魔法学校
タナカの幼馴染を振り切るも、いつ別の追っ手に捕まるか分からない。
瞬☆歩で先に街に戻ってしまおうか、と妖精が考えていると、魔法使いが声を上げた。
「ラッキーだ、こんな所に魔力の果実が自生してるぞ」
レールの脇に赤いブルーベリーのような果実が生えており、これを食べると魔力が回復するようで、妖精も試しに食べてみる。
「これは…… すっぺぇです」
「お嬢ちゃんは食べといた方がいいぜ。 魔力回復の他にも、美容効果がある。 ポリフェノールが豊富だからな」
しかし、妖精には無用な心配であった。
何故なら、年は取っても、見た目は変化しないからである。
魔力の回復が完了すると、妖精たちは魔法で街へと帰還した。
街に到着したのは明け方で、暗闇と太陽の明かりがコントラストを織りなしている。
「さて、じゃあ俺は自宅に戻るとするぜ」
魔法使いが帰ろうとした時、妖精が引き留めた。
「魔法使いさん、一つ聞きたいことがあります。 タナカの体を元に戻す方法を知りませんか?」
タナカの体は現在、死体安置所に保管されており、見るも無残な状況である。
妖精は、タナカの魂を移す前に、体を元に戻さなければならない、と考えていた。
「……死体に回復魔法をかけるなんて、やったことが無いから分からんな。 ただ、ゾンビ系の魔物に回復魔法をかけたら、肉体が崩れる。 だから、下手にかけない方が無難かもな」
その話を聞き、一瞬妖精の表情が暗くなる。
「……そうですか」
「まあ、落ち込むな。 望みがないわけじゃない。 最先端の魔法を研究している学校の教授に会ってみたらどうだ?」
魔法使いが指さした先には、近代的な建造物があった。
楕円の、ひまわりの種のような形の建物である。
「魔法専門学校、マジック学園だ。 実は、俺もあの学校出身だ」
学校まで出てあの程度ですか、と妖精は思ったが、教えている側ならプロフェッショナルに違いない。
朝になるまで、妖精はタナカの家で時間を潰すことにした。
タナカのワラ人形をブラック☆ホールに収納し、早速マジック学園に向かう。
歩いて20分ほどの近場にあり、中に入ると、ローブを身にまとった学生たちが脇に教科書をかかえ、せわしなく移動している。
「すいません。 教授の部屋はどこにありますか?」
妖精がそこら辺を歩いていた男子学生を捕まえて、質問する。
「君、ずいぶんへんちくりんな恰好だね。 教授に何の用?」
「恰好はお互い様ですよ。 死体を復元する魔法について、知ってる先生はいませんか?」
「死体を復元? うーん、それって医療になるのかなぁ…… あ! 分かった、生物の先生に会ってみなよ」
妖精は、生物魔法学に精通している、メンデルという名の教授がいることを教えてもらった。
23階の部屋にいるとのことである。




