでしょう。」


「これは、キャンディスイーツ商会が残念ですね。」


「いいえ何も残念ではありません。私が担当者ですからね。」


「それが残念ですよ。」

 ロイヤルスイーツ商会の職員は話を終わらせ帰っていった。


「ふっふっふっ。流石私だ。一歩も引かずに言ってやりました。」


「何で商業ギルド職員が商会相手に喧嘩を売っているんでしょう?」と話を聞いていた女性は思うが、下手に口を出せば巻き込まれそうなので、気にしない事にした。

 ギルドマスターが帰ってきたら、すぐに報告しよう。


 ――――――――――――――――――――

 ギルドマスター室にて、出張から帰ってきたスーツ姿の女性がいる。


「それでコルトは、ロイヤルスイーツ商会に喧嘩を売ったらしいじゃないか。」


「いえいえ、喧嘩を売ったなんてとんでもない。いかにキャンディスイーツ商会が素晴らしいかを説明しただけです。」

 ギルドマスターが帰って来るとすぐにコルトは呼び出されていた。


「同じ商品を売っている店で、片方を褒めたらもう片方は(けな)されると同じだろ!しかもAランク商会を貶して新人商会を褒めるなんて、喧嘩を売っていると同じだ!」


「ギルドマスター。これが真実です。何も問題ありません。」


「ロイヤルスイーツ商会だぞ!ローズマリン家御用達店だぞ!この意味を分かっているのか!」

 伯爵家御用達の商会は、普通の商会以上の商会と言える。貴族自らが保証しているのだから。


「ふっふっふっ。だから問題ありません。キャンディスイーツ商会も今日ローズマリン家御用達店として登録されましたから。」

 コルトは契約書をギルドマスターに見せつける。


「おいおい!まだ一月かそこらの商会が御用達店舗に登録されたのか!」


「そうです。私が!担当している商会ですからね。」


「そうか。コルト悪事に手を染めて無いだろうな?」


「私を疑うんですか!私なんかがキャンディスイーツ商会をどうにか出来るほど力はありません。」


「そうか。なら良いんだ。だが気を付けろよ。キャンディスイーツ商会に悪意の手がのびないようにな。」


「大丈夫ですよ。護衛もいますし、ギルドのマリームさんも辞めてキャンディスイーツで働いていますよ。」


「マリームが!そうか。マリームが目をつけるなんて、よっぽどの人なんだな。」


「ギルドマスター、いくら独り身だからってキャンディ様を狙っては。」


「良いだろ別に。これだけの手腕があるなら旦那となる資格もあるだろう。」


「いえ、キャンディ様はまだ12歳ですよ。キャンディ様でも20も上では、いえ何でもありません。」


 ギルドマスターの目線が鋭く刺さる。

「20じゃねえ。18上だ。しかし12歳か。流石に無理か。」


「とにかく問題はありません。ロイヤルスイーツ商会が何かしてもきっと大丈夫でしょう。」


「そうだな。今のところ問題なさそうだな。私も気をつけておくが、コルトも気をつけておけよ。」


「もちろんです。」



 コルトさんがロイヤルスイーツ商会の職員を貶し、そのまま職員は報告した。その結果、キャンディスイーツ商会をライバル店とされ、徹底的に狙われる事になるのだった。





感想ありがとうございます!

5月24日まで予約投稿済みなので、気楽に見てください。


毎日朝7時に次話投稿しています。


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