#1-21 空の果て
エルフ種の魔法言語という言語アプリケーションには天文学な数に類するほど種類がある、とりわけ大きく分類されるオーソドックスな7大言語がある、
第一種ナノの摩擦により生じる熱量操作に分類される系統の炎魔法、
第二種ナノによる水の個体、液体、水蒸気の連結操作及びに付随する系統の水魔法、
第三種ナノにおける土の有機体、無機質体の分解再構築、物質の崩壊と増殖及び類する操作系統の土魔法、
第四種ナノの大気気圧粒子の指向性操作及びそれらの応用を行なう流体浮遊系統の風魔法、
第五種ナノに内蔵する永久電解装置の連動と放出、精製を行なう精密電子系統雷魔法
第六種ナノにて円環加速衝突にて精製される重力素粒子の操作と円環加速に生じる磁力、ベクトル操作系統の闇魔法
第七種ナノにてあらゆる物質の投影、連結、補強を行なう空想具現化系統の総称光魔法
エルフの魔法使いたちは例えどれだけ知識と経験があろうとも、限られた脳の演算リソースにより行使できる魔法が限られてしまう、凡人ならおよそ1言語魔法使い、そのう上で経験を積み魔道の道を熟練し理解を深めることでようやく2言語魔法使いへ到達する、さらに努力と弛まぬ探究心また天賦の才で3言語魔法使いに至る、そしてピュティ・ドリアドネは7言語魔法使いに憧れを持ち、エルフの歴史の中で数人しか存在しなかった7言語魔法使いにして伝説の《七色の使徒》になりたいと願い日々研鑽と努力修練を重ねていた3言語魔法使いである。
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9:59
魔竜と接続を果たしたピュティは竜の持つ莫大な量の演算リソースを全身の神経で感じ取り、その力の海に自我が引き込まれそうになる、だがそんな彼女の意識を留まらせたのは彼女の手を握る手の人物の存在だった。
「アキラ・・・」
「大丈夫か?痛くないか?」
「ううん、もう大丈夫」
「そうか、イケそうか?」
無言でピュティは頷く、こうして二人はお互いの意思の確認が取れ、それは二人が反撃開始の合図となる。
「我は求める、輝ける天上の曙光よ、授けよその真理の剣よ、境界を越え顕現せよ、踊れ、舞い踊れ----,----,--,---,------,---,-,--,-!」
《光魔法-舞い踊る剣-》
ピュティの唱えられた呪文に対し、空を滑空する竜はそれを代弁するかの様に大きく咆哮の雄叫びを上げる、それを皮切りにナノで構成され魔法陣が出現し、魔法陣を突き破り巨大で白く光る輝く剣が3本夕闇の中滑空する竜の周囲に姿を現す。
ピュティは3言語魔法使いではあるが、若さ故に魔法の熟練度自体はまだまだ未熟であることは自分でもそれを痛感してる、故彼女は常に初級系の魔法を主体に鍛錬を行なっていた、舞い踊る剣も初級光魔法の一つであり、幾ともなく練習で召喚をしているピュティの馴染みの得意魔法である、いつもの召喚と違う点といえば召喚されたのが桁違いなまで巨大な剣であり、しかもそれが3本召喚できたことである、唯のエルフだけの演算魔力では無論不可能、それを可能にしたのは神経接続で得られた魔竜の膨大な魔力のお陰なのだあった。
『お見事ですピュティ、このままマスターのサポートをお願いします』
「は、はい!頑張ります!」
「んじゃいっちょいくぞ!、ピュティ!アリス!」
傍からみたら幼女に誉められて、舞い上がってる感じのピュティがこの状況と不釣合いでどこか滑稽であり微笑ましい、そんな彼女たちにアキラは声を掛け、機体の滑空からの降下を開始する、降下に合わせ泳いでた3本の剣魚は竜を追う様に剣心を地上の《大王蟲》目掛けていく、まず一本を先行させる、ピュティの操作は剣を《大王蟲》に向けてレールを引き剣を放つという感覚であった、剣が引かれたレールを沿い螺旋軌道を円を描き突撃をする、無論それはすぐ盾によって剣は弾かれ塵へと霧散し弾いた音の振動は周囲に撒かれていき、一本目の剣が防がれるのはアキラには想定内だった、本命は後続にあった、剣を盾で弾いたお陰で僅かながら《大王蟲》の防御陣形に隙が生じた、ピュティはその現れた隙に剣のレールを敷き即座に剣魚は矢のごとくそのポイントへ放たれる、隙間を抜け到達した《大王蟲》の爆発反応装甲が起爆し2本目の剣魚を吹き飛ばし霧散、巨大飛来物を吹き飛ばす強烈な爆発故に《大王蟲》をの守りの防御陣形を大きく手の内の内部から崩してしまう、多脚がよろめき脚部アンカーを即座に大地へと打ち込み体勢を整えようとするが・・・。
「いっけぇぇぇ!」
後続で降下してる黒き竜はその隙を見逃すわけもなく、脚部のハイブーストを超点火させ、蟲に目掛けて急降下かかと落しを敢行する、蹴り落す地点は2本目の剣が爆発をした地点であり、その地点周辺は爆発反応装甲が大質量の剣を吹き飛ばすために消費された地点でもある、無論爆発反応装甲による抗力がないため《大王蟲》は大きく蹴り落しを喰らってしまい体を大きく前方へ傾いてしまう、そして上空に3本目の剣魚が《大王蟲》目掛けて矢を放つ、剣は《大王蟲》本体左部に直撃し、その部分の爆発反応装甲を爆発により3本目の剣は霧散する、よろめき中さらに左側面の盾側に爆発により左手の盾をさらに多く仰け反らせ本体から完全に防御姿勢を離してしまう。
「いまだ!ピュティ!」
アキラの合図とともにピュティは先ほどのと同じ光魔法の舞い踊る剣を詠唱していた、さきほど弾かれた3本の剣は霧散し光のナノ粒子は黒い竜の後ろにて再集結しさらに大きな魔法陣をえがく、さきほど召喚した剣魚をはるかに超える巨大な長剣を召喚する、黒き竜は咆哮を轟かせ片手で白の長剣に掴み、全身の機体ブーストをフルバーストさせ剣を持ち上げ長剣は加速度的に増し、大きく体勢をまだ崩してる《大王蟲》の本体と盾を繋ぐ所謂二の腕に当たる部分へと巨大剣を振り下ろした。
《大王蟲》の盾を切り落とし大きな地面を抉る振動は地面に着地してるアキラの機体内部まで振動が伝わった、竜機体内部の衝撃吸収ジェル水アムリタの中ですら大きな衝撃である、外に居た場合立っていられないほどの地震や衝撃波になってないだろうかとややアキラは内心思った、無論衝撃は大きく街の城壁の壁は衝撃波で一部大きく損傷している、もうすこしスマートなやり方もあったのではないかと問われれば答えに困るところだが、少なくとも二人は初操縦から初ユニゾンにと周辺への配慮を配るだけの心理的な余裕がなかった、だがそれも《大王蟲》の盾は無力化に成功できたこのアドバンテージはでかい、そのまま後方鋼棺の方へ大きく後退し停止した《大王蟲》の様子を伺う。
「ふぅ・・・これでやっかいな盾が無くなったな」
「あ、あの、あのまま手じゃなくて体に切りつけた方がよかったのでは?」
「さぁな、アリスが駄目て言うから盾だけ剥がしたが・・・ん?なんでなんだ?」
一息ついたアキラにピュティはもっともらしい疑問を尋ねる、無論アキラにもそんなこと知る由もない、自然とアリスによる解説を求める。
『それはですね竜の本体部分、つまり《石版》及び本体の周辺装甲はとても頑丈なのです、残念ながらピュティの精製した剣の強度では超構造体を破ることはできません、破るには同じ超構造体兵器ではないと無理です』
なるほどとアキラは一人納得した、マリアの施設で説明を聞いたことがあるのを思い出した、旧人類のオーバーテクノロジーの結晶の粋《超構造体》とは数密度が通常物質の十垓の密度配列で作られる人工結晶素体である、ならば急合わせで作った魔法の剣では超構造体に守られた《α》の《石版》を壊すことなんて到底無理であることがわかる、結局のところそれを破るには超構造体兵器で対応できる鋼棺の中の《阿修羅》を待つほかがない、無論そんな旧人類技術の基本知識を魔法使いのピュティは知らないので頭に浮ぶ疑問譜はアキラには手に取るように判る。
「まぁ詳しい説明はこの場を凌げたらアリス交えて、説明してやるから今は気にするな」
ピュティは何故か質問を煙に撒かれた感じで憮然とし感じの表情だった。
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3:29
盾を切り落とし、左肩からバチバチと火花と白いバイオ燃料を周辺一帯の土地にぶちまけた状態で《大王蟲》は停止し、その様子を遠くからアキラたちは様子を伺っていた、その静観してる状況は一部街のエルフの兵士たちも固唾を呑んでこの状況を静観していた、状況が変わったのは残り時間があと3分弱を切るとこで蟲はその多脚が蠢く。
「アキラ?!アレ脚が・・・」
「はぁ?!マズイ!マズイ!」
「逸らしてくださいマスター」
《大王蟲》は8本の多脚をの下半身の外部装甲に折りたたみ歪な機械音を響かせ複雑な変形機構が蠢き、巨大な盾を支えるな下半身部分のパーツの殆んどを背中へ移動され、脚は先ほどと打って変わってスリムな予備の脚が加重載の上半身を全て支えてた、背中にひとまとめにされたパーツは連結と変形を再度開始しする、ピュティいったいそれが何かがわからない、だがアキラには判った、それは背中に展開した巨大なロケットブースター近い何かであった、槍を回転させ蟲はブースターを煙で吹かしその見えざる羽を羽ばたかせ一直線に後方の鋼棺へ突っ込む。
「くっそ!」
間一髪でその回転する槍を捉え黒竜は蟲に抱きつき動きを止める、だが《大王蟲》はそれがなんのその、さらに加速開始しそれを辛うじて動きを封じてる黒竜はジリジリと押しのけられていく、回転する竜槍は出鱈目に黒竜の装甲を削る、アキラのモニタには機体の各部位の損害状況が逐一表示されて鬱陶しいこの上ない。
「なんだよ!お前は!牛か何かか!」
『ピュティ壁を作ってください』
「え、は、はい!」
突然の突撃してきた暴れ牛に呆然としてたピュティに、アリスは後方に壁を作るよう指示する、ピュティそこでようやく固まってた体が動き土魔法を展開し後方に土を垂直に隆起させる、無論それもただの初級の土魔法なのだが莫大な演算を得た今のピュティであれば土地の一区画を丸ごと隆起させ後方に巨大な巨大壁の様にする操作は造作もない、だがコクピットのモニターで間近でこの突進の質量と重量感見てた彼女にとってこの壁がどこまで阻害行動が行なえるのかわからない。
『マスター上へ!』
「あいよ!」
『機体、緊急加速開始します』
壁を背に無理矢理《大王蟲》推進方向を上へとずらし、打ち上げカタパルトの様に黒竜も合わせ緊急ブーストで加速を開始した、巨大な煙の柱を残し2柱の竜は戦場を夕闇で包まれた空の果てに移したのだ。
「ふぇ?!えぇえええええ!!」
ピュティは突然の空への上昇に混乱し思わす情けない声が漏れてしまう、後方のモニターには住み慣れた街が離れていき徐々に小さくなりやがて点になる光景、そして不意に写る光景にコクピットの男女は緊急な場面に関わらず目を奪われた。
「綺麗・・・」
映し出すのは星の地平線、日が今まさに大きく光り輝きは雲の向こう側へ落ちる、反対側を見れば月の帳が世界に掛けられようとしてた、やがてキラキラと星の海が天幕を飾る、成層圏差し掛かる対流圏ギリギリの高度で圧倒的なスケールの惑星の風景、それは秒ごと変化を続ける万花筒の様にアキラもピュティも我を忘れ息を呑む。
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-刹那、振動とともに映し出してたモニターの爆炎
「ぐわぁぁ!!」
「きゃぁ?!』」
我を忘れた二人を現実引き戻したのはアリスの警告ではなく、爆発による衝撃、黒竜の左腕がついに回転槍による破壊螺旋で装甲の限界を超え、左腕が大破爆発した、アムリタのジェルは内部からの衝撃を遮断はできないため、機体内部は大きく揺らされる、なんとか二人は衝撃からなんとか持ち直す、振動で軽く脳震盪気味になってるアキラにさらに追い討ちをかける様、次々と破損状況を表示が続く、そして一番気がかかりなのは左腕の残骸が星の引力に囚われ自由落下を開始する、幸いアリスの星の自転による落下軌道予想地点はどうやらピュティの街ではなく大きくズレて洋上へと落下との見通しという情報だった、それだけ知れただけでも心に乗っかるアキラの心理圧力がすこしだけ軽くなり、今自分が明確にすべきことを見定め機体の操作に専念できた。
「安心しな、腕は街には落ちてないて」
「え・・・」
「地上に戻るまでもうひとふん張りだ、いけるなピュティ!」
「は、はい!!」
同じ心配事をしてたピュティにアキラは声掛け地上の無事を教える、それを知るや不安な顔はすぐに消えピュティは自分にできるサポートにようやく専念できたのであった。
2柱の竜は上昇ブーストを辞め、やがて重力に囚われ、それを合図に互いの機体はブースターをふかせお互い距離を取り、左手がない物同士の黒竜と蟲は対峙をし上空52493フィートから降下を開始する。
アキラの視界の端で表示されたウィンドの残りカウントダウンは
1:05。




