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都市アランダ  作者: ilovuta
12/28

11話 お風呂

「きっ貴族!ほ、本当ですか?」

「嘘なはずないだろ。ほれ」

僕は貴族の称号を見せた。称号と言ってもただのカードで、リボンの付いたバッジとかではない。

「しっ失礼しました。いままでの無礼お許しください。」

「そういうのは好きじゃないんで。とにかく今まで通りの口調でお願いします。とにかく受けるのか受けないのか!」

僕はあまりに強気なためパールも目が点になっていた。

「お願いします!」

店長は、思いっきり頭をさげた。

「わかった。では二ヶ月後に申請しよう。」

「は、はい。で?条件は?」

「んー?そうだな。三つ頼む。」

「は、はい。なんでしょう?」

「僕はこのフートを従業員にするという商業方法、気に入った。そういうことで、これから僕がこの方法でなにか始めた時。連携しよう。まあ簡単に言えばコネだ。」

「ああ、それは喜んで。」

「次は、いずれメイドか執事が欲しくなったときこの辺のいい店からいいフートを連れて来て欲しい。もちろん金は出すんで。しかし、あんたの目はいいからね。みな美人だし、仕事もうまそうだ。あんたの目で今後買うときは見つけて欲しい。」

「ええ、それならいつでも」

「三つ目が王宮への案内人。僕はこの後北部と東部を回ってから中心部にもどって、明後日には王宮に行くんだ。そのとき、僕の泊まってる宿まで迎えに来て、その後王宮に案内して欲しい。僕も妹も旅で疲れているだろうからね。馬車とかの操縦を。」

ポカーン。店長、メイド、パール。三人とも口を開けていた。まあ王宮に行くと言ったからか?

「パールは後で教えるから。店長あんたは知る必要ないから、とにかくお願いできる?」

「あ、ああ。喜んで。ならこのチターナに行かせます。案内もできるので。」

「よし、これで契約成立ですね。元の契約を破棄して。わかった?僕の宿はここで、電話番号はこれだから。では明後日、待ってるから」

「あ、は、はい。ありがとうございました。」

「もっと柔らかくー。店長!」

「お、おう。気をつけて!」

「じゃまた!」

僕はコーヒーを飲み干し、店を出た。パールの目はまだ点のままだ。

「説明してなくて悪かったな。僕は説明が面倒で嫌いなんだよ。だから、簡潔に言うと…僕は王に招待されてこの町に来た。王に貴族の称号ももらったし、お金も王にもらった。ってのが僕と王の関係でこれからなぜ行くかって言うと、まああいさつに来いと言われてるからだ。これでいい?説明は。質問ある?」

「ご説明ありがとうございます。なんとなく理解できました。」

「うん、まあなんとなくでいいよ。んじゃ、北部行こうか。」

「え?もう行かれるのですか?」

「ああ、だいたい西部の雰囲気はつかんだし、コネも出来たしな。あ、そうそうなぜさっきのおやじに契約させたかというと、これから僕もフートを従業員にした事業を始めるつもりなんだよ。」

「フートを従業員…ですか。」

「ああ、フートは民にくらべて人件費が安いだろ?しかし、僕はフートにひどい扱いはしたくないので普通の民と同じように働かせてでも安い。両者ともに理があるだろ。」

「なるほど。すばらしいです。さすがご主人様。」

「まあということだからもうここには用ないんだ。パールは?あるか?」

「いえ、ありません。」

「じゃ、出発だ。」

馬車を走らせ1時間ー

「北部まであと2時間か。寒くなって来たな。パールもベスト着たら?」

「あ、はい。そうですね。またご主人様にお世話になっては大変ですし。」

「まあ風邪とかは困るな。」

「は、はい。」

「次は北部、品がとてもいいという町だな。しかも、これから住むんだ。あ、あと北部でもお兄様で頼む。パールをフートとして見られたくないからね。」

「かしこまりました。とてもいいところだそうです。」

「ほお。楽しみだな。」

北部の町に到着ー

馬車の中は以外に暖かい。外に出たとたん寒い風が吹き付ける。

「パール寒くないか?」

パールはベストだけだ。僕は毛皮のコートだから心配はないが…

「大丈夫で…さ、寒いです。」

僕が前回、弱音を吐くよう言ったのを思い出したらしい。

「わかったじゃあ。お前はこれきてろ。小走りでそこの店に行くぞ。」

100mほど先に洋服屋があった。恐らく旅行者のためにここにあるのだろう。僕はパールに自分の毛皮を着せた。

「ご主人様!さすがにこれはいけません!ご主人様が風邪になられます!」

強気に抗議するパール。

「いいから、お前は女の子だ身体が冷えやすいと聞くぞ?とにかく着ろ。じゃ行くぞ」

「え、あ!はい。」

二人で店まで走った。パールは走り方も整っていて品があった。

「いらっしゃいませ」

店内は高級感溢れていた。しかも、店員の身だしなみも整っている。

「女性物のコートはありますか?」

「ええ、こちらに。」

「パール、好きなの選んできな。」

「はい。お兄様」

「旅の方で?」

「ええ、中部から。それにしても寒いですね北部は…年中ですか?」

「いいえ、ここまで寒いのは11から3月までですよ。なので、先月は快適でした。」

「なるほど、10月まで…ですか。運がないですねー。」

「ええ、でも北部の寒さをまた楽しめるのでは?」

「ええ、それもあるかもしれませんね。」

「お兄様。これをお願いします。」

「わかった。ではこれをお願いします。」

パールが持ってきたのは毛皮だが、フード付きでベルトが付いたロングコート。センスあるなあ。

「かしこまりました。このままきて行かれますか?」

「ええ、お願いします。」

「それではお気をつけて。」

店を出ると二人とも毛皮のコートを来て、宿を探そうと思ったが宿は見当たらずすべてホテル。さすが品のある町だ。金に困っているわけでもないのでホテルに入った。部屋はとても清潔で、ベッドもダブル。ソファも机もあった。なんと風呂も!パールと二人で入りたいなあ。

「すごいなあ。ホテルは初めてだから感動ものだ。」

「はい。とても広いですね。」

「しかも久しぶりのお風呂だ」

「お風呂?ですか。」

「お湯の中にはいるやつだよ。知らないのか?」

「習った気もします。すいません。勉強不足でした。」

「そうか、じゃあ初めてか、なあ今日は背中流してくれないか?」

「かしこまりました。服はどうしましょう?」

「まかせる」

「え?あっはい…」

なるべくパールに選択権を与えて、考える練習をさせないとな。

僕は先に入り髪を洗ってまっていると浴室のドアにパールのシルエットが見えた。

「お待たせしました。」

ドアを開けて入ってきたパールはバスタオルを巻いただけの姿だった。

「お、おう。」

明るいところで見るとより鮮明で目のやり場に困る。

「ご主人様は上品な方がお好きかと思いまして。」

「そうか。考えてくれてありがとう。でも自分の意思で決めてもいいんだぞ?」

「はい、これが自分の意思だと思います。」

僕の好みに合わせる、それが自分の意思ということか…嬉しいがまだ考え方がフートっぽいな。

「そっか、んじゃ頼む。」

「はい」

背中を流す。これはフートとしての基本的な仕事として教わったらしく慣れていた。

「僕もやろうか?」

「ご主人様のご要望ならば」

「いや、お前の好きにして」

「…ではお願いします。」

「よーし」

パールは椅子に座り、バスタオルを胸の方に持っていき背中を出した。

白く、滑らかでとても美しかった。下の方に目を向けないようにして流してやった。とても繊細な肌で気を遣った。

背中を流しあった後はパールはバスタオルを巻いたまま体育座りをして湯槽にはいった。

「これが風呂だ。気持ちいいだろ?」

「はい、とても」

笑顔とともに緊張の色が見える。やはり1人で入った方が気持ちいいか。

「僕は早く出る方なんだけど、パールは初めてだし、もう少しゆっくり浸かったらどうだ?」

「では、お言葉に甘えさせていただきます。」

僕は風呂を出て、ホテルの方で用意してあったバスローブを羽織った。

だがパールはなかなか出てこなかったもう1時間たった、さすがに長すぎだろ。ちょいと見て見るか。

「パール?ちと長くないか?」

返事がない。しかたない開けて見てみるか。

「パール!おい!大丈夫か!?」

パールはタコのように顔を赤くしてバスタブの淵にもたれかかっていた。意識はありそうだが…

まず、適当にバスタオルで拭いてベッドに寝かせた。全裸だったのでうえからバスローブをかけてやった。水も飲ませてなんとか意識が戻ってきたみたいだ。

「ご主人様、すみませんでしだ…」

「いいよ。そういうところが可愛いよパールは」

「へ?はあ、そうですか…ありがとうございます。」

顔が紅いのはまだ冷めてないからか?それにしてもさっきからずっと顔が緩んでる。

「そんなに気持ちよかったのか?」

「ええ、天国のようでした。こんな経験をさせていただきありがとうございます。」

なるほど、あそこでバスタオル姿できた理由には入ってみたかったっていう意思かもな。興味が湧くのはいいことだ。

「まあ、今日はお前もタコになったしもう寝るか。」

「はい、かしこまりました。」

「んじゃお休み。」

「お休みなさい。ごしゅ……お兄様?」

いまさら思い出したのか。しかもなぜ最後にハテナをつけた。


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