番外編⑥-1 お嫁さんになる覚悟
「優しい陽だまりの中で──」
今回の番外編は、ジェイドとアイリスが王都の屋敷で過ごす穏やかなひとときを描いています。
両親に挨拶し、“お嫁さんになる覚悟”を胸に刻むアイリスの姿。
そして、そんな彼女を見守るジェイドと母の視線──
この物語は、まだ不器用で未熟な二人が、
少しずつ“家族”という温もりに触れていくお話です。
王都の屋敷、穏やかな午後。
台所の窓から差し込む陽光に、アイリスの白銀の髪がやわらかく光っていた。
「お母様……このお野菜は、このくらいに切ればよろしいでしょうか……?」
緊張した面持ちで包丁を握るアイリス。
「ええ、上手よ。ほら、もっと自信を持って」
ジェイドの母は優しく微笑み、アイリスの手元をそっと支える。
「……私、ジェイド様のお側にいる資格があるのでしょうか」
突然、アイリスが手を止めた。
震える声に、母は小さく目を見開く。
「……私なんか、何も取り柄もなくて、ジェイド様に迷惑ばかりかけていて……」
「なのに、こんな優しいご両親にまで、迎え入れていただけるなんて……」
言葉が詰まり、ぽろぽろと涙が落ちる。
「おいで、アイリスちゃん」
母は優しく手を伸ばし、アイリスを抱き寄せた。
白銀の髪にそっと頬を寄せながら、囁く。
「あなたはね、もう十分よ」
「……え?」
「ジェイドの顔を見ればわかる。あの子は、あなたといるとき、いつも安心している」
「私たちにとっても、あなたはもう“家族”なの」
アイリスの瞳から、ぽろぽろと涙が零れ落ちる。
「お母様……」
「……はい……っ」
台所の入口に立つジェイド。
母の腕の中で泣くアイリスを見つめ、ゆっくりと拳を握りしめる。
「ジェイド」
母はゆっくり振り返り、真剣な瞳で息子を見据えた。
「この子は、あなたが守るの。絶対に」
ジェイドは小さく頷く。
「……わかってる」
「この子は、あなたが守るの──絶対に」
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
番外編⑥-1は、アイリスの可愛さと、
“母視点での家族愛”を全面に押し出したエピソードでした。
次回はジェイドが“覚悟”を示す番。
父親との対話を通して見える彼の決意にも、ぜひご期待ください。
引き続き、二人の成長を見守っていただけると嬉しいです。




