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リロード  作者: 黒十二色
番外編 幕間集
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常人日記(嘘)

 これは、発掘されたジョージの日記の内容である。


 信じていた友がいた。裏切って僕の研究を自分の研究として発表した。少し好きだったあの娘も、その友と結婚するらしい。もう死ねよ。死んじゃえばいいよ、もう。わかったよ、僕が死ぬよ。



 名前を変えようと思う。ジョージとかにしよう。外人風の方が格好良い。この名前で僕は死ぬことにする。ちょっと樹海行ってくる。



 死ねなかった。知り合いに会って、一緒に研究しようとか言われた。



 すっごい楽しい気分になってきた! 僕も研究に参加しようかな。楽しそうだし。岩城って人が頭良くて好きだわ。あと、ものすごい美人がいた。虚ろな目して歩いてたけど、タイプだ。



 この地下の組織には、大きく分けて、二種類の派閥がある。「白石レイコという人間を生き返らせる研究をする派閥」と「人間をゼロから作る派閥」以下「白石派」と「人間派」と表記する。白石派には、自殺を志願し、拾われた者が多い。対して、人間派では、岩城さんや森岡って人が集めてきた遺伝子研究者やら脳科学研究者やら植物学者、動物学者が多かった。そういった背景もあって、白石派と人間派の間に確執が生まれつつあった。うまく立ち回らなくてはならない。人間派も一枚岩というわけではなく、さらに二つの派閥があり、それによって競争が生まれ、技術の進歩スピードが速い。



 今日、あの女の人に話しかけた。美咲という名前らしい。素敵な名前だ。



 実験は失敗ばかり。白石レイコの姿をしたモノを作り出すことはできても、記憶も、心も、何も持っていないようだった。まさに人形。でも僕にはまだ関係ない。とりあえず僕は、人間派の連中は好きになれない。



 美咲さんに好きだと言った。僕の気持ちを受け入れてくれた。やる気が出てきたぞ。



 美咲さんと一緒に研究することにした。どちらかといえば白石派に属することになるけど。その辺の態度はハッキリさせたくない。岩城さんは僕を特別待遇してくれると言っていたから、どうせなら三つ目の派閥を作ってしまおうかな。



 白石レイコの遺伝子情報を持った受精卵。白石派と人間派それぞれの研究を取り込んだ結果、それを作り出すことに成功した。成長すれば、白石レイコの容姿と全く同じになるはずだ。これを、美咲に着床させよう。保険として、人間派の研究者にも、この提案をしよう。



 白石レイコの遺伝子に改竄を加えた。新しい人類の幕開けだ。美咲の子だけは、特別になる。



 薬剤の精製に成功した。これで、記憶の改竄が可能になった。白石レイコはこれで完成する。岩城さんの役に立てる。



 美咲を薬剤投与によって改造した。僕を永遠に愛し続けるように、そして、誰よりも強く。そして、決して老いない体に。大量の薬を投与した。ああ、美咲。愛しているよ。



 美咲がいなくなった。僕が彼女を改造したのが気に入らなかったようだ。僕と彼女の大切な、生まれたばかりの子供を持ち去った。何でそんなことをするんだ! 僕はただ、君の事が好きで、愛していて、それで君を改造しただけなのに!



 全ての研究が振り出しに戻った。白石レイコを作り出すのに、赤子から作っていたのでは時間がかかりすぎる。岩城さんと森岡さんが、細胞を高速で培養できる技術を持っていたから、それを借りよう。あとは、白石レイコの細胞を使い、そこに、それの記憶を流し込めば良い。死んだカタマリに、記憶という命を流し込むのだ。



 白石レイコの分身が出来上がった。一気に記憶を流し込むと、破裂するように、こわれた。徐々に記憶を流し込んでも、記憶を留めておくことはできなかった。僕は、そこで、また奇天烈すぎて不可能に思えるような薬による記憶の転送が、可能になった。どうやらこの世界ってやつは何でもアリらしい。



 森岡さんが、記憶を薬剤に変換することに成功した。それを、数年かけて白石レイコの分身に流し込むことにした。



 美咲がいない。何でだろう?いない。いない。そうだ、いないのなら、ツクレバイイ。



 白石レイコが完成した。これで岩城さんへの恩返しはできた。救われた僕のこの命で、僕は、何をしよう。



 盛命城を出た。薬のレシピを残して出た。盛命城は、僕の世界を広げてくれた。岩城さんと森岡さんには、感謝している。動植物の遺伝子データを手に入れる人脈もつくれたし、各種機械も金さえ払えば手に入れられるようになった。何でも作れる。僕は、神になる。この技術を使えば、世界を我が物にできる。



 森の中、洞穴に機材や、その他必要なモノを運び込み、地下から電気を通した。他人の家の電気を横取り。苦労したが、それに見合うだけの価値はある。ミサキを作った。ミノタウロスを作った。二人とも、僕の命令によく従った。でも、ミサキは美咲じゃなかった。美咲じゃないけど、美咲に似てるから良いんだ。



 巨人を作った。ミサキを作った。城を作ることにしよう。この場所に、洋風の城がいい。格好良いからな。地下には迷宮を造りそこにミノタウロスを住まわせよう。創造こそが、僕の命だ。もう誰とも関わる必要が無い。僕は自由だ!考えられ得る全ては、実現可能なのだ!



 私は一度死んだ!


 そして神になった!



 ミノタウロスが暴れだした。私のプログラムミスだろうか。巨人達に命じて、迷宮に閉じ込めさせた。どの道、こうしようとは思っていた。



 城が完成した。私はこの塔に住んで、研究を続けよう。私が死んでも、ミサキたちが私を復活させ、永遠に、新しい命を生み出し続けるだろう。ミサキには、全てのプログラムを入れてある。永遠だ。永遠の命を手に入れた!


 死なない!


 ずっと一緒だよ、ミサキ。



 たくさんの伝説生物たち。ドラゴンを量産して部隊を編成。そしてまず日本を統治下に。世界へ。国民は全員ミサキ。私が真の神になるのだ。


 人間など、いらない。



(以下解読不能)


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