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メリトクラシア  作者: Lancer
第3章:士官学院編《前期》:視線と試練の教室
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【第19話】 ★誓いの剣、導かれし場へ★

いよいよ、少年たちは“剣”で語り合うときが来ました。

士官学院の初日――その先に待っていたのは、言葉では測れぬ“覚悟の試練”。

ライナルトとの因縁が火を灯し、ジェイドの第一歩が踏み出されます。


本話は、静かな導火線が燃え広がるような緊張と、次話への布石を兼ねた転換点。

その剣は、何を守るために抜かれるのか。ぜひご覧ください。

「さて……これより、実力測定試合に移る」 教師の声と共に、講堂には凍りつくような緊張が走った。


「戦う場所は、小等騎士組の訓練場に設けられている。ここでの覚悟を、各自持って臨め」


ユミナの声が返り、壁面にごつんと石の扉が上がった。


……514番の門が開くや否や、ライナルトは顔をかしげ、軽やかに駆け出した。


「よぉ、おまえ。さっきの勉強の時はかったな。勇気だけは貴重になりそうだ」


その親しげな笑顔の88%は悪意に満ちている。


「じゃあ、この試合で確かめようじゃないか。お前のその勇気を……なにがオレたちに反撃できるか」


ライナルトは近づき、ゲラーのような笑みをたたえると、精彩な動きで胸に手を張る。


「下層のくせに、熱いな。……嫌いじゃないぜ。だったら――指名してみろよ。その熱気が、“七班の先頭”にふさわしいかどうか、試してやる」


「やめなよ、ライナルト。それは挑発とされてもおかしくないよ」


フィーネの粗い声が、戦権の分際をさりげなく支えた。


「挑発……それなら、認めよう。俺はお前を目標にする。そして、この手で、証明するんだ」


その時―― 黒く静まり返る訓練場に、ぞわりと肌を刺すような新たな魔力の気配が広がった。


「魔力利用は自由。しかし、交戦における不正行為はいっさい許されない」


ユミナは声を高め、新たな戦の開始を後押しするように教えた。


ここは、前後を分けるラインも無く、階層も謝罪も関係なく、判断されるのは、当人の力のみ。


「……ありがとう」


ジェイドはゆっくりと失礼し、戦の場に踏み出した。







ここまでお読みいただき、ありがとうございます!


第19話では、ついにライナルトとの直接対決への布石が整いました。


彼の挑発に対して、ジェイドは言葉ではなく、剣で“覚悟”を語ることを選びます。


次話では、本作初の【公式模擬戦バトル】へ。

階級と価値観の衝突のなかで、ジェイドは何を選び、何を守るのか──


そして、その熱が生まれる前に、

ほんの少しだけ、静かな時間がありました。


*明日は、番外編第3話「★夜明けのまなざし★」をお届けします。


泣いた夜のあと、初めて“名前を呼ぶ”朝。

アイリスにとって、そしてジェイドにとって、

「家族」と「信頼」という言葉がほんの少し、近づいた朝の物語です。


剣の火花が飛び交う前に、

小さな焔が灯る瞬間を、ぜひ見届けてください。


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