引越し
「今まで世話になったな」
黒髪に琥珀色の目をした青年は筋肉隆々のオカマに別れの挨拶をする。
「ぐすっ、いいのよ。あなたが立派に巣立っていってくれて、マルコ嬉しい」
両手で顔を隠しながらおいおい泣きじゃくるマルコにソウルは困惑してしまう。
「そ、そういうなよ。また飯食いにちょこちょこ顔出すからさ」
「.......じゃあ、1つお願いしてもいいかしら?」
マルコがこちらを伺うように尋ねる。
「おぅ、なんでも言ってくれ」
「あたしと一晩...」
「却下」
「ひどいっ!?」
いつものやり取りをしながらソウルはマルコの店を後にした。
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「お、来たね」
レイが荷物を持ってやってくるソウルを見つける。
晴れ空が映える広場でソウルはレイ、オリビア、シーナと合流した。
「悪いな、手伝わせて」
ソウルは頭をかきながら告げる。
「いえいえ、むしろ手伝わせて下さいよ」
そんなソウルにオリビアが嬉しそうに笑いかける。今日もトレードマークの白いバンダナが太陽の光を浴びて輝いていた。
「任せて」
その隣でシーナも小さくガッツポーズをとる。周りの目を気にしてフードを深く被りながらも、その奥には端麗な顔と綺麗なルビーのような瞳が輝いている。
シーナはドランクール遺跡以降、本当に表情が柔らかくなったなぁと感慨深く思う。
「むむむ.......」
「.......むぅ」
「やっぱり.......」
そんなソウルをよそにレイは疲れたようにため息をつく。
感傷に浸っているソウルは陰で壮絶な戦いが繰り広げられていることに気づいていなかった。




