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魔王と夢見るひなた

なんやかんや平坦な日々の繰り返して、幸せの絶対条件が達成されてしまった。

それでも命がなくなることもないし戦争が勃発することもない。

変わったことはマリーの腹のなかに赤ちゃんがいることぐらい。


「ふふ、アンナ。また動いたわ。」

「ほう、動いたか。」


徹底的教育により、言葉使いを矯正され、立ち振舞いも習った。

私は元々戦闘系で、愛玩けいでないのに。

ケビンをお供に城下町で遊ぶのが楽しみとなっている。

多分、今年で四歳だったか?

国の城下町や大都市のみ、科学の発展……電気、水道、ガスなどのライフラインを供給する技術がより強化され、建築技術も上がり、昔ながらの外見ながら、オール電化など発展を遂げている。

それでも車は物資運搬業以外は馬車は牛車を使ったもので排気ガス問題はすこしだけ少ない。

服装は代わらずRPGに出てくるような者で、魔法を扱える人が少なくなってきて魔力付きの服が減ってきているくらいだ。


私事となれば、母と父が死んで長女が家を継いだことぐらい。

妹も弟もうまれず、私が末子という子とになった。

そして、幻獣の試験の結果発表日が今日だ。


「ふふ、アンナ。今日は試験発表日でしょ?」

「あぁ、そうだが……貴方の出産予定日でもある。私は貴方の体の方が心配でならないよ。」


タンポポ茶を一口飲んでマリーは机から紙とペンを取り出して文字を書いていく。


「私には魔法は使えないけど、昔のおまじないの魔法を書いてみたわ。お守りよ。」

「お守りは魔力などより、贈る思いの力だ。」


ほんとに古いもので、一度だけ書室にある古い本で見たものだ。

ほんとに魔力はこもってはいない。


「行ってくるよ。合格してなかったら会場を焼け野はらにでもしよう。」

「あらら、そうなったら魔王と名乗れるわね。」

「はは、そうだ。」


それでも、マリーの思いが込められている。


・・


馬車に乗る必要はないが、旦那さんに馬車で行けとのことだから、旦那的には合格間違いなしなのだろう。これで不合格だとしたら泥を塗ることにもなるが、さっきの言葉を予想していたのだろうな。

ケビンが馬車を走らせていく。


「ケビン。」

「どうか?」

「なに、幻獣になってしまったらどうしようかなと。隣国とは友好的だ。それにもうすぐマリーとカイトの子が生まれる。」

「いくら友好的とはいえ、戦争はおこるものです。」

「ほう?例えば?」

「……魔族とかですかね?あれらは魔王の命に忠実ですから。」


ほんとは気づいていた。

ケビンが魔王であることぐらい。

そして、この世界が恋愛ものじゃないことぐらい。

名前は忘れたけどお兄ちゃんがやってたゲームなのだ。


「でも、戦争なんて起こさないだろ?」

「魔王のことなんてわかりませんよ?」

「……もし、前世に戻れるなら、戻りたいと思うか?」

「前世ですか?」

「ああ。」

「戻りたくはありませんよ。貴女と離れたくありませんし。」

「そんなこと、言ってしまうと一般的な女ならば、告白と受け取ってしまうぞ?」

「はは、告白さも入れたんですがね。」

「合格したら、どっかに行ってしまのか?」

「さぁ?どうかしら?でも、ご主人様に祝福を渡せたのよ。あとはそっと寄り添うだけじゃないかしら?」

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