第85話『災厄の継承者』
ゴゴゴゴゴ……!!
封印の中心に刻まれた紋章が砕け散り、膨大な魔力が空間を揺るがした。
「ッ……この魔力……!」
ユークは剣を構えながら、一歩後退する。
目の前で、黒い霧が渦を巻きながら形を成していく。
やがて、それは 異形の鎧を纏った男 の姿になった。
漆黒の甲冑。
血のように赤い装飾が施され、その胸元には 不吉な紋章 が輝いている。
頭部には 獣の角のように鋭く歪んだ兜 をつけていた。
「……封印が解かれたか」
低く響く声。
ユークは警戒しながら問いかける。
「お前は誰だ?」
男は一瞬だけ沈黙し、それから 嘲るように笑った。
「我が名は ザヴァート 。かつて『災厄の継承者』と呼ばれた者だ」
「ザヴァート……?」
グランが息をのむ。
「まさか……! そんなはずはない……」
「知っているのか?」
ユークが尋ねると、グランは険しい表情で頷いた。
「ああ……歴史の闇に葬られた 最悪の魔術師 だ」
グランの説明によれば、 ザヴァートは数百年前に滅んだ邪悪な王国の生き残り であり、かつて世界を破滅させかけた存在だった。
「しかし……貴様は数百年前に封印されたはずだ!」
グランが問い詰めると、ザヴァートは静かに微笑んだ。
「封印が解かれた今、それがどうした?」
次の瞬間—— 空間が歪んだ。
ザヴァートの周囲に黒い魔法陣が浮かび上がり、そこから 無数の魔物 が溢れ出してくる。
「くっ……!」
「ユーク! 来るわよ!」
セリナが杖を構え、警戒する。
だが、ザヴァートは魔物たちを指揮することなく、ただユークを見つめ続けていた。
「……面白い。お前からは異質な魔力を感じる」
ユークのスキルの 「万能適応」 に興味を持ったようだった。
「試してみるか……お前が、この力に適応できるのかどうか」
ザヴァートが指を鳴らすと、魔物たちが一斉に襲いかかってきた——!!
最終決戦の始まりだ!
読んでいただきありがとうごさいます!
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