魔法大戦
「ある帝国に1人の魔法使いが生まれる所から始まるんだ」
エレナは一番端の絵を指さした。そこには1人の子どもが生まれる絵が描かれている。
「そして、そいつは圧倒的なまでの魔法の力を持っていたんだ」
隣の絵はあらゆる魔法を使い、街を破壊する少年の絵が描かれている。
「そして、国を1つ滅ぼしてしまったんだよ」
「.......は?」
ソウルは言葉を失う。
「1人だろ!?そんな無茶苦茶なことが」
「あったんだよ。それほどそいつの力は圧倒的だったんだ。人々は彼に畏怖と敬意を込めて【覇王】と呼ぶようになる」
次の絵は王となった青年の絵だった。周りの人々は彼を恐れ敬うようにひざまづく。
「それに飽き足らず、彼はさらに力を求めるようになっていく」
次の絵はあらゆる魔法の知識を得ようと人体実験する【覇王】の姿が描かれている。
「そしてこの世の始まりの力.......世界創造の力を求めて彼の狂気はさらに進むことになる」
「始まりの力?」
「あぁ。火水雷土風に光と闇。それが全て分かれる前の純粋なマナ.......それが【起源の力】だって言われてる」
次の絵は【覇王】が世界に戦乱を巻き起こす絵だった。
「当然、周りの国もそんな勝手を許す訳にはいかない。一丸となって立ち向かうんだけど、全く歯が立たない。そこに、ある勇者達が立ち上がる!」
エレナは盛り上がってきたのか楽しそうに次の絵を指差す。
そこには7人の剣を構えた魔法使いが【覇王】に立ち向かう絵が描かれていた。
「この7人は7聖剣の使い手だった。彼らは力を合わせて【覇王】に戦いを挑み、そして激闘の末、見事覇王を討ち取ったんだ!」
聖剣?どこかで聞いたような?
次の絵は戦いに敗れ、地に飲み込まれていく【覇王】と周りで剣を構える勇者たちの姿が描かれている。
ここで壁画は終わっていた。
「ほー。でも、そんな事ほんとにあったのかよ?」
「夢がないやつだなぁ」
エレナは不貞腐れる。
「どこまでが本当かわからないけどその証拠になるものならあるじゃないか」
「証拠?」
「あぁ。聖女様が持つ【エクスカリバー】は、7聖剣の1つさ」
エレナがフンと胸を張る。
「え.......あの聖女様、そんな凄いやつだったのか!?」
「.......おい、レイ。こいつやばいんじゃないか?」
「うん、ぼくも再認識したところだよ」
レイとエレナは仲良くため息をつくのだった。




