第11話 『ドラゴン討伐後の邂逅』
ドラゴンが倒れ、戦場に静けさが戻ると、ユークは剣を収めて呼吸を整えた。重くなった空気がやがて流れ、倒れたドラゴンを見つめていた。
「……終わったか」
ユークはそのまま戦利品を探すつもりもなく、ただ静かに立ち尽くしていた。その時、背後から微かな足音が聞こえ、ユークは反射的に振り返る。
そこには、先ほど戦ったドラゴンの痕跡を見ていた一人の少女が立っていた。金色の髪を風になびかせ、穏やかな表情を浮かべているが、その眼差しにはどこか深いものが感じられる。
「……あなた、助けてくれたの?」
ユークは少しだけ眉をひそめた。少女は無邪気な笑顔を見せるが、その目には確かな警戒心があった。
「俺がここにたまたまいたから、偶然だ」ユークは冷徹な口調で言い放ち、視線を逸らした。
少女はその言葉に、微笑みながらも少しだけ驚いた様子を見せる。
「本当にそう? 私、一人じゃどうにもならなかった。ありがとう」
ユークは言葉を返すことなく、ただ黙って周囲を見渡していた。ドラゴンの巨大な体は倒れ、その周りに破壊された樹木や岩が散乱している。戦いの痕跡があちこちに残り、静かな空気が流れている。
「それで、あなたはこれからどうするの?」少女が問いかけた。
ユークは無言で肩をすくめ、「特に決まってない」と一言だけ答える。
「決まってないの?」
「うん、次に行く場所もまだ決めてない。ただ、もう誰にも頼らずに生きていくつもりだ」
少女はその言葉をじっと聞きながら、少しだけ深く考え込むような表情を見せた。そして、静かに言った。
「強いんだね。こんなに大きなドラゴンを倒して……でも、きっと一人じゃない方がいい時もあるよ」
ユークはその言葉に答えず、ただ一歩前に進み始める。
「……でも、ありがとう」少女が最後に呟くように言った。その声にはどこか切なさが込められていた。
ユークは振り返ることなく、再び歩き出す。彼にとって、これ以上他人と関わることは無意味だ。ただ自分の力で生きていく。それだけだ。
少女はその背を見送りながら、少しの間立ち尽くしていたが、やがて深い息をついてその場を離れる決心をした。
「じゃあ、またね……」少女は小さな声で呟いたが、ユークの背中には届くことはなかった。
ユークはそのまま足を進め、黙々と自分の道を歩み続けるのだった。
読んでいただきありがとうごさいます!
この作品が面白かったら、感想、ブグマ&評価(下の星マーク)をお願いします!




