7 第二の冒険の始まり
遅くなりました。ちょっと長いかもです。
私は今、異世界で、ゲームのような展開を経験している。
私得の天然王子のせいで、私は冒険に出る羽目になってしまった。
私としては、一刻も早く、現実世界に戻りたい。
「さあ、魔物達を倒しに行きましょう!」
王子~。お前が一番の魔物だよっ。
あーあ。めんどくせ。
だが、私には作戦がある。
こう見えて、何も考えて無いわけでは無いのだ。
作戦とは。
王子をこき使う。
私はど素人なので、まあそこそこの経験はある王子に戦わせ、私は守備~みたいな。
よし。まあそれならやっていけるだろう。
「さあ、行きましょう!」
「あ、食料は・・・」
「大丈夫です!冒険の途中で出てくるので!」
マジか。
宝箱はこの世界じゃ普通なのか。
でも、衛生面が気になる。
「あ、父上!!」
ふぁ??
父上ってまさか・・・
「よう。我が息子よ。」
「今から、冒険に行くのです!遂にこの国も救われます!」
「おう、小娘よ。王子の事を宜しくたのむぞ。」
あー
何か変な関係に見られてしまった。
まあいい。
こき使うから覚悟しとけよ。
「でも王子、王子はこの国にいなければなりません。」
「はい!承知の上です!」
は??
ちょまっ
今何つった??
この国にいるって・・・
私を独りで行かせる気!?
嘘だろ・・・
「小娘よ。褒美は何がいい。」
褒美・・・
金だろ普通・・・
「お金がいいです。」
「では、王家の資産を一兆ほど差し上げよう。」
い・・・一兆!?
まあいい。どうも私が手に負える金額では無いが、独りで行くのだから、それくらいの価値はあるはず。
もうさっさと行ってさっさと帰ろう。
「ああ、何処へ行くのですか!?」
王子の反応は無視して、洞窟らしき方向へと突っ走る。
「そっちじゃ無いですよー。」
・・・
くっ。
私は方向音痴なんだ。
案内された方向へ進むと、そこは、何とも神秘的な洞窟だった。
青白い光が入口からかすかに見える。
しとしとしと。
滴のしたたり落ちる音。
こんなところに魔物が住んで居るとは思えない。
「さあ、どうか、ご無事で!」
王子は雑な見送りを済ませると、私が入口に入る前に、帰っていった。
なんだよアイツ。
ムッカつく~。
まあ、しばらくはおさらばだ。
まだ会って一日目だけどね~。
私は重たい剣を手に、洞窟の中へと足を進めた。
入ってからおよそ30分。
だいぶ奥まで来たが、敵はまだ居ない。
青白く光る宝石が、暗い洞窟を照らしている。その時、
バサバサバサッ
遠くから、ドラゴンの逃げる音がした。
やべえ。でけえの来るわ。
ドスン・・・ ドスン・・・。
ゆっくりと進む足音。
だんだんと音は近くなってくる。
私は息をのんで、剣を構えた。
もう、姿が見える。
はっきりは見えないが、ただ、でかいことだけは分かる。
あ・・・
私は察した。
姿を見た0.1秒後に。
こいつ・・・ビックフットで~す(笑)。
ああああああああああーーー!!!!!
第二の未確認生物は、大きな足で、私を追ってくる。
足、何cmくらいだろー。
うーん・・・1mはあるかな・・・ いや、もっとあるよね~。
ハア・・・ ハア・・・。
全力疾走して、ビックフットの姿が見えなくなった頃。
私は冒険を始めてからの、最大の危機に直面していた。
今、私の目の前にあるのは・・・
穴。
直径10mはある、深い穴。
向こうまで渡れないという事は、私でも分かる。
下を見下ろすと、小さく、ドラゴンの大群が見えた。
この高さから降りれば、大抵の人間は死ぬだろう。
0.1%ほどの確率で生き延びたとしても、これだけのドラゴンに一人で勝てるわけが無い。
この時、私は思った。
王子が居たらな~と。
今やっと、この洞窟で一人で生き延びる事が無謀な挑戦だと確信した。
王子が居れば、王子をドラゴンの餌食にして、先に進めるのにな~。
こういう時ゲームでは、課金して何か強化したりアイテムを使えば進めるはず。
でも此処は、現実の異世界。
生身の人間がやってみると、ボタン操作のように、簡単にはいかない。
フッー。
視界がぼやけていく。
体が、現実から遠のいていく感覚があった。




