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再び
放課後、一人で帰り道を歩いていると、彩乃が現れた。
「私、苦しいの!お願い、助けて!」
そう言って、彩乃は僕に抱きついた。
一休みしようと、僕らはファストフードに入った。
「お願い!私を好きになって!」
「だって、僕のこと避けたのは彩乃だろ?」
「そうじゃないの。あなたの私を求める心の力の深さを確かめないと、不安でいっぱいになるの」
ずいぶん自分に都合のいい話だとは思ったが、僕は彩乃のことが気の毒になった。
「じゃあ、しばらく一緒にいてあげるよ」
彩乃の家。
僕らは、教科書と参考書を開いて、勉強した。
さすがに、イチャつく気にはなれなかった。
夕暮れ時。玄関。
「ありがとう。少し落ち着いた」
「よかった」
手を振って、僕らはバイバイした。
「ねえ、私のこと、好き?」
僕は、少し間を置いて答えた。
「…ああ」
不安な表情の彩乃が残された。