027 ファーストキス?
龍の国へと降り立った。
ドランさんがドラゴンの姿から人の姿へとなった。
「あれ、ドランさん服大丈夫なんですね」
ドランさんは全裸になる事なく服を着ていた。
カーミルはドラゴンの姿から人の姿になった時、服が無くなっていたからてっきり全裸になるかと思っていた。
「ああ、これは魔道具だよ」
「そんな便利な魔道具があるんですね」
それから、ドランさんを先頭に木が生い茂る山の中へと入っていった。
途中から俺は結菜に背負われて移動する。
10分ほど進んだ所で洞窟に入った。
結菜とドランさんが魔法で灯りを出す。
それから、1分ほど進んで脇道に入り少し行くと、木の扉があった。
「【解錠】」
ドランさんは扉を開け、中に入った。
中は6畳ほどの広さで、テーブルと椅子、ベッドが1つずつあった。
俺は結菜の背中から降りる。
「魔道具の反応的に、カーミルさんは龍の国にいるので間違いない。僕は今から情報を集めに行って来る。2日くらいで戻ってくるからそれまで2人はここで待っててほしい」
「俺も行きます」
「あたしも」
「申し訳ないけど、僕1人の方が動きやすいから1人で行かせてほしい。後、僕が戻ってきたらすぐに出て戦闘になるかもしれないから、しっかり体を休めていてほしい」
ドランさんはそれから「僕が帰ってくるまでここを出ないでほしい。ここは安全だから」と言い残し、出て行った。
「結菜、先に寝たらいいよ。俺、座っとくから」
結菜が凄く眠たそうにしていた為、俺は結菜に先にベッドを使う事を勧める。
「優心も眠たそうにしてるじゃん」
実際、俺も眠たい。
横になればすぐ寝れそうである。
なんせ、昨日の朝起きてから夜通し寝てない上に、昨日は大量の魔物やドラゴンと戦ったりもあった。
まあ、体力の方はスキルで回復してるのだが。
でも、眠たかった。
俺は「大丈夫」と返す。
「優心がベッドで寝ていいよ。あたし、椅子で寝るから」
「いや、俺が椅子で寝るから、結菜がベッドで寝ていいよ」
このどちらがベッドで寝るかのやり取り後、数回ほど繰り返した。
「2人でベッド使わない?」
平行線で埒が明かない為、俺はつい、言ってしまった。
何言ってるんだ俺!
「…………うん、いいよ」
結菜は恥ずかしそうに小さな声で言った。
よくやった俺!
俺と結菜はベッドに入った。
結菜は灯りを部屋の灯りを消す前に寝てしまった。
俺もその後すぐに眠りに落ちた。
途中、結菜の寝相の悪さからくる蹴りで目が覚めたが、またすぐに眠りについた。
★★★
俺の目が覚める。
体に重みと温もりを感じるなと思ったら、結菜が俺の上にうつ伏せで寝ていた。
結菜の寝相は凄いな。
でも今はナイスだ。
俺はしばらく結菜の温もりを堪能していた。
結菜が頭を起こす。
結菜の顔が至近距離に来る。
「おはよう――ごめん、すぐ退くね」
結菜が恥ずかしそうに言いながら俺の顔の左右に手を付き、起き上がろうとする。
その時だった。
結菜が手を滑らした。
「「あっ」」
結菜の顔が落ちてくる。
そして、唇と唇がぶつかった。
「「痛っ!」」
結菜は慌てて俺から退いた。
ファーストキスは血の味がした。
いや、これファーストキスになるのか?
でも、唇同士が触れたし――
結菜と出来た事は嬉しいけど、こういうのはちょっと……
そんな事を考えていると顔が熱くなってきた。
それから、しばらく沈黙が続いた。
沈黙を破ったのは結菜だった。
「ごめん」
「いや、こっちこそごめん」
結菜に謝られ、俺も謝る。
「なんで、謝るの? ――――あたしは優心が初めてだったけど、嫌じゃなかったよ」
結菜の声は段々と小さくなっていき、最後の方はどうにか聞き取れた。
えっ!? どうゆう事? もしかして――
結菜の顔が驚くほど赤くなっていた。
「ねえ、優心はなんであたしの事が好きなの?」
結菜は赤い顔でジッと俺を見つめてくる。
えっ!? それは――
言うのは恥ずかしいなあ。
「それ、言わないと駄目?」
「あたしは知りたい」
「そっか――――笑ったりしない?」
結菜は「しない」と即答する。
俺は結菜に話すことを決心した。
「俺と初めて会った時の事、覚えてるか?」
「うん。三城の家で遊んでる所にあたしと奈々絵で来たね」
「俺最初、結菜を見た時、七宮さんの妹かと思ってた」
「なにそれ、ひどい」
結菜は口を尖らせる。
俺は「ごめん、ごめん」と謝る。
「あの日、みんなでゲームしたよね」
「だな。懐かしいな。またみんなで集まってゲームしたいな」
「みんなで集まるのはいいけど、ゲームはね……」
「え、ゲーム嫌なのか?」
「だって、優心容赦ないもん」
「あん時はまだ小6だし、今はちゃんと手加減するって」
結菜は「本当?」と俺を疑った目で見てくる。
俺は「たぶん」と返す。
「えー、怪しい」
結菜がジト目で見てくる。
「そういえば、初めて会った時俺をよくジッと見てきたよな」
「あ、うん」と結菜は何とも言えないような表情になる。
「後、中1の最初の方も良く見てきてたよな」
結菜は「…………」と黙り込む。
「俺さあ、結菜がよく見てくるから俺の事が好きなんじゃないか、なんて馬鹿みたいな勘違いしててさ、そっから気になり始めたんだ」
「その……なんか、ごめん」
「そんな、謝らなくても……。で、結菜はなんで俺をよく見てたんだ?」
「……ごめん、まだ言えない」
俺は「そっか、分かった」とそれ以上追求しなかった。
「それでさ、中学最後の結菜と七宮さんのダブルスの試合を見に来ててさ」
結菜は「あの試合か」と悔しそうな顔になる。
「七宮さんを慰めた後、1人木の陰で泣いてる結菜を見ちゃってさ、そん時胸が苦しくなって、あっ、俺、結菜の事好きなんだなあって」
いざ話し終えると凄く恥ずかしくなってきた。
「あー、見られちゃったか。恥ずかしいなって、今さらか。優心には色々恥ずかしい所、見られちゃってるし」
俺は「あ、うん」としか言えなかった。
「優心はカーミルちゃん事、どう思ってるの?」
「大切だと思ってる」
「そっか、色々教えてくありがと」
結菜が笑顔で言った時だった。
お腹の鳴る音がした。結菜から。
結菜が少し恥ずかしそうにしながら「ごはんにしよっか」と言う。
結菜は自分のマジックポーチから食器や飯を取り出していく。
飯は、パンと干し肉、お湯を入れるだけで飲めるスープだった。
結菜は俺の2倍以上食べていた。
それから結菜と他愛も無い話をして1日目は終わった。
2日目は結菜の寝相の悪さでお互い朝起きた。
朝飯を食べて、結菜と話しながらドランさんの帰りを待った。
しかし、ドランさんは帰って来なかった。
そして、3日目。
結菜ともし、ドランさんが帰って来なかった時はどうするか話し合いをしていた時の事だった。
扉が開く音がした。
俺と結菜はドランさんが帰ってきた扉の方を振り向いた。
扉から、知らない男達がゾロゾロと入ってきた。




