【第27話】★士官学校への階段★
【新たな階段を登る者──】
特例昇格を果たしたジェイドは、ついに士官学校への入学を果たします。
しかし、それは“試験特例組”としての栄誉であると同時に、孤立と冷たい視線に晒される日々の始まりでもありました。
今話は、新天地でのジェイドの孤独、そしてキール・フィーネ・ライナルトとの再会が描かれるエピソード。
彼の瞳に灯る小さな決意が、この先の戦いへと繋がっていきます──。
王都の東に位置する広大な敷地。
そこにそびえる塔は、これから始まる“階級社会の縮図”だった。
「ここが……士官学校。」
ジェイド・レオンハルトは胸の奥が強く鳴るのを感じていた。
冷たい風が制服の裾を揺らす。
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教室に足を踏み入れると、冷ややかな視線が一斉に向けられる。
「見ろよ、あの特例組の平民……」
「なんで奴がここにいる?」
囁き声が背中に突き刺さる。
“試験特例組”──それは栄誉であると同時に、孤立を意味していた。
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視線を前に向けると、見知った顔がそこにあった。
キール、フィーネ、そして貴族の少年ライナルト。
キールは無言で頷き、フィーネは淡い微笑を返す。
一方、ライナルトの瞳には冷たい光が宿っていた。
「よう、特例組。」
挑発的な声が響く。
(……構うな。今は前を見ろ)
ジェイドは拳を握りしめ、視線を逸らさずに歩みを進める。
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【記録官ヴィオラ視点】
「対象No.134、進学初日。心理安定度:中等。魔力封印の安定観測継続。」
「学内派閥勢力図を更新。緊張要素多発。」
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授業の終わり、ジェイドは屋上で一人、塔を見上げていた。
「アイリス、ここは俺が切り開く。」
静かな声が夜風に溶ける。
その瞳は、揺らぎながらも確かな光を宿していた。
(階級など、関係ない。俺が登り切ってみせる──)
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審問庁ファイル:No.134 - J・レオンハルト
分類:要監視対象
- ステータス:士官学校進学特例承認済
- 魔力量:封印状態安定中
- 備考:派閥抗争の火種あり。要警戒。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
この第27話は、ジェイドが士官学校という新たな舞台へ進む“導入回”でした。
孤立、派閥抗争の火種、そして微かに芽生え始めた絆……4章後半はここから一気に加速していきます。
次回は、いよいよ教室内での“階級の差”が露わになるエピソード。
ジェイドがどのように試練を乗り越えていくのか、ぜひお楽しみください。
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