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境鳥村立中学および小学校
野咲ミク 中学担任
相原リョウコ 小学担任
霧山ユリ 中2
藤アラシ 中2
藤タイスケ 中2
星ホクト 中1
杜人イズミ 中1
霧山アン 小6
藤サクラ 小5
星ミナミ 小4
天城マヤ 小2
射手ヒロ 小1
黒式団
ワイアール 男性 40代 アラブ系
サイモン 男性 30代
ビブロス 女性 愛称ミリー
ザラブ
ベル 女性 20代 海洋学者
メイツ 女性 日本人
ナックル 男性 若造
午後、営業開始前に
ホクトの妹ミナミとユリの妹アン、藤兄弟の妹サクラが現れ、
「冷やかし」と言いつつも
天城マヤを気遣って「手伝う」と言い出した。
それなら、とピザの代金代わりに支度を手伝っていた小室アヤが
天城マヤを浚って行った。
(橘家で強制的に昼寝をさせただけ)
霧山アンが調理補助を引き受け
星ミナミが包装と提供。
藤サクラが会計をそれぞれ受け持つ。
海外からの見学者も多く
言葉が判らないながらも怖いもの知らずの二人は
身振り手振りを交えながらそつなくこなした。
だがすぐに限界が訪れる。
「なにこれ。人多過ぎ。」
「誰が何言っているか判らないんだけど。」
パニックになりかけたところで
「お疲れさま。代わるよ。」
宮田ユズの姉、宮田アンズの妹
宮田三姉妹の次女宮田モモ。
「カナ。中を頼む。私とリナで接客する。」
「はーい。」
「他の連中はどうしたのよ。」
「あいつらに接客ができると思うか?」
「まあ思わないけど。」
代役は調理補助1人と接客2人。
「だけ?」
「だけとは?」
「僕の代役的な何某はいないませんか。」
「お前は代えの利かないピザ職人だと聞いているが?」
なん、だと
呆然とするホクトに妹からの心の入っていない
「頑張れホクト。」
他の妹達もそそくさと
「また明日学校でねー」と
しっかりお土産用のピザを一箱ずつ持って立ち去る。
「自己紹介は終わってからな。」
「とりあえずお前はピザを焼け。」
「風だ、風になってピザを焼くのだ。」
ナニソレ流行っているのか?
途中、黒式団の面々を案内する霧山ユリをみかけたが
まったくもってそれどころではない。
焼いても焼いても次々と注文が入る。
お前らそんなにピザ好きか?
それとも今日ははピザを食った事がない奴の集会なのか?」
ホクトはどうして自分がこんな事をしているのかとっくに見失っている。
だからと言って手を抜かないのは
祖父の姿を見て来たからなのだろう。
なるほど、「風になれ」と言うのは
何も考えるなと言うことなのか。
風は考えない。
途中、助っ人が変わったような気がしたが
気がしただけかも知れない。
15時前に天城マヤが様子を見に来たが
あまりの混雑と混乱に小室アヤから
「お前は手を出すな」と橘家に帰された。
16時になると客足がピタリと止まった。
公園には屋台を運営する人以外いない。
「とっとと片付けよう。」
「そうだなモタモタしてると巻き込まれる。」
片付けるホクトに不穏な声が聞こえる。
「片付けは後だ。乗れ。」
射的屋さんが白いスーツ姿で天城マヤを引き連れ
本人はそのまま運転席に乗り込む。
「いやちょっと待ってください。」
窯の火は落としたが当然まだまだ熱い。
調理台の上だって片付けて終えていない。
「刃物と危ない物だけ仕舞え。急げ。」
「何をそんなに慌てて」
「いやごめん。嘘。落ち着いて片付けて。」
「は?」
「急いでいるのは本当だけど、危ないから調理台の上とか」
「運転中にとっちらからないように注意して片付けてね。」
大至急ではないが急いでいるのは判った。
とは言っても刃物を片付けたら
食材はもう残っていないし
残りは包装紙やら箱やら。
「出発しても大丈夫ですよ。」
ピザ窯熱いけどいいのだろうか。
「安全運転でまいりまーす。」
橘家に戻るのかと思っていたが
車は丘を下り、商店街を抜け、
さらに川を越え、境鳥温泉街入口共同駐車場に到着。
ホクトとマヤはキッチンカーから降ろされ
「今日はこれで解散です。お疲れ様でした。」
「片付けは?掃除もしないと。」
「それはこっちでやるから大丈夫。それから」
「週末にお呼びがかかるから空けておいてね。」
キッチンカーを降りたホクトとマヤは
射的屋が帰る様子を呆然と見送る。
何もかもが慌ただしく過ぎ去った。
実は夢でした。と誰かに言われても
でしょうね。と答えただろう。
「帰りましょうか。」
「え?ああ、はい。」
その日の夜、
「明日うちまで来て」
橘ユイから連絡が入る。
「学校には許可とってあるから」
「マヤちゃんと二人でね。」
直後、担任の野咲ミクから連絡。
「朝家で待ってろ。送ってやる。」




