ヨズコハマーンの街 森でのりもの捜索
港街ヨズコハマーン。
みんなムキムキで色黒でにぎやかで異国情緒って感じがする。
「体調はどう? 寝てたみたいだけど」
「えあ!? おれ、寝てました?」
「ええ、うとうとしたり眠ったり。あれからかなり歩いたのよ」
ふぁー! ぜんぜん自覚なかった!
「フレトラーさんすみません!」
「とんでもないことです。使徒様のお役にたつのが私のお役目ですから」
「ご迷惑おかけしまして……おかげで体調ももどりました!」
そうなんだ。あれだけ死にそうに思えた胸の痛みも息苦しさも、街に着いたらスーッとなくなったんだ。
「まえにフレトラーさんがモンスターに乗らない弊害があるかもって言ってたじゃない? もしかしたら、センジくんの体調不良はその弊害じゃないかしら」
「あり得ない話ではないな。使徒様、確証はありませんがなるべくモンスターに乗って移動しましょう」
「そうですね、おれももうあんなに苦しいの嫌ですし、モンスター捕まえよう!」
とはいえワイルドウルフは前の村でいなくなっちゃったしな。あいつらは飼えない運命なんだ、きっと。せつなくなるぜ。
けどそういうもんと思えば、ほかのモンスターと会っても別れが辛くない!
「ここでは何が捕まえられるんですか?」
「そうねぇ、ヨズコハマーンは港があるけど森のほうが手早く大きいモンスター見つかるはずよ」
「おう、兄ちゃんたち森にいくのか? 」
大柄な漁師が声をかけてきた。人相がいかついしバンダナを頭にまいてるから海賊みたいだけど……漁師だよな?
ディアナさんとフレトラーさんが、然り気なくおれの前にでる。
「いかにも。我々は森へ向かうが、なにかあるのだろうか」
「おうよ。この時期はそろそろカツッヲンが戻ってくるからな。魚群をみつけたらギルドに報告してくれや」
ニカッと笑うと人が良さそうだった。
「魚群」
森で?
「わかったわ。みつけたら必ず知らせる」
「頼むぜ。ギルドにも通年で依頼だしてるからよ、報告だけでも小遣いになるはずだ」
カツッヲンてメジャーなモンスターなのか。
おれ以外はなんの違和感なく話をすすめてた。
そうして、おれたちは街からすぐの森へやってきた。
「明るい雰囲気の森ですねー」
怖さなし! 人の出入りも多いのか道もあるし、歩きやすい。
「使徒様、お体に変調はありませんか」
「あ、そう言えば大丈夫だ……なんでだろ」
歩いてるのに。
「グァマーツァでも森は平気だったわよね、なにか法則がありそう」
たしかに、森をうろついてもぜーぜーしないな。
ディアナさんの言うとおり何かしらの法則があるんだろうけど、調べるには苦しくならなきゃいかんしな。積極的に検証にむかえる気持ちになれぬ……でもなー皆に迷惑かかるからスイッチは知っておかないとなー
「使徒様」
物思いにふけってるとフレトラーさんが手を伸ばして制してきた。おん?
ぱたたたたたたーと何匹ものいたずらリスが数メートル先を駆け抜けていく。
「……逃げてるみたいね、警戒しましょう」
うながされるまま木の影に三人で身を隠し、あたりを伺う。
しばしして。
……ヲム……ヲム…………
「なんか聞こえた……?」
「しっ、見つかったらやっかいだわ」
……ヲム……ヲム…………
なんだこれ。
木の葉を踏みつける音。
それに交じって低い男の声でオムオム聞こえてくる。しかもひとりふたりじゃなく大勢。
「センジくん、カツッヲンよ」
見て。と、ディアナさんが肩を抱いて小声で教えてくれる。ふへっ耳に吐息がかかるぅ。
いたずらリスたちが逃げてきた方向をみると、黒い影が森を動いてた。木漏れ日に当たってみえるのは
(カツオじゃん!)
オムオム言いながら一定の方向に動いてるのはカツオ。1メートル越えの立派なやつが目の高さあたりを泳いでる!
口がパクパクしてそこからオム、オムって言ってるっぽい。
「回遊してるようですね、ちいさいが魚群といっていい規模です」
フレトラーさんも小声で。
同じところをグルグル回ってるらしい。
落ち葉の踏む音もカツッヲンとところからしか聞こえない。
(なんで?)
カツッヲンは空中浮いてるのにがさがさ鳴る理由はなんだよ。
不思議に思ってよーくみたらカツッヲンに足があった。
人間みたいで逞しい素足で二足歩行してた。
きめぇえええええ。
ヲム……ヲム……




