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推しに殺される大罪人に転生。推しのために……  作者: 流庵
一章

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第〇三四話 分家

 研究室に移動した俺は映像を飛ばす方法について考える。


 まず、黄色い魔石は間違いなく必要で、問題は映像に関連する魔石が何色かということだ。


 取りあえず今ある魔石の色を確認するか。


 赤、青、緑、黄……どれも違う気がする。


 考えていると、メイドたちがマリオネット人形を持って来てくれた。


「ルシャ様、ライラ様がお呼びです」


「母様が? すぐ行こう」



 ◆ ◆ ◆



 呼ばれた部屋に入ると母のほかに叔母のレイラがいた。


「ルーちゃん、会いたかったわ!」


 リリアナもレイラがいることを知らなかったようで、ガードが間に合わず抱きしめられてしまうが、母親の前で顔を胸に埋めるのは止めてほしい。


「レイラもそのくらいにしておきなさい」


「はぁーい」


 解放された俺はソファに座る。


「お呼びと聞きましたが、魔石に魔力を浸透させる件ですか?」


「違うわ。虹色の魔石は希少価値を高めるため、流通量を絞るから当分は大丈夫よ。この間、ルーちゃんが考えてくれたゲーム覚えているかしら?」


「水中魔石落としのことですか?」


「そう、それよ!」

 

「何か問題でもありましたか?」


「問題じゃなくて、大当たりよ!」


「大当たりですか?」


「そうよ! 予想以上の反響で驚いているわ」


「そうなんですね! それは良かったです。珍しい色の魔石があったらお願いしたいですね」


「もちろん、そう言うと思って持って来たわよ」


 それでレイラがいたのか。


「本当ですか!? ちょうど欲しい色の魔石がなくて行き詰まっていたのです!」


「あら、ルーちゃんにこんなに求められると火照っちゃうわ」


 これさえなければ、いい叔母なんだけどな。


「はい、これよ。魔石は注文通り球体に加工しておいたわよ」


 大きな袋を俺の前に置いた。


「こんなにもらっていいのですか?」


「あら、それでもほんの一部よ。球体に加工していないのは持ってきてないわ。ルーちゃんが欲しい色とかあったら優先的に用意するから姉さんに言ってね」


「ありがとうございます。中を見てもいいですか?」


「もちろんよ」


 袋を開いて中を見ると、カラフルな色の魔石がたくさん入っており、その中から欲しかった色の魔石を見つけた。


「これだ」


 ホワイトオニキスに似た白い石、これで間違いないはずだ。


「白色の魔石ですか、発光系のモンスターから出てくることが多いですね」


 リリアナが教えてくれる。なるほどと思いながらも、ルーシャス自身はそのモンスターを知らないので、知らないふりをする。


「発光系とはどのようなモンスターだ?」


「ネオンジェリーなどのクラゲ系やルミネスパイダーなど虫系のモンスターに多いですね」


「なるほど、自発光するモンスターなのだな」


「その通りです」


「レイラ、この白い魔石と黄色の魔石は多めに貰えると嬉しい」


「もちろん良いわよ! でも、ルーちゃんを抱きしめられたらもっとやる気出るんだけどなぁ」


 体をくねらせて、色気を出されても困るな。


「良いぞ」


「「「えっ!?」」」


 なぜ、言った本人まで驚く?


「レイラのおかげで研究が進みそうだ。甥を抱きしめるくらい問題ないだろう?」


 と思ったのだが、レイラのうっとりした表情と荒くなった息遣いを見て、すぐ間違いだったことに気づく。


 しかし、レイラが俺を思いっきり抱きしめた次の瞬間、床に崩れ落ちてしまった!

 

「レイラっ! 大丈夫か!?」

 

 一瞬、俺の魔力の影響かと考えたが、床に倒れたレイラは痙攣しながら恍惚の表情を浮かべていた。突然俺の視界が塞がれた。


「まったく、ルシャ様になんて姿を見せるのですか!」


 リリアナが俺の視界を塞いだようだ。


 この変態は何を考えているのかさっぱり分からない。ルーシャスは十歳だが、中身の俺はレイラより年上なので、そこまで気持ち悪く感じないのも困ったところだ。


 レイラが復活したことにより、視界が元に戻る。


「ルーちゃん、魔石のことは他の分家にも内緒だから注意してね」


「そうなのか?」


 レイラが注意喚起とは珍しいな。


「私たちは分家という立場ではあるけど、あくまでシャドウブレイズ家が圧倒的な力を持っているから従っているのよ。もちろん、ムーンブレイズ家は姉さんがいるから他の五家とは違って全力でバックアップするけど、ダスクブレイズ家には注意しなさい。ルーちゃんがレティシア殿下と婚約したり、宝石の件で手柄を発揮したことで少し焦っているみたいだわ」


「レイラの言う通り、ルーちゃんとの婚約を解消したことにより、ダスクブレイズ家は分家の中で一番疎遠になっているのよ」


「母様、婚約破棄は分家の中では仕方なしとの判断だったと聞いていますが?」


「正確には分家で四家は賛成したけど、二家は反対したのよ。ルーちゃんの宝石の件でダスクブレイズ家が責められている状況と聞いているわ」


 シャドウブレイズ家には六つの分家が存在する。母の実家であるムーンブレイズ家とアビスブレイズ家の二家は婚約解消に反対したそうだ。


 元婚約者がいた、ダスクブレイズ家を筆頭にレイヴンブレイズ家、ファントムブレイズ家、グローブレイズ家が現在シャドウブレイズ家とは距離を取っているのだとか。


「俺には魔力があるので近づいてこないでしょうが、気をつけておきます」


 魔石を持って部屋を出ようとするが、重たくて袋を持ち上げられなかった。レイラや、今袋を持っているリリアナは片手で持っているのに……。


 早く、魔力の問題を片付けて筋力も増やさないとダメだな。

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