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先祖代々勇者です。  作者: ばなな
8/8

7 第二の冒険の始まり

遅くなりました。ちょっと長いかもです。

私は今、異世界で、ゲームのような展開を経験している。

私得の天然王子のせいで、私は冒険に出る羽目になってしまった。

私としては、一刻も早く、現実世界に戻りたい。


「さあ、魔物達を倒しに行きましょう!」


王子~。お前が一番の魔物だよっ。

あーあ。めんどくせ。

だが、私には作戦がある。

こう見えて、何も考えて無いわけでは無いのだ。


作戦とは。

王子をこき使う。

私はど素人なので、まあそこそこの経験はある王子に戦わせ、私は守備~みたいな。


よし。まあそれならやっていけるだろう。


「さあ、行きましょう!」


「あ、食料は・・・」


「大丈夫です!冒険の途中で出てくるので!」


マジか。

宝箱はこの世界じゃ普通なのか。

でも、衛生面が気になる。


「あ、父上!!」


ふぁ??

父上ってまさか・・・


「よう。我が息子よ。」


「今から、冒険に行くのです!遂にこの国も救われます!」


「おう、小娘よ。王子の事を宜しくたのむぞ。」


あー

何か変な関係に見られてしまった。

まあいい。

こき使うから覚悟しとけよ。


「でも王子、王子はこの国にいなければなりません。」


「はい!承知の上です!」


は??

ちょまっ

今何つった??

この国にいるって・・・

私を独りで行かせる気!?


嘘だろ・・・


「小娘よ。褒美は何がいい。」


褒美・・・

金だろ普通・・・


「お金がいいです。」


「では、王家の資産を一兆ほど差し上げよう。」


い・・・一兆!?

まあいい。どうも私が手に負える金額では無いが、独りで行くのだから、それくらいの価値はあるはず。

もうさっさと行ってさっさと帰ろう。


「ああ、何処へ行くのですか!?」


王子の反応は無視して、洞窟らしき方向へと突っ走る。


「そっちじゃ無いですよー。」


・・・

くっ。

私は方向音痴なんだ。


案内された方向へ進むと、そこは、何とも神秘的な洞窟だった。

青白い光が入口からかすかに見える。

しとしとしと。

滴のしたたり落ちる音。

こんなところに魔物が住んで居るとは思えない。


「さあ、どうか、ご無事で!」


王子は雑な見送りを済ませると、私が入口に入る前に、帰っていった。

なんだよアイツ。

ムッカつく~。

まあ、しばらくはおさらばだ。

まだ会って一日目だけどね~。


私は重たい剣を手に、洞窟の中へと足を進めた。




入ってからおよそ30分。

だいぶ奥まで来たが、敵はまだ居ない。

青白く光る宝石が、暗い洞窟を照らしている。その時、


バサバサバサッ


遠くから、ドラゴンの逃げる音がした。

やべえ。でけえの来るわ。


ドスン・・・ ドスン・・・。


ゆっくりと進む足音。

だんだんと音は近くなってくる。

私は息をのんで、剣を構えた。


もう、姿が見える。

はっきりは見えないが、ただ、でかいことだけは分かる。


あ・・・


私は察した。

姿を見た0.1秒後に。

こいつ・・・ビックフットで~す(笑)。



ああああああああああーーー!!!!!



第二の未確認生物は、大きな足で、私を追ってくる。

足、何cmくらいだろー。

うーん・・・1mはあるかな・・・ いや、もっとあるよね~。



ハア・・・ ハア・・・。


全力疾走して、ビックフットの姿が見えなくなった頃。

私は冒険を始めてからの、最大の危機に直面していた。


今、私の目の前にあるのは・・・


穴。


直径10mはある、深い穴。

向こうまで渡れないという事は、私でも分かる。

下を見下ろすと、小さく、ドラゴンの大群が見えた。

この高さから降りれば、大抵の人間は死ぬだろう。

0.1%ほどの確率で生き延びたとしても、これだけのドラゴンに一人で勝てるわけが無い。


この時、私は思った。


王子が居たらな~と。


今やっと、この洞窟で一人で生き延びる事が無謀な挑戦だと確信した。

王子が居れば、王子をドラゴンの餌食にして、先に進めるのにな~。

こういう時ゲームでは、課金して何か強化したりアイテムを使えば進めるはず。


でも此処は、現実の異世界。

生身の人間がやってみると、ボタン操作のように、簡単にはいかない。


フッー。


視界がぼやけていく。

体が、現実から遠のいていく感覚があった。



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