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君がいるから  作者: 智遊
11/11

それから(遠見沙穂)

2話連続で投稿しています。

君がいるから(後編)を見てない方はそちらからお読みください。

「髪を切らなかったら……自分の髪で結わえれたのに」


莉子が残念そうに言うと、今日の主役は甘いですね!と胸を張った。


「このウイッグは地毛ですから。切った髪で付け髪を作っていただきました」

「威張っていうな!」


チョップを瀞にお見舞いすると、瀞は恨みがましそうにあたしをみた。

今日は待ちに待った恭弥と瀞の結婚式。さすが漫画の世界。本当にあたしが思い浮かべたままの世界がそこにはあった。ビバ、あたしの画力!と、当時の相方資料集様。担当が走り回って探してくれた甲斐があった。ごめんね、パシリにしたかったわけじゃないんだ。

目の前で繰り広げられたクライマックスのシーンは、瀞を涙目にするつもりじゃなかったのに資料集持ってきた担当に、「瀞の涙目もう一度!」とアンコールを受けて……ってこの話はもういい。


今は新婦の待合室。もうそろそろ私達も会場にはいらないといけないのだけど、瀞のドレス姿が綺麗でそこから動けないでいた。うんうん、よく似合ってる。

莉子も愛華もそれはそれは気の向くままに写真に納めていた。

と、ノックがして扉が開く。


「瀞、もうそろそろ時間だよ」


入ってきたのは、もう一人の主役の恭弥。と、つい三月まえに産まれたばかりの二人の子供がその腕に小さく収まっていた。名前を咲哉くんという。


「ふふふ、旦那様。旦那様も咲哉さんをお義母様にお渡ししてきてくださいませ」

「おっと、小さすぎてまだここにいたということすっかり忘れていたよ」


そう言って、恭弥は咲哉くんを持ち上げた。

さあ、本当に時間のようだ。これから私達はこの扉の向こう、彼らを祝福しに行く。


「じゃあ、行ってくるよ」


恭弥と瀞の唇が、咲哉くんの両頬に触れた。




君がいるから

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