長命龍種のお見合い
僕のお見合いという事で数名の女性が集まった。場所は『水源の迷宮』その中でも格式高いレストラン。僕の同行者は無し。ツェーヴェもエリアナも誰でも……とは言わないが、僕の意志をくみ取ってくれるならば何人でもウェルカムと言われた。
正直困る。これ以上増えると本当に僕の精神がつぶれそう。どう考えても節操なさすぎでしょ?
それでも最初のアースさんのお嬢さんでラピスラズリ。次にガトールさんのお嬢さんで3名、ディオさん、ピオン、アリアドネ。次、まだ正式ではないし、妻になるにしても手順はちゃんと踏んでもらわないと不公平だと宥め倒して……煌龍のジュネ。
ここからが僕が知らない間に増えた龍さん達。何故だろうか……。お見合い相手の対面席列にメリアさんが並んでいる。突っ込みどころ満載だが、本人はかなりアピールが過剰。ちょっと露出多すぎですから。それに全くの初対面で会場の隅っこに、ヴォルカニアスさんとお母様が同伴しているお嬢さんでアグニアス。ホントにどこから聞きつけたのか……前回、前々回と関係者がゼロの全くの無関係から何故かここ要る独立主の死屍龍キアント=ミア。もうお一人が同じく独立主の毒龍ベラドンナ。
僕のことは皆さん知っているらしいので女性陣からの自己紹介からスタート。僕からするともうお腹いっぱいなんですが……。
「では、若輩の某からで申し訳ないが……。某はラピスラズリと申す。大地の守護龍族が一派であり、当主の末子。特技は武術はだいたい修めている。生活の雑事全般だ。良しなに、クロ殿」
「ディオと申しますわ。私は先日顔見せに伺いましたガトールの末娘ですの。父上から良きお方がいらっしゃるとのことで一目お会いしたいと思いまいりました。どうぞ、よろしくお願いしますね」
「ピオンと申します。私はガトールお爺様の孫です。お力やご領地、お人柄を耳にしましてまいりました。よろしくお願いしたします」
「私はアリアドネ。私もピオンと同じでガトールおじいちゃんから聞いて来た。強い男が好み。見た目は関係ない。特技は……殲滅。よろしく」
うん。『堅物ロリ』、『ほんわかお姉さん』、『普通の女の子』、『物騒なジト目ツインテール』……という言葉が順々に脳裏に浮かんだ。現状一番好感度高いのはピオンだね。でも、この龍の皆さんはもう最初から結婚できる前提できてる。もう喜びの感情が凄く漏れてる。特に最後のアリアドネなんかはアピールしているか甚だ疑問なんだが……めっちゃドヤ顔決めてるからね。どうは反応して良いか解らず硬直したよ。まあ、女性側の連続アピールタイムだから、僕は口をはさむ間もなく次に回されたけど。
僕としてはここからが凄く不安。しかも切れ目の一人目が一番不安。なんでか凄くこの人が怖いもん。この人からもセリアナさんに似た臭いがするんだもん。絶対前途多難が待ってる。その次からは初対面だからわかんないけど、後ろの2人は名前からなんか物騒というか……くらい感じが凄くする。特にベラドンナさんは毒龍だと言うし……。
「うむ。では私じゃの。私のことは知っておろうが、リヴァイアサンのメリアじゃ。家事や雑事はからっきしじゃが、そなたを退屈させんことだけは確約しよう。にゅふふふふ」
「俺、アグニアス。ここにオリハルコンがあるって親父に聞いた。ここでなら俺が望む鍛冶ができると思った。そこの主がバカみたいな強者だって言うから。……俺が差し出せる最大の対価は俺自身。だから、結婚しろ」
「お初に……。わたくしは死屍龍キアント=ミア。ミアとお呼び下されば幸いです。私も理由はアグニアスさんに近いところがありますね。……でもそれ以上に貴方に興味がある。その天辺を抜く強き氣。ふふふ、今から楽しみです」
「は、初めまして!! 私はベラドンナと言います!! そ、その…ご、ご主人様になってください!!!! 私を飼ってください!!!!」
濃い。……濃ゆい。……濃過ぎるよ。さっき見たいな言い方をするなら。『エロBBA』、『脳筋鍛冶師』、『マッドサイエンティスト』、『犬?』ってとこだね。前半も大概だったけど、後半の破綻具合が凄い。
初っ端のメリアさんから下ネタジェスチャーをぶち込んできた。この人も僕のことをかなり曲解した噂を聞いたクチだろうね。絶対に。アグニアスは鍛冶のことしか頭になくて、僕の所に来た理由もそれ以外にないんだろう。最初からそれでいいのいに……。あ、これはお母様の策っぽいな。頭抱えてるし。ヴォルカニアスさんはホッとしてるからお父さんとしては結婚は反対なのかな?
さらに濃いお2人もコメント凄くしにくい。ミアの方は純粋に『錬金術師』だ。ただし狂った方面の。まぁ、研究が正しく進むなら働いてくれる分には問題ないと思う。最後のベラドンナさんのはアピールとか自己紹介すらしてない。……一応アピールではあるのか? あったね。けど、いきなり飼ってくださいって自分のチョーカー?に付けられたごつい鎖を手渡されても困る。というか、それで悦に浸るのはやめよう? 場所考えて……。
「あ、う、うん。とりあえずよろしく。えっと、面識のあるメリアさんも含めて皆さんは僕をどれくらい知ってますか?」
この場繋ぎで聞いた質問が間違いだった。聞いた自分を呪いたくなるくらいには絶望した。マジで嫁増加フラグをどうにかしてへし折らないと、僕自身の行為で首を絞めてる。
総合するとまず挙がるのは……。超強い。
これはいいんだ。特に否定する必要もない事。誰かと戦えと言われると面倒だけど、今の領地でも既にツェーヴェより強いし。魔人衆全員と戦っても勝てる道筋は見える。それくらい自分の力の理解は進んでる。
二番目が……面倒見がいい。子供をちゃんと見れる。
これに関してはまぁ、うん。正直嬉しい評価。スルトに始まり、まだ魔物の我が子はシェイドが最後だけど皆と仲良くやれてるし。それがちゃんと評価として出たのは嬉しいものだ。
ここからがちょっと勘弁してほしい。
甲斐性がある。これはグレーゾーン。一応子供達や領民を養うだけのことはしなくちゃいけないからね。受け取り方で良い悪いが変わる。妻が多い。これは甲斐性が多いと考える時の判断の1つだよね? 多いからっていいとは限らないとは思うんだけど。それを問うと、口を揃えて皆平等だと言っていたことを言われた。そんでここからはオブラートには包めない。ひっくるめると超絶倫という評価。この辺は記憶にないから解らない。……というか、忘れてたけどジュネはどこ? 挨拶そっちのけで食事してるし。自分はもう妻の中に居るから、形式的な物くらいの感じだな。
もうカオス過ぎて嫌になる。
挨拶も終わったのでここからはバイキング形式の食事会。紹介はしてないけど実は会場の隅っこに同伴者の食事席があって、皆さん観察しつつ食事をしていたのだ。一応その席の皆さんにも挨拶したら、なんか新しいフラグが立った気がして怖気が走った。なんだったのかは解らないけど、とりあえず問題は少なくこの会を終わらせたい。
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あれから数時間後。僕の既に奥さん達からの厳正なる審査を勝ち抜き、妻に内定したのは……。
ラピスラズリ、メリア、ディオ、ピオン、アリアドネ、アグニアス、キアント=ミア、ベラドンナ。ちなみに、ジュネは既に審査する側に居た。うん。直ぐに解った人は記憶力いいと思う。全員ですよ。1人も漏れませんでした。NO!と言えない僕も悪いだろうけど、メリアについては早々に落選するかと思ったのにまさかのセリアナさんがOK出しやがった。
ラピスラズリは外観は幼いけど、性格も技能も伴っているので合格。実際は800歳超えてるらしいし。ディオも普通以上に家事雑務ができた。しかも書類整理が凄く正確で手早い。連絡業務が特にピカイチだった。文句なしで通過。ピオンはオールスタンダード。どこに回してもそつなくやるし、トビもないけどヌケもない感じで普通にクリア。アリアドネはゲンブが欲しがった。なんかシンパシーがあるとのこと。……コングラッツレイション。
アグニアスはスルトとがっぷり組み合って、30分もアームレスリングで戦ってた。鍛冶の腕もスルトとドワーフ一同に認められたので通過。キアント=ミアはヨルムンガンドと硬い握手をしていた。調剤所と化している紅宮所属決定。同時に妻にも採用。ベラドンナは犬扱いしてくれとかドМ感が滲むが、医学的な方面で凄い知識を見せた。ベラドンナもヨルムンガンドが欲しいと言うので、半ば彼女の飼い犬扱いで採用。妻面接と言うよりは職場の採用試験みたいだったけど。
最後の問題の二名。
まずダメダメエロBBAのメリア。家事雑事に関しては本人の宣言通り本当に何もできなかった。半日いろいろやらせてできたのは政治経済の知識が豊富なくらいだ。セリアナさんの推薦が無かったらマジで滑ったと思う。ジュネに関しては再判定したが驚くほど料理が上手く、他は壊滅的。ヴュッカにうまく使ってもらおうと心の中で思った。
「皆さん龍族なので戦闘力に関しては最低魔人レベルはあります。強いですね。特にアリアドネは強いかと」
「ゲンブが言うなら相当だね。他の意見は?」
「ラピスとピオンは万能選手だね~。足りないところに回せる予備戦力みたいな扱いが良いと思う。仕事無いなら事務もできたし」
「ミアとベラも紅宮に欲しい。調薬、医学、植物学、菌類の知識が凄い。今すぐ働ける」
「ジュネさんは~私がもらいま~す。お料理は凄いので~」
「アグニはスルがもらう。筋がいい。鍛えがいがある」
「私はメリアさんとディオさんをもらうわね~。2人とも即戦力だから~」
まぁ、僕の奥さん選考会というよりは完全に就活みたいな様相を呈したけども。……これはこれで良かったのか? 人数が増えたことは目を背けたいけど、人が常に足りない事務所ははかどることだろう。これ以上増えないことを祈るけど、……それは叶わぬ願いとなりそう。どうにかなんないのかな~?
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・成長記録→経過
クロ
オス 生後135日~140日
主人 エリアナ・ファンテール
身長130㎝
位階進化後↓
全長17㎝……身長12㎝
取得称号
~省略~
取得スキル
~省略~
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〇初見龍族〇
ラピスラズリ
メス 800歳程
身長140㎝
守護龍族→アースの娘
大地の守護龍族からの嫁入り希望。とても若い龍族で古龍族としてはギリギリ適齢期。騎士や武家のような家系の出身の娘であり、だいたいの武芸をこなし、花嫁修業もすでに修めているという有望株。見た目はかなり幼く、人間基準の10歳前後。肩首まで伸ばしている髪をポニーテールにしている活発な印象の少女。なお、いつも軽鎧を着ている。
ディオ
メス 2000歳~2500歳
身長160㎝
時空龍族
ガトールの末娘。三女。ガトールの娘としては最後の娘でほんわかおっとりしているが、頭脳明晰で先の先を読む判断力と勘は父譲り。比較的長く生きていることもあり、大概のことはできる様で、迷宮領としても即戦力。特に事務作業に適性あり。事務作業が得意であるためかすんでいるが、本来ならば古龍とも正面から戦えるだけの実力者。人族では対処不可能。
ピオン
メス 1000歳程
身長150㎝
時空龍族
ガトールの孫にあたるかなり若い龍。特徴という特徴が無く、『ザ・モブ』と言った風合いの少女。自見目な印象でたれ目気味で大きなめにボブカット、体形も大きく特出する部分はないがマイナス点も尽くない。家事雑務に始まり戦闘面、他の作業にもそれなりの経験がある。ここでは印象の濃い人物が多い為に、この『モブ感』すら個性として成立している。なお、モブと言うとしょげるので注意。
アリアドネ
メス 1000歳程
身長165㎝
時空龍族
ガトールの孫。ピオンが長女の娘でアリアドネは長男の娘。見た目からして奇抜な少女でパンクロッカーのような服装にぎらついた髪飾りの質量のあるツインテール。髪のボリュームが凄い。ジト目でギザ歯をギラつかせる戦闘狂の側面を持つ。実際、ガトールとぞの妻を除き、時空龍族でも随一の戦闘力を持ち、他の龍族に迷惑をかけるトラブルメイカー。クロにボコられて大人しくなる。
アグニアス
メス 800歳程
身長150㎝
焔龍族
ヴォルカニアスの娘。鍛冶にドはまりしている。紅のショートカットにバンダナがテンプレでいつも作業着。女性らしさは特にない。長い間鍛冶に傾倒しているが超希少素材のオリハルコンを産出する土地の話を父から聞き、移住の準備を始める……が、父に止められ、母により嫁げばいいと言われて、素直にお見合いへ参加。とてもまっすぐで正直な性格。実はお父さん大好き。
キアント=ミア
メス 2000歳程
身長170㎝
死屍龍族
明らかにネクロマンサー的な外観をした女性龍。その種族はアンデッドではなく、その遺骸の骨を纏う事で鎧とする特殊な龍族。おそらく突然変異。独立主の新進気鋭で考え方も龍族としては独特である為に浮いている存在。実はこのキアント=ミアへ情報を流したのはツェーヴェ。学者気質の馴染であり、交友がある。まさか来るとは思ってもみなかったが。禍々しいローブの内側は落ち着いた黒髪の美人。糸目気味で少し細面なスレンダーな高身長美女。マッドサイエンティスト……。
ベラドンナ
メス 2000歳程
身長160㎝
毒龍族
独立主の女性龍。魔人から派生している。ベラドンナはキアント=ミアに誘われた。実は人間の街で医師をしている。外観は儚げでポヤッとしたお姉さん。ドジ。医師、医学者としては優秀で注射はするよりされる方が好き。極み付きのドМでどうしようもない変態。露出癖あり。いろいろと濃い人物だがエリアナ領では普通に過ごしている。どの程度が普通かは……。




