子供たちを安全に村まで送り届けてもらう
管亥たちとの話を終えた俺は、孤児院の中に戻った。
孤児院の子A「張角お兄ちゃん!待ってたんだよ!ご飯、美味しいご飯が食べたい!昨日のアップルパイ!」
孤児院の子B「ず、ずるいぞ!俺は昨日のハンバーグ!」
孤児院の子C「ぼ、僕はシチューが食べたいな」
孤児院の子D「私はケーキ!」
王脩「すみません張角殿」
住職「これ、お前たちもそんなに我儘を言ってはならん」
良師「別に構いませんよ。あ!それと住職先生と皆んなには一足先に僕の村に来てもらいたいと考えて居ます。後で護衛のものとも顔合わせさせますので、身支度だけは整えておいてください」
住職「おぉ。かしこまりました。皆もご飯を食べ終えたら出立の準備をするのじゃ」
孤児院の子供たちがおーと元気一杯に返事をする。
さて、そうと決まればご飯の支度だな。
幸いにも昨日多めに作ったからそれらを温めるとして、パンに卵と肉を挟んだ簡単なものも作っておくか。
住職「子供たちが我儘を言って申し訳ありませぬ」
良師「お気になさらず。料理は皆んなで食べた方が美味しいですから。僕の村でも食堂を作って、僕が料理を振る舞っているぐらいです」
住職「そ、それではお言葉に甘えます。何分、ワシも昨日ワシと違ってこんなに美味しくなるのかと感激してましてな。また食べたいと思っておったのじゃ」
良師「ハハッ」
これぐらいで良いだろう。
残りは、子供たちの弁当と護衛をしてくれる張饒たちの分だ。
孤児院の子A「うわーアップルパイだぁ!」
孤児院の子B「ハンバーグだぁ!」
孤児院の子C「シチューだ!」
孤児院の子D「ケーキだぁー!」
王脩「この、パンとやらに挟んでるのは?」
良師「肉と卵だ。マヨネーズに焼肉のタレもかけている」
孤児院の子B「う、うまっ!こんなパンなら俺いくらでも食えるぜ」
王脩「お、美味しい」
そうだろうそうだろう。
綾と遼も俺が初めて作ったクラブハウスサンドをそんな風に喜んでくれたっけ。
アレは確か、綾と遼が退院して直ぐ…。
うっ頭が。
???『力及ばず申し訳なかったね良師くん』
良師『ようやく退院まで漕ぎ着けたんだ。何を謝る必要が?』
???『良師くん…ショックは分かるが現実を見るんだ!』
良師『先生、すいません。退院する綾と遼のために美味しいご飯を作らないとダメなのでこれで失礼します』
???『待つんだ良師くん!綾ちゃんと遼くんはもう!』
張角『良師!どうしたんじゃ良師!』
うっ。
張角?
張角『気が付いて良かった』
どうやら、また変な悪夢を見ていたようだ。
綾も遼も退院して、俺の帰りを待ってるってのに…ん?
じゃあ、俺は何でこっちの世界に?
えーっと、揚惇命先生の小説に出てくるそっくりの甘氏が女神で出てきて、この世界を救ったら俺の願いを何でも一つ叶えてくれるって…あ!
そうだそうだ!
両親の死を無かったことにしてもらうためにこの世界を救うんだった。
孤児院の子たち「ご馳走様でした」
どうやらいつの間にか皆の食事も終わったようだ。
バタバタと皆が身支度を整えるので、俺は1人づつ弁当を渡した。
良師「道中でお腹が空いたら食べるんだよ。これ水筒もね」
孤児院の子A「ありがとう張角お兄ちゃん。張角お兄ちゃんも直ぐに帰ってきてね」
良師「ここでの仕事が終わったら戻るよ」
孤児院の子B「絶対だぞ!それまでオイラご飯食わずに待ってるからな」
良師「そんなことしたら帰ってきても美味しいご飯作ってやらないぞ」
孤児院の子B「食べる!食べるからそれだけは嫌だ!」
良師「よしよし。みんなもしっかりと食べるんだぞ」
俺の言葉に皆がコクコクと頷く。
住職「ハッハッハ。これでは、どちらが先生か分かりませんなぁ」
王脩「住職先生も皆んなも道中気をつけてください。僕は張角殿を森に案内して、一緒に帰ります」
住職「うむ。王脩よ。無茶するで無いぞ」
王脩「住職先生も」
良師「では、みんなを僕の村まで送り届けてくれる護衛の人を紹介するね。こちら、僕の村で兵士をしてる」
張饒「広宗東の村で守備隊の副隊長をしています張饒です。皆さんのことは俺が守るので、何でも頼ってください。あ、後。張角様の弁当は少しづつ食べましょう。しばらく食べられそうにないので」
孤児院の子A「張饒お兄ちゃんも張角お兄ちゃんのご飯好きなんだぁ」
張饒「嫌いな人は居ないと思いますよ。遠征先でも張角様が居てくださるだけで美味しいご飯が出てきますから」
孤児院の子B「良いなぁ。決めた!俺、将来張角兄ちゃんを守る兵士になる!そしたら、孤児院を出てからも張角兄ちゃんのご飯食べ放題だろ」
張饒「うーん。もう皆さんはほとんど食べ放題だと思いますよ。張角様は、食堂も経営されてますから、しかも住民は庭で取れた野菜を持って行ったらタダです」
孤児院の子C「住職先生!僕たちも庭でたくさん作物を育てようよ!僕たちも手伝うよ」
住職「そうじゃなぁ」
孤児院の子D「毎日張角お兄ちゃんのご飯が食べ放題…ケーキ…アップルパイ…未知なる甘い物…好き。私、将来張角お兄ちゃんのお嫁さんになる!」
張饒「そうなると恋敵がたくさんですよ。今ですら張角様は街の女の子たちにモテモテですから」
子供と直ぐに打ち解けるなんて、中々やるじゃ無いか張饒。
こんなに喜んでもらえるならもう少し多めに渡しておくべきだったか?
良師「張饒、では皆のことを任せるぞ」
張饒「お任せください。我が村の宝、必ずや傷一つ付けず送り届けます」
こうして、皆と別れた後、残った俺たちは王脩の案内に従って、森へと向かうのだった。
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