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vs.カツッヲン

「使徒様、カツッヲンはいかがでしょうか」

「おいマジか」


思わすため口で言っちゃった。

うそだろ、フレトラーさん乗る気なんです?


「いい案かも。カツッヲンならワイルドウルフと同じくらい速いわ」


ディアナさんも勧めてきちゃうかー。

え、ふたりともあのヴィジュアル気にならないの。というかまず乗れるフォルムなの?


相変わらずオムオム言いながら森を回遊してるカツッヲンをよく見る。


……きめぇえええ。足が男の脚じゃん!

なにあれ、人を食べてああなったの? だとしたら怖すぎる。


「き、危険はないんですか?」

「そうねぇ、一匹にみつかったら全員で追いかけてくるわ」

「追いかけて衰弱したところで獲物を食べるモンスターです」


ヒェ。人間も?って聞けない。そうですって言われたらおれ気絶しちゃう。


「あの、戦法はなにかあるんでしょうか…?」


たのむ!ないって言ってくれ!


「知能は高くないので気づかれぬよう一匹ずつ狙うのが基本です」


ええー基本まで確立されちゃってるぅ。


「気づかれた場合は」

「私がシールドを張ります」

「おばかさんだからジグザグに逃げれば割りとまけるの」

「そうですか……」


ダメだ。乗り物候補第一位ゆるがず!


実際、日が暮れたら動けないし手早くしなきゃいけないしな。



「サイコロ当てればいいんですよね……」




こそこそと三人で移動を開始。

右手にはサイコロを握りしめてる。


近づくとカツッヲンの鳴き声が大きくなってくる。

集団まで3メートルのところで茂みに身を伏せて様子を見る。


「なるべく大きいのが理想だけど、見つからないことを最優先にね」


近くでみると足の太さと長さが迫力がある。足の上にカツオが乗ってるから体高は高めだ。


観察してると円からはみ出すやつがいる。全体的には円形だから数歩もしたら群れに戻るけど。


「つぎに外側にきたやつ狙いで。……いきます」


立て膝をついたままアンダースロー。

サイコロはゆるい山型を描いて、はみ出したカツッヲンにまんまと当たった。


「……っし」


よかったー。当たったカツッヲンをみると立ち止まってぼんやりしてる。まわりのカツッヲンは気にしてないのかそのまま回遊してた。


そのまま2匹目もゲット。

そして問題が起きた。


「投げづらいな」


目の前にカツッヲン2匹が立っててなかなか邪魔だ。

このポジションからはもう狙えそうにない。


「使徒様、右の茂みに移動しましょうか」

「そうですね」


ほふく前進か、もしくは一度下がって角度を変えて接近かな。

ほふく前進……したことないな。


「一度下がります」

「ええ」

「はい」


ふたりに告げて中腰のまま慎重に後退する。


と、捕獲した2匹のカツッヲンも着いてきちゃってる。


どうやってこっちを認識してんだろ? 目線があわない、ていうかどこ見てるかわからない顔してんのに。


「……まずい。使徒様」

「え?」

「シールドを張ります、合図したら走って逃げてください」


フレトラーさんの言葉に捕獲組から視線をずらすと、魚群のやつらがこちらに体を向けて静止してる。

オムオムも止まってるし。


え、気づかれたの?


カツッヲンたちが膝をすこし折った。まさか、




「……我らを守れ堅牢なる加護!っ使徒様!」




フレトラーさんがシールドを展開したと同時にカツッヲンの大群がダッシュしたきた!


「センジくん走って!」

「はいいいいいいいいいいい!!」


ドン!ドン!って音してるけどカツッヲンが防壁に当たってるおとだよね!?


あの数で体当たりされたらさすがにシールドヤバくないか!


「フレトラーさん!」


振り返るとフレトラーさんもこちらへ走ってきてる。

さらに後ろにはカツッヲン。


いまはシールドに阻まれてるけど横から抜けそうだ。




「カツッヲンはまっすぐにしか走れないわ! カーブしましょう」


「はい……っ!」


うおおおおお! 左右に足をもつれされながら必死で走る!


パリンってガラスの割れる音が遠くから聞こえた。


「使徒様、シールドが突破されました」


すぐ横に追いついたフレトラーさんがなかなか絶望的なことを教えてくれた。


「お、追いつかる!?」


ガサガサガサガサ!!!って走ってくる音がきこえたし、もう敬語なんて言ってられん!


「大丈夫よ、もう少し巻けたら身を隠しましょ!」

「巻ききる前にもう1匹捕獲しませんと」


はえええ!? フレトラーさんは仕事に厳しすぎないか!


「ムリ!」

「使徒様ならできます」


なにその信頼! いらん!!


「ね、神具は戻ってくるし、投げてみたらいいんじゃないっ?」


んもー! 走ってるのが精一杯の貧弱現代人にむかってムチャブリしすぎじゃん!


「くそぉ! っっらあ!」


足はとめないまま振り返って振りかぶって投げる。

すぐに前を向いて走り出す。


カツッヲンの群れがいたけど当たったかどうかなんか知らない! 運だろこんなもん! サイコロは無事に戻ってきた。


ゼヒッゼヒッと呼吸の荒くなってきた俺の腕をとり右へ左へナビゲーションしてくれるディアナさん。衰弱したら食べられちゃうから俺も一生懸命ついていく。


「あの木に隠れましょ!」


急カーブして三人でデカい木の裏にみを潜めた。

そのまま体を小さく屈める。手で口をふさいで呼吸が聞こえないようにした。



ザザザザザ!っと少し先をカツッヲンたちが走り抜けていく。

走り方はアスリートみたいな腿上げでスピードもあるっぽい。


…………



「……もう平気ね」


ディアナさんがゆっくり立ち上がる。

カツッヲンの去った方とその反対をみてうなずきあうふたり。


「では街へ戻りましょう」


フレトラーさんが手を貸してくれたけど、捕獲数足りてないよね。


「何かもう1匹捕まえなくちゃダメですよね?」

「いいえ、ご心配にはおよびません」


手で示すほうに体を向けると目の前に黒光りするカツッヲン。

3匹のうつろなが此方をみてた。


ヒェエ……


(◉◉)

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