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第十四話

俺は再びメイの部屋を訪れていた。


「さて、約束通りロストエデン内を案内しようか。もう起きられるかい?」


メイは満面の笑みで「うんっ!」と返事をし、元気よくベッドから起き上がった。


(ずいぶん元気になったなぁ。初めて街で会ったときとは大違いだ。)



俺はメイにロストエデン内の色々なところを案内した。メイはその都度「すごいね!」「触ってもいーい?」「ふわぁぁぁ…」など色々な反応を示した。


(案内して良かったな。)



そして、最後に案内したのが、メイの隣の部屋だった。


俺も来るのは初めてだ。俺はコンコンとノックした。すると、部屋の中から「はぁい」と鈴のような可愛らしい声で返事があった。


俺は「入るよ。」と声をかけてから部屋の中へ。


部屋の中には、鈴のような声に相応しいメイと同じぐらいの年の少女がちょこんとベッドに腰掛けていた。

そう、この少女こそソドン村を守った報酬としてロストエデンに招いた魔族の子だ。

なんやかんやで今まで挨拶すら出来ていなかった。


少女は俺に気づくと立ち上がってお辞儀をする。

「私はリンと申します。一生懸命お世話させていただきますので末長く可愛がってください。」



うん?待て待て待て。俺の耳がおかしいのかな?なんか言葉がおかしいような…きっとそうに違いない。


「ロストエデン司令官の三鍵 唯人だ。こちらこそよろしく頼む。で、ちょっとお兄さんの耳がおかしくなっちゃったみたいで…さっきの言葉もう一回言ってくれるかな?」


リンは小首をかしげて、

「夜の奉仕を精一杯がんばりますっ!ので、私を末長く可愛がってくださいっ!」


俺は額を押さえ

「ちなみに誰が教えたのか聞いていいかな?」と訊ねた。


リンは何が不思議なのかわからないという表情で

「父が、『他の者に任せるわけにはいかない。お前に人質を頼む。司令官殿はそういう趣味の方だから…後は言わなくてもわかるな?』と。」


俺はますます頭が痛くなった。

隣でメイが「お兄ちゃん、夜の奉仕ってなぁに?」と聞いてくる。


リンがメイの言葉を聞いて驚いた。


「司令官の妹様ですか!?ご挨拶が遅れました。何でもお申し付けください、精一杯頑張りますっ!」



俺は気を取り直してリンに話しかける。


「リンのお父さんは誰かな?俺の知ってる人?」

こんな可愛い子が娘、、、思いつくところだと魔王ぐらいだが…魔王に子はいないはずだ。


「はい!話したことがあると父が申しておりましたから。」


ますますわからん。俺の話したことあるヤツで…こんな可愛い子の父親??いないぞ。


「えっ、ほんとゴメン。誰?」


リンは笑顔で

「ソドン村警備隊長のガースですっ!」


(;゜Д゜,)ェェェェエエエエエ工工

俺はマジでこんな表情をしていると思う。ビックリしすぎて頭が追いつかない。

なぜ、あんなムサイおっさんからこんな可愛い子が……

いや、待て待て。奥さんがすげー美人なのかもしれない。

………それはそれでムカッとくるな……



俺はリンになるべく優しく話しかける。


「いいかい?リン。リンは人質じゃないよ。リンにはメイの友達になって欲しいんだ。夜の奉仕とやらは必要ないよ。」


今度はリンがビックリしている。


「わ、私じゃダメですか…そんな…私にアーガイア国の命運がかかっているのに…」


俺は慌てて


「ダメとかそういう問題じゃないんだよ。メイと友達になって遊んでくれればいいから。」


あのおっさんサラッととんでもないこと教えてやがる。それになぜか俺がそういう趣味ということに……頭痛が酷くなってきた…


リンは笑顔で、

「わかりましたっ!メイ様、今日からよろしくお願いしますね!」


メイは笑顔で、

「リンちゃん、よろしくね!私、友達って初めて!」ととても喜んでいた。



その後、俺は2人を連れてロストエデン内の食糧庫へ。そこで、採れたてのとうもろこしを調達し、外で3人で焼いて食べた。


2人はきゃっきゃとはしゃぎながら楽しそうに話したり走り回ったりしていた。


それを眺めながら、妹が2人になった気分だと俺は思った。




3日後、魔王が部隊を連れてロストエデンにやってきた。







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