悪魔
これで一章が終了となります。
朝食時。
「あれはいったいどういう事かな?」
額に青筋を浮かべ、眉をヒクつかせるランス。
「えっ?な、何の事かな?」
目線を泳がせる俺に詰め寄るランス。
「ほぉ。しらばっくれるんだ?瑠璃丸の事だよ!」
「瑠璃丸がどうかしましたの?」
背後から不意に話に入ってきたプリスにランスはビクッと身体を動かした。
「い、いやなんでもないよ。」
ランスが誤魔化したこのタイミングを見計らって「そうだよ何もないよ。ねぇ、ランス兄さん」とニッコリ笑顔を見せると、ランスもニッコリと笑顔を返し肩をくむ。
そして久方ぶりのテレパシーを交わす。
(ハル。この頃可愛げがなくなってきたぞ)
(いや~面目ない。此方のイメージというものがあるので‥。)
(僕のイメージはいいのかよ!ったく、もういいよ。今度は刀に戻すか何かしてね。)
(な!?その手があったかぁ!!!)
「今かよぉ!?」
「なんですの?」
「い、いやこっちの話!」
〇〇
さてさて、色々な苦難を乗り越えた俺達だった訳だが‥
え?苦難じゃない?
そんなのは置いておこう!気にする事はないさ!そう言う事にしてくれ。
でだ!
ここで困った事が発生する。
瑠璃丸から四刀の行方は全くといっていい程何もなかったのだ。
「そうか‥」
「お役にたてず申し訳ありません。」
「気にする事はないよ。もともと気長にやるしかなかったし、何もない情報網の中でたまたま瑠璃丸の存在が近くにあったというだけだしな。」
「して、これからどうするのじゃ?」
「どうする?って言われてもなぁ。とりあえず情報を得ない事にはなんともだな。」
しばらくの沈黙のあと、ふと思いだしたかのようにプリスが話を切り出した。
「あっ!情報といえば!アル様はグラマードナ王国図書館の話を聞いたことはございますか?」
横にいたランスも思いだしたかように反応する。
「それだ!」
「グラマードナ国?」
俺が首を傾げるとランスは得意げに腕をくんだ。
「ははぁん。アルにも知らない事はあるんだねぇ。」
ニヤニヤとしたその表情は勝ち誇ったかの様だ。
普段は俺に勝てる事が少ないランスからすれば、兄らしく弟に教えたりできるなかなかに無い好機であるからだろう。
「ムフフー。教えてほしい?なら一言言う事があるんじゃなぁい?」
「あらランス様、そんな事言わずに教えて差し上げればよいですのに。」
「いいんだよ。たまには兄の威厳を見せないとねぇ。」
威厳か、使う場所が違う気もするが、子供らしい発想だ。
ランスの子供っぽい思惑を俺は暖かい目で受け止めてやろうかと思ったが俺は大人げないのだ。
(瑠璃丸を毎晩裸でベットにいれられるのを承知した上での態度なのなら喜んで頭を下げよう。)
「なっ!!?それは卑怯だよ!!」
「何が卑怯ですの?」
「な!?えっ!嘘!な、何でもないよ!」
ふふふ。
こんな時のテレパシーはとても使えるな。
ランスが悔しそうに俺を睨むが、知らんぷりだ。
俺様に頭を下げさそうなど100年早いわ!!
わははははは!
「凄く悪い顔になってるど。」
「なっ!?」
プータンに指摘されあわてて顔を隠して表情を戻す。
「グラマードナ国について詳しく聞いてもいいですか?」
「分かりました。」
さぁ話を始めます。と言う時。
ドガァァアン!!!!!!!!!
外から爆発音が響き渡る。
「な、なんだ?」
ランスと共に慌てて窓にかけより外を見ると屋敷の半分がガッポリと無くなっていた。
そしてそこには忘れる訳もないカルメンの記憶で見た【悪魔】がいた。
そしてその悪魔は肩に5歳ぐらいの男の子を乗せていた。そいつは俺を見るなり子供とは思えない不気味な笑みをみせる。
「見つけた。」
その一瞬。
身の毛がよだち、危機を察知した。
すぐに魔力を解放するが同時にあたり一面が光につつまれ俺は意識を手放した。




