エピローグ
アルカリオは俺の指示を受けてすぐに調査を開始し、数日で調べるべき事項の優先順位をつけた詳細な資料を作成してきた。
その効率的な働きぶりに驚かされる一方で、彼の洞察力と分析力の高さに改めて感心し、彼の協力を得られて良かったと改めて実感したのだった。
情報収集には、蜘蛛型のゴーレムが活躍している。近隣の領では商会の積み荷に紛れ込ませ、遠くの領には鳥型のゴーレムを送り込み、素早く情報を集めている。このシステムが整備されたおかげで、俺の情報網は徐々に強化されつつあった。
これらのゴーレムの操作や管理は、基本的に空中にいるルクスに任せる形となっている。ルクスも最初こそ操作に手間取っていたが、練習を重ねるうちに驚くほどの速さで上達し、今では俺よりも正確で効率的にゴーレムを操ることができるようになった。彼の成長ぶりには目を見張るものがある。
もっとも、情報自体はこれから徐々に収集していく必要がある。それでも、アルカリオによれば、シャドウブレイズ家を恨んでいる貴族はかなり多いとのことだ。そのため、ゴーレムを駆使した情報収集体制はまだまだ必要不可欠だろう。
アルカリオの提案で、鳥型ゴーレムだけでなく、ネズミなどの小動物を模したゴーレムも作ることになった。これによって、より広範囲で詳細な情報を得ることができる。
そんな中、父とリリアナがもうすぐ帰ってくるという報告を受けた俺は、早速鳥型ゴーレムを飛ばして二人の様子を探ることにした。
ゴーレムを遠くから操作していると、リリアナがこちらをじっと見ているのが分かった。彼女は何かに気づいたのだろうか? 帝都へのゴーレム潜入はリリアナの帰還と入れ違いになってしまったため、彼女がそこで何をしていたのか詳しいところは分からない。
そういえば、リリアナが帝都のマリオネット人形の店に行った際、通信用ゴーレムを通じて、彼女と会話を交わしたが、距離は関係なくクリアな音声で会話できた。念願のドラゴンのマリオネット人形も購入できたので、早くゴーレム化したくてうずうずしている。
ゴーレムを大量に作成したせいか、体調は以前よりも格段に良くなっていた。最近はメイドたちが近寄っても体調を崩さない程度には魔力を調節できるようになったが、リリアナに怪しまれるような事態は避けたい。そのため、俺は様々な物をゴーレム化する実験を続け、疑われないようにするつもりだ。
ルーシャスの体に入り込んでから、一年が経とうとしている。俺の本体は現実世界で無事なのだろうか。そもそも、この夢のような世界と現実の時間軸がどれほど異なっているのか、全く見当もつかない。
可能であれば、この状態が途中で途切れることなく続いてほしいと願うしかない。
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これで一章終了です。
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