Chapter23 つなぎ
視点:新渡戸夕貴→高島さき
みんなが幸せでありますように。あたしと彼が、ずっと一緒に歩いて行けますように。彼女がいつまでも、あたし達を繋いでいてくれますように。第七帰宅部がずっとずっと続きますように。時間が止まるように。終わらない物語のように。
★
ハンバーグに混ぜる卵みたいなもの。河川に架かる橋のようなもの。酢豚に入ったパイナップルは……ちょっと違うかな。
とにかく、繋げるもの。
あたしは、そういうものに憧れた。
そういうものを演じようと必死だった。
でも空回りして、酢豚に入ったパイナップルになっちゃってたのかも知れない。
この楽しくて幸せで、有限の日々が、永遠になって欲しくて、変わらないことを望んでいた。加賀君も同じようにしばらくの停滞を望んでいるようだったから、あたしはそうしている間に、色々なことを考えてみようと思った。
六人の世界。――みやこちゃんを加えて七人だけど彼女はもういない。
たった六人で、その世界は狭いようでいて、無限みたいに広かった。
一億人の世界なら、数十億人の世界なら、どれほどの広がりと深さと、希望があるのだろう?
円い縁を保つために、手を繋いでいくのだとして、私は第七帰宅部という縁を一生懸命体を伸ばして広げようとしたけれど、無知な私は、ぶつ切りにされたパイナップルくらいにしかなれなくて、それで第七帰宅部の一角を担っていけるのか少し不安だった。
手を伸ばせば加賀君やひろみちゃんに届いてしまって、あたし自身は甘くないのに甘えてしまって迷惑を掛けている気さえしてくる。
好きって何?
死ぬって何?
命の課題って言って良いくらいに答えの出なさそうな難しい問題。
死んだ人間が生き返ってしまうっていう夢みたいな、妄想じみた現実の是非。
触らなければホコリが溜まっていってしまうような、ずっと置いておいてしまいたいようなその問題は、横たわったり、立ったりして、あたしの視界を遮っているようだった。
クリスマスに、まちと山田君が命を懸けて命をめぐる戦いをしてきた。
そこでまちが得たものは何だろう?
失ったものは何だろう?
「色んな未来があったはず」
と、二人きりで話したときにまちが言っていた。
あったはずの未来の可能性を摘み取ってしまうことが罪だと言われたなら、あたしは一体どれだけの罪を犯しているんだろう?
それが罪ならばどんな罰を受けるんだろう?
あたしが走らなければ誰かは死ななかったかも知れない。
あたしが生まれなければ誰かは死ななかったかも知れない。
でもあたしが生きていなければ、生まれない誰かがいるかもしれない。
結局あたしなんかが考えても仕方ないことだと思う。
引いていく波を追いかけるようにそれは何の考えにも至らなくて、そしてもう二度と同じ波は来ない。
あたしは幸せであることが嬉しくて、でも同時に怖かった。
失うのが怖かった。
時計のカチカチという音が、別れへの時限爆弾の音のような気がして、自分の部屋の時計を全てデジタル時計に置きかえた。
時の経過を感じなくて済んで、残酷な現実の時間っていう名前の魔物か何かがすぐ傍にいるような気にならなくて済んで……ってこれはまたあたしの得意な現実逃避ね。
★
あたしは縁側で板状のチョコレートを雑に齧る。
「さき」
お父さんが来た。
「あ、お父さん、はろー」
「はろー。そこ、寒くないか? 中入れよ」
「少ししたら行くよ」
「待ってるよ」
苦行でもしているかのように寒風に身を晒しているあたしを案じて、お父さんが心配そうに言い、そして去っていった。
庭の木の葉っぱはほとんど落ちてしまっていた。
それは春を待つ行為だけど、葉っぱ一つ一つに魂があるのだとして、今年の春に新しく生まれる葉はやっぱり落ちてしまったそれとはきっと違うんだろうと思う。
たとえ姿が似ていても、全く同じ顔に見えても、違うものは違う。
一つの細胞から人が成るという途方も無い話をまちから聞いた。それが実際に行われているという話だった。山田君も同じことを言っていた。
皆してあたしを騙してからかっているんじゃないかって思えるくらいにそれは信じがたいこと。
それが本当のことだとして……あたしはみやこちゃんやひろみちゃんが存在したこと、存在することを肯定し切れるかどうか、よくわからなくなった。
人が命を操ること……昔からしてきたことではある。
生物の授業の時間に習ったこと。生態ピラミッドの頂点に在る人間が、たとえば生きるため効率よく食糧を得るための品種改良や、動物の遺伝子操作。
魂への冒涜だと言う人もいると思う。
あたしだって少しそう思う。
でも実感は薄いけれど確実に恩恵を受けてしまっている以上、あたしにその「命を操ったこと」を批判する資格なんてない。
きっと、ない。
それでも、クローン人間を作り出したり、遺伝子情報に手を加えて思い通りの子を生んだり、男の子と女の子を産み分けたり、ひろみちゃんやみやこちゃんのように一から人間を作り出してしまったりすることになると、神への冒涜、人間への冒涜、魂への冒涜。そんな風に目の色を変える。
人が命を操ることが問題なのではなくて、人が『人の命』を操ることが問題らしい。
あたしも、そういうの、少し不快。
あたしたちの周りには一見自然と不自然が入り混じって混沌としている。
でも人が手を加えたものを不自然とするなら、この街に自然なんて全然ないのかも知れない。
ただ、確証は持てないけど、時間だけは自然に流れていっていると思うから、ゼロではないのかな。
山田君やまちの話を聞いて、あたしはそれはもう多大なダメージを受けた。
それは永遠の命の研究で、死んだ人間の記憶を呼び覚ますことから始まり、一人の完全なる人間を生み出すことに目的を変えた。
途方も無い。途方も無く、怖い話。
もしも……あたしはもしもの話が好きで、よく妄想的幻想的世界に入り込み現実から逃避するけれど、少しリアリティのあるもしもの話をする。
もしもあたしが、みやこちゃんやひろみちゃんと同じ作られた人間だったとしたら――と、考えて寒気が走った。
震えた。
純粋な寒さから来る震えなのか、恐怖を覚えての震えなのかわからず、また一口、チョコレートを齧った。
もしも一から動く人間を作れて記憶を流し込めるのなら、あたしが作り物でない確証はない。
加賀君も、まちも、山田君も、新渡戸君も、人の手が造形したモノでない確証がない。
世界がとてもあやふやで、これでもかというくらいにぼやけてしまう。
柱を失って倒壊する日本家屋の姿が脳裏に浮かんだ。
「さきちゃん」
その声で、その光景は弾けた。
「あ、お母さん、はろー」
「はろー。身体、冷えるわよ、部屋の中……」
「ん、すぐ行くってば」
「そう……じゃあ、これ」
お母さんはそう言って、あたしに上着を掛けてくれた。
「ありがと」
あたしに微笑みを向けた後、お父さんと同じように部屋の中に消えていく。
宇宙は広がっているらしい。
これからも広がっていくらしい。
でもあたしはそれを見たことがない。
空に浮かぶ小さな星たちは、あの大きな月よりも大きいらしい。
それもあたしは見ていない。
本当に宇宙というものがあるのかさえ百パーセントの確証は持ちようがないけれど、皆があると言うんだからあるんだろうな。
あたしは不思議に思うことがいくつもあって、それに蓋をして日々を生きている。
たとえば言葉一つとってもそう。考えてみると、言葉って難しい。
――「おいしい」ってどういうこと?
――「好き」ってどういうこと?
どんなものなのか、説明しろと言われても、できない。
ただおいしいし、好きだからおいしくて好きなんだとしか言えない。
明確な説明がなくても、感覚を共有できるあたし達はその存在自体が奇跡みたいなものなのかもしれない。
でも、本当に?
本当に共有している?
「おいしい」ということを皆が皆同じように思っている?
社交辞令だとしたら?
そんな卑しい猜疑が浮上したりする。
――「好き」という感覚を、本当に同じように共有できてる?
色んな「好き」がある。
それはそう。
もし自分が「好き」を勘違いしているとしたら?
色んな感情に、歪みが生じていたら?
それは何だか怖いな。
そういう不確かさが人間なのかもしれないけど……。
遠くでカラスがアーと鳴いた。
あたしの家の前の電線にいるカラスがアーアーと応えた。
会話を想像してみよう。
「だれかー」
「どうしたー? 何かあったかー?」
「実は三丁目の田中が捕まったらしい」
「何だって?」
「朝ゴミを漁っていたところを一気に……」
「捕まったと言えば二丁目の武田が女にうつつを抜かして大変らしいぞ?」
「女って……奥さんいるだろ?」
「それがな、大きな声じゃいえないが、不倫だそうだ」
「大きな声で言ってるじゃん!」
あたしはクスリと笑って、
「カラスも苦労してるのねぇ」
とか言ってみた。
「さきちゃんさきちゃん?」
「おー、加賀君、はろー」
「はろー。さきちゃん。一人で笑ってダジャレ言うとか新渡戸じみてきたけど大丈夫?」
――って……。
「………………加賀……君!?」
「え? うん」
「うぇええええええええ? 加賀君が! 何であたしの家にいるのよ! 侵入?」
「いや正面から入ったけど」
「正面から侵入!」
「落ち着けって」
「落ち着けりゅああか……噛んだ……」
噛んだ……。
「落ち着いた?」
「うん……」
「隣、座って良い?」
「あ、うん」
加賀君はあたしの隣に座って、あたしと同じように空を見上げた。
「チョコ食べる?」
「じゃあ、もらおうかな」
あたしが板状の黒い物体を割って破片を手渡す。口に運んだ。
「おいしいね」
「普通に売ってるやつよ?」
「どんなものでも、さきちゃんが隣にいればきっとおいしいよ」
「スペクタクルでも?」
「………………お笑い的にはおいしいよ…………」
ひきつっていた。
「無理しないでね。あたしも、いつかおいしい料理作れるように頑張るから……」
「あぁ、うん…………」
「綺麗な庭だね」
「そう、綺麗! でも今よりもっと綺麗なときもあった!」
「そっか、またその時来て良い?」
「うん。えっと……加賀君、それで、急に来て……どうしたの?」
「どうもこうも……わからない?」
「全然……」
「さきちゃん昨日僕の家にカバン丸ごと忘れて行ったでしょ?」
「…………あぁ!!」
「携帯に連絡してみたら鞄が鳴いたから呆れたよ」
電車の定期だけポケットに入れていて気付かなかったあたし……なんてひどいボケかたを。
と、そのとき、そのお母さんが部屋の中から出てきた。
手にはお茶を載せたお盆。
「お茶が入りましたよ」
「あ、ありがとうございます、いただきます」
加賀君が軽く会釈してお母さんのもってきた緑茶を啜った。
白い湯気があたしや加賀君の頭よりも高く立ち上って、消えた。
「いつもさきがお世話になっております」
「あ、いえ! さきちゃんには僕の方がすごく大変とてもお世話になっておりまして!」
「加賀君? 言葉遣いが何か変ー」
「こんな娘ですがこれからもよろしくお願いしますね」
「あ、こちらこそ……」
「お母さん、邪魔しないでよー、いいとこなんだからー」
「あぁ、はいはい。風邪ひかないうちに中に入って来なさいね」
「はーい」
子供みたいにそう返事して、あたしもお茶を啜った。
「おいしいねぇ」
「おいしいなぁ」
しばらくぼーっとして、加賀君は言った。
「さきちゃん、中、入ろっか、風邪引いちゃうよ」
「え、う、うん」
「はい、手……」
立ち上がった加賀君が、手を差し伸べてくれた。
お茶の入った湯飲みで温かくなった手を繋いで、もう一方の手には湯飲みを持って、あたしたちは立ち上がり、少し歩いて暖房の効いた室内に入ろうとした……とき――。
ガラと目の前の引き戸が開いて、お父さんが出てきた。
びっくりしていた。
「あ、初めまして、僕はさきちゃんの」
彼の自己紹介をさえぎって、あたしは言う。
「こちら恋人の加賀遊規よ」
「こい……っ!?」
「さきちゃん、恋人って……」
「クラスメイトとか言うつもりだったんでしょ?」
「え、うん…………」
「それ嘘じゃん」
「うーん……考えてみれば確かにそうかも」
「じゃ、もう一回」
「初めまして、さきちゃんの恋人の加賀遊規です」
「そう、それよ」
「こい……びと……?」
お父さんは混乱しているようだった。
「母さん母さん!?」
「どうしたの?」
「この男がさきの恋人らしい! どうしよう!」
「あらまぁ、さきちゃん……そういうことはちゃんと言っておいてくれないと……」
「あはは……ごめん」あたしは頭をかいた。
「さあ、寒いでしょ? 中に入りなさい」とお母さん。
「え……さきに……こい、びと?」とお父さん。
よほど信じられない様子で、どっかに魂が飛んで行っちゃったみたいだった。
まるで空気を求める金魚みたいにパクパクしてた。
「失礼します」と加賀君が言って、畳の部屋に入った。
「おぉ、しばらく外にいたから暖かい」
「さきちゃん縁側、好きなの?」
「ん、うん。二番目に好きー」
「そっか」
「あら? 一番目はどこなの?」
「お母さんには教えないもんねー」
「もう、しょうがない子ね……」
「さき……お父さんとその子とどっちが好きだ……?」
「え? 加賀君のほうが好きに決まってるじゃない」
「ぁぁぁ…………」
あからさまに落ち込んだ。
「なんだか、愉快な人だね」
「そう、からかうと面白いの」
「あんまりいじめないの」
「えへへ、ごめんなさい」
「加賀君、学校でのさきちゃんはどんな感じ?」とお母さん。
「えっと……正直に言って良いかな……なんていうか、破天荒?」
「そんなにムチャクチャやってるの?」
「でもそれが楽しくて、皆さきちゃんのこと大好きです」
お母さんとお父さんの前で言われると、なんだか照れる。
「あ……どこかで見たことがあると思ったら、文化祭の演劇の時のセバスチャン!」
「おお、お父さん、よくそれに気付いた!」とあたし。
「母さん! 娘に褒められたよ!」
「ええ、よかったわね」
「セバスチャン……劇の外でも娘を連れ去るか……」
「連れ去ったりなんてしません」
「加賀君?」
「並んで歩いていきます」
静かな世界が広がっていた。
「…………加賀君、それプロポーズ?」
「え? そう聞こえた? そんなつもりじゃ……」
「あら、違ったの……」とお母さん。
違うんだ。
「加賀君……下の名前は?」とお父さん。
「あ、遊規です。加賀遊規。遊ぶに規則の規でゆうきです」
「さき、ちょっと自分の部屋に行ってなさい。ちょっと加賀遊規君と話をさせて欲しい」
「変なこと吹き込んだら怒るからね?」
「母さん! 娘が信用してくれないよ!」
「そうねぇ、さきちゃん大丈夫、私が見張っているから!」
「わかった、じゃあ部屋にいってるね」
あたしはそう言って引き戸を開けた。閉める。
一度私の部屋に向かう振りをして階段でわざとらしく音を立てた後、途中で引き返す。
あたしは加賀君にお父さん達がどんな話をするのか気になったから、すり足の小走りで、ふすまで仕切られた隣の部屋に入って、会話を盗み聞くことにした。
あたしが動いているうちは衣ずれの音に飲み込まれて何を言っているのかわからなかったけど、すぐに聞こえるようになった。
息を殺して耳を澄ませる。
「加賀君……実は、さきは私達の本当の娘じゃない」
「え……」
「簡単に、わかり易く言ってしまえば不妊症というやつでね、それでも私たちは子供が欲しくて身寄りのない子供を無差別に預かる団体から貰い受けたんだ」
「子供が産めない……? 現代医学でどうにかならなかったんですか?」
「どうにかなったかも知れないが、生まれなかったものは仕方ない。私達は一番素敵な笑顔をした子を選んでその子をもらった。咲くような笑顔で、名前は、さきといった。さきがいればそれで十分だと思っていた。さきを私達の娘にして、何年後だろう……ある日さきが妹か弟が欲しいと言ったんだよ。そのときに私はきっと悲しい顔をしてしまったんだろう。それ以来あの子は本当に欲しいものを欲しいと言えずに、私達の娘を演じて来てくれた……それが嬉しかったがそれ以上に悲しくもあった。娘に嘘を吐かせてしまっているのが申し訳なくて、でもそれに気付かない振りをするのが最善だと思ったんだ」
加賀君は、黙って、話をきいてくれていた。
きっと、真剣に耳を傾けているんだ。
お父さんは、再び何かを言おうとする。
「私達は――」
我慢できなかった。
「もう嘘つかないもん!」
叫んで、ふすまを開けた。
「……さきちゃん」とお母さんは呟いて、「さき……」ってお父さんもあたしの名前を呼んだ。
「あたしはお父さんとお母さんの子だもん。本物だもん! 演じたりしなくったって! ちゃんと子供だもん!」
本当に、子供みたいな口調で、言う。
演技という塗装を剥がしたらあたしはあの頃のままで、小さな頃のままで、すぐ泣いちゃって。
やだな、加賀君いるのに恥ずかしいな。
「あたしはこの家に育って幸せだもん! 加賀君とか、皆に出会えて、あたしの幸せちゃんとここにあるもん! 娘じゃないなんて言ったら! あたし怒るもん! 欲しいものはちゃんと全部手に入ったもん! お父さんとお母さんはお父さんとお母さんだもん!」
「さきちゃん、ありがとう」
お母さんの腕があたしを包む。久しぶりだった。
「盗み聞きする娘に育てた覚えはないんだけどな」
呆れたようにお父さんがそう言う。
その声の中にも優しさがあって、あたしは、何故だか、泣いた。
「さきちゃんさきちゃん」
「何よぅ……恥ずかしいから泣いてる顔なんて見ないでぇ……」
「僕は、さきちゃんがどこから来た子だって、嫌いになったりしないから大丈夫だよ」
「――――」
言葉にならないくらいに、その言葉は……何て言えばいいのか、わからないくらいに、あたしを優しく貫いた。
ああ、なんだ……涙の正体は、その不安からだったのか。
あたしはお母さんの手から放たれて、加賀君の腕の中に飛び込んだ。
不安の涙はうれし泣きに変わって、
「本当は! 遊規って呼びたいもん!」
よく、わからないことを言った。
「いいよ、そう呼んで」
優しく、あたしを、でも強く、抱いて、嬉しくて。
あたし一人が子供みたいで悔しくて、
「ばか、ゆーきのばか。根性なし」
悪態を吐いた。
「うん」
そう言って、彼はあたしが泣き止むのを、ずっと待っていてくれた。
――ああ、本当に、優しい人。
そりゃあたとえば、酢豚に入ったパイナップルがたまらなく好きな人だっているわよね…………。
あたし達は進んでいく。
誰も知らないその道を。その先に大きな地の裂け目があっても、勇気を持って飛び越える。繋いだ左手は離さない。歩いていく。少しでも同じラインで。
進んでいく。




