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ドランクール遺跡

 エレナに連れられてソウルとレイはドランクール遺跡の入り口へと歩を進める。


「すげぇ.......」


 中に入るとそこは大広間となっており、四方に100メートルは広がっていた。柱が10メートル程の間隔で並び、その全てがサファイアのように輝きを放っている。


「すごいな、洞窟の中に建てられてるってのにめちゃくちゃ明るいじゃんか」


「あぁ、ここには3種類の魔石があってだな」


 エレナは得意げに説明してくれる。


「1つ目はこの遺跡の建物に使われてるやつだ。かなりの硬度で今でも再現して精製するのは難しいんだってよ」


 エレナは近くの柱をコンコンと叩きながら告げる。


「この柱とか地面とか天井に使われてる色の濃いやつか?」


「そうそれだよ。そして、この遺跡を照らしているのがあれ!」


 エレナは大広間の天井の中心を指差す。


「あれが、2つ目の魔石だ!光を放つ松明の代わりのようなやつだ。周りの壁にも付けられてるだろ?」


「ほんとだ、確かに壁にも埋め込まれてるね」


 見渡してみるとエレナの言う通り、壁や柱に他と比べてやや色が薄い魔石がはめられており、幻想的な光を放っていた。


「あの魔石は建物に使われてるやつと違ってそこまで硬度が高くないからな。落としたら割れちまうんだよ。うっかり落とすんじゃねぇぞ?」


「き、肝に銘じておくよ」


 歴史的遺物だ。もしあれを壊したら一体いくらになるのか.......。想像するだけで恐ろしい。


「そして、なんと言っても最後はあれだよ!」


 エレナが得意げに指さす方向には1つの巨人の像が立っていた。


 大広間の中心に位置し、ちょうど1番大きな照明の真下にくるように設置されている。


「あれが、【青銅の巨人像】なのかい?」


「あぁ、この遺跡の名物だ。今にも動き出しそうだろ!?」


「た、確かに」


 ソウルは呟く。その像にはそれほどの迫力があった。


 高さは4メートルほどだろうか。片膝をつき、右手の剣を杖代わりにして立ち上がろうとしているような姿をしている。そして天井から一筋の光が当たり、その神々しさをより鮮明なものにしていた。


 彫りの深い顔で、髪はなく頭はツルツルだ。見るからに筋肉隆々でマックスを大きくして固めたらこんな感じになるだろうか。


 そして、巨人像に使われている魔石は、他のものとは違い少し濁ったような色をしており、確かに青銅のように見える。


「こいつに使われている魔石だけは本当に未知の素材で何も分かってないんだよ。ただ、めちゃくちゃ硬くて爆発させても傷1つつきやしない」


 いや、爆発させたのか?とソウルは一瞬考えたが聞かないことにした。


「この像は一体なんなんだい?」


「まだ、よく分かってないんだよ。恐らく魔法大戦時代の遺産だとは思うんだけど.......」


「魔法大戦?」


 前にも聞いたような気がするが、なんの事だったか?


「なんで魔法大戦由来だと?」


「この奥の部屋が理由だよ」


 そう言ってエレナは像を通り過ぎて奥の部屋へと向かいソウル達も後に続く。


 そこは先ほどの部屋ほどは広くないが、大きな壁が広がる廊下のようになっており、その壁には壁画が描かれていた。


「これは、確かに魔法大戦の壁画っぽいね」


 レイは壁画を見上げながら告げる。


「魔法大戦ってなんだ?」


 ソウルは2人に尋ねる。


「は!?魔法大戦なんか常識だろ!?」


 エレナは驚愕の声をあげる。


「いやぁ、孤児院の出身だからさ。その辺のことはよく知らずに育ったんだよ」


 ソウルは頭をガシガシかきながら告げる。


「ったく、今までどんな生活送ってきたんだよ.......」


 エレナがため息をつく。


「いいか?魔法大戦ってのはだなぁ」


 エレナが壁画を指差しながら説明してくれるのだった。

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