↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「いらない」と言われた万能スキル、俺が本気で使ったら世界最強でした  作者: 一ノ瀬咲
第一章 追放と覚醒──万能の力が世界を変える時
12/102

第11話 『ドラゴン討伐後の邂逅』

 ドラゴンが倒れ、戦場に静けさが戻ると、ユークは剣を収めて呼吸を整えた。重くなった空気がやがて流れ、倒れたドラゴンを見つめていた。


「……終わったか」


 ユークはそのまま戦利品を探すつもりもなく、ただ静かに立ち尽くしていた。その時、背後から微かな足音が聞こえ、ユークは反射的に振り返る。


 そこには、先ほど戦ったドラゴンの痕跡を見ていた一人の少女が立っていた。金色の髪を風になびかせ、穏やかな表情を浮かべているが、その眼差しにはどこか深いものが感じられる。


「……あなた、助けてくれたの?」


 ユークは少しだけ眉をひそめた。少女は無邪気な笑顔を見せるが、その目には確かな警戒心があった。


「俺がここにたまたまいたから、偶然だ」ユークは冷徹な口調で言い放ち、視線を逸らした。


 少女はその言葉に、微笑みながらも少しだけ驚いた様子を見せる。


「本当にそう? 私、一人じゃどうにもならなかった。ありがとう」


 ユークは言葉を返すことなく、ただ黙って周囲を見渡していた。ドラゴンの巨大な体は倒れ、その周りに破壊された樹木や岩が散乱している。戦いの痕跡があちこちに残り、静かな空気が流れている。


「それで、あなたはこれからどうするの?」少女が問いかけた。


 ユークは無言で肩をすくめ、「特に決まってない」と一言だけ答える。


「決まってないの?」


「うん、次に行く場所もまだ決めてない。ただ、もう誰にも頼らずに生きていくつもりだ」


 少女はその言葉をじっと聞きながら、少しだけ深く考え込むような表情を見せた。そして、静かに言った。


「強いんだね。こんなに大きなドラゴンを倒して……でも、きっと一人じゃない方がいい時もあるよ」


 ユークはその言葉に答えず、ただ一歩前に進み始める。


「……でも、ありがとう」少女が最後に呟くように言った。その声にはどこか切なさが込められていた。


 ユークは振り返ることなく、再び歩き出す。彼にとって、これ以上他人と関わることは無意味だ。ただ自分の力で生きていく。それだけだ。


 少女はその背を見送りながら、少しの間立ち尽くしていたが、やがて深い息をついてその場を離れる決心をした。


「じゃあ、またね……」少女は小さな声で呟いたが、ユークの背中には届くことはなかった。


 ユークはそのまま足を進め、黙々と自分の道を歩み続けるのだった。




読んでいただきありがとうごさいます!

この作品が面白かったら、感想、ブグマ&評価(下の星マーク)をお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。