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選択
登校すると、美由が待っていた。
「どうしたの?」
「あなた、彩乃のこと、ホントはどう思ってるの?」
「…好きだよ」
「そう」
美由が離れ際つぶやいた。
「ホントだったらいいんだけど」
放課後。
彩乃と二人で、手をつないで歩いていた。
「世界がもっと、うんと小さかったらよかったのに。そしたら、カレシとカノジョの選択肢もうんと少なくて、誰も困らなかっただろうに」
「でもその場合、男の数と女の数が一緒じゃなきゃダメだね。取り合いになっちゃうから」
「取り合い、ね…」
彩乃は自分の世界に入り込んで、何かを考えているようだった。
次の日の朝。
校門の前で、彩乃と美由が並んで立っている。
「私たち、あなたを取り合いすることにした」
「今日はどっち?」
僕は諦めた。多分、何か言っても無駄なんだ。
「美由」
僕と美由は、手をつないで校舎の中へ入っていった。




