クマと双子
テンとセイラは話し合いを終えて
出かけようとしていると
クマが寂しい目で笑みを浮かべて
歩いてくるのが見えた
「もう行くの?テン」
「ああ、終わったら帰ってくる」
クマはぎゅっと抱きつき
「うん、待ってる…
セイラも無理しないでね」
「お嬢も二人にあまり迷惑かけないようにしてくださいね」
クマに見送られ、二人は別々で仕事に向かった。
二人が見えなくなってもクマは戻らず覚悟を決まるのを待った
午後になるとユキとナツは帰宅していた
「良い依頼なかったよー
もっと派手に名を挙げたいのになー」
ナツは帰ってそうそうクマに不満をぼやいている
「地道に努力するしかないわよ
明日の依頼を頑張りましょう」
「そうだねー、明日から頑張る」
ユキの言葉に対してだるそうに答えた
「思ってないよね」
「うん」
クマの指摘もあっさりと認めるナツに呆れつつ
「クマ練習に付き合ってくれないかしら?」
鍛錬を欠かさないユキにクマは感心した
「いいよ、暇だし」
クマは覚悟を決めて用意をした
二人は部屋を出てナツだけが取り残されてしまった
「私は?…」
ナツが庭に出ると
ユキとクマの練習試合を始めるようだ
「本当に本気でいっていいの?」
クマが強いであろうことは魔力を見ればわかるが
ユキも自分の強さが並みでないことを自覚している
「全力できなよ」
「わかったわよ」
冷冥剣
ヴァルヴァーナ
ユキは氷の剣を創り出すがクマの態度は変わらず
不服そうなのをナツは感じていた
「あなたは?」
クマは召喚魔術で大鎌を召喚した
欠月
「これが私の武器、見せてあげるよ
夜天光 月光流」
「思っていた以上ね」
ユキの内心は悔しと嬉しい二つ感情があったが
すぐに切り替った
「ユキ姉は本気でやるんだ」
どうなるんだろうこの戦い
正直楽しみなんだけどー
張り詰めていく空気の中
動き出したのはクマ
ユキとクマの間は約4~5メートルをひとっ飛びし
それでも有り余る勢いのまま鎌を振り下す
それを剣でとっさに受け
重い
「これは避けないと」
踏ん張るもユキの態勢が崩され
すかさず次の攻撃を避けようとするが
鎌は脇腹を掠めていく
次の瞬間には勝負がついた
次は私から…
そう思った時には地面に膝をついていた
「ユキ姉は掠っただけなのに…」
あっさりとしすぎる決着にナツは呆然となった
「次があるとおもった?
掠っただけなら平気だーって高を括ったんでしょ」
ユキは立ち上がって顔をしかめて頭の中ですごく反省していた
「…たしかに油断したわ」
なにが起きたの…最初一撃よりも掠っただけのほうが重い
頭を悩ませるユキに
「あたるとあたらないのではそれだけの差があるんだよ」
ユキは何も言えないと思った
「テンも”油断した”って言ってたけど
その油断で死ぬ事だってあるんだから
だいたいテンはそのせいでどれだけ私が心配したと思ってるの?
あんまり会えもしないのに会ったら寝込んでるし.....................」
思っただけだった…
テンの話が長すぎるよ
ナツがソワソワしていると
「…あのそろそろ私になにをしたか教えてくれないかしら」
ナイスユキ姉
すると話を止めてユキに質問で返した
「何されたと思う?」
「そうね、まず考えたのは毒かしら
あとは珍しい闇の重力魔法とかかしら」
少し間をおいて答えた
「毒って言うのは良い答え
だけど違う」
そしてクマはゆらめく小さな蒼白い光を見せた
それは心配にさせられるような不安定さがある
思わずユキが見入っていると
「これなんだと思う」
またユキは質問された
「えっと…魔核?」
正直なんとなくで答えた
「それも良い答え、だけど違う
これは魂」
「え、魂」
「そう魂だよ、これが無くなったら即死亡
体は腐り、魔核は霧散する」
ユキは改めて自分の油断を反省した
あれが魂ってことは…
ナツは冷や汗が出るのを感じた
「分からなくっても無理ないよ
死の魔法使いはほとんどいないからね」
…。
ユキから沈黙が響く
「私は死の魔法使いの中でも
さらに希少な一流の使い手だから魂を保管できるし
還すこともできる」
クマは微かな光をユキに還してあげた
二人は少し安心した
二人は改めて怖い魔法だと実感したが
「今度は私と試合しよー」
「私が練習に誘ったのよ
ナツはだるそうにしてたじゃない」
そう言って練習試合に誘ってくる
「私が怖くないの」
クマは自信が無かった
死の魔法使いなんて嫌われる事は目に見える
「怖くないわよ」
ユキはきっぱりと言った
そして自信が無く拗ねた子供のようなのに少し呆れたし
言いたこともあったがナツに任せた
「クマがテンのことが大好きで心配して離れず看病したりとか
掃除や洗濯して家事の手伝いしたりとか
クマが優しのは私たちお見通しなんだけど」
「そう…」
クマは笑みを浮かべて言った
「そうだよ!クマ達が来てからずっと楽しいしね
ね、ユキ姉」
照れくさそうにするユキ
「ええ、その通りよ、すごく楽しいわ
そっそれによ、私たちよりも強い相手と練習できる
貴重な機会ですしね
これからもお願いするわ」
「うん、わかった
二人ならすぐ強くなれるよ」
「クマより強くなるから
これからも頑張ろう!」
テン以来かな、こんなに早く受け入れてくれるのは




