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誰だって聞かれたくない過去はある。

「わ!な、なんだ!?」


光が消えると俺は元いた武器屋に戻っていて、前には鍛冶屋のダルブと父さん達が驚きの表情で立っていた。


「いっ、今のはいったい?」


父さんは混乱しているようだ。


どうやら神と会った時と同じで此処では時間は経っていなかったようだ。


「君は誰だ?」


父さんがオレに向かって言う。


「え?何の冗談‥」と思ったが、背後から俺の首元に絡みつく腕に気づき、バッと離れて振り返る。


 するとそこにいたのは


「こ、黒曜丸!?」


「ふむ。ハルの特質な魔力を汲々する事で我の能力が更に向上し、擬人化ができるようになったぞ。ふふん」


ドヤ顔が腹立つ。


そんな会話を無視して大きな声が響く。


「無い!剣が無い!!いったい何処へ!?」


騒いだのはダルブだった。


「そんなに慌ててどうしたのです?」


母さんがダルブに尋ねる。


「あ、あぁ。俺が師匠から譲り受けた刀が無くなったんだよ。」


「刀!?刀とはかの英雄オキタが使っていたという武器ですか?」


 流石は父さん。刀の存在を知っているようだ。


 けどお父さんの反応はいつにもましてテンションが上がっているように感じとれた。


「はは。それだとスゲエんだが、それのレプリカみたいなやつだよ。ナマクラでちっとも切れやしねえ。だが、思い入れのあるもんなんだよ。今そこに落ちたと思ったんだがなぁ。」


ふとダルブは黒曜丸に目をむける。


黒曜丸はフフンと鼻を鳴らしお決まりの厨二病のキメポーズを決める。


「どうやら我の存在がバレてしまったようだな。そう!!我こそが‥」

「嬢ちゃんごめんよ。いまはそれどころじゃないんだ。」


黒曜丸がコケそうになる。


「ってま、待てダルブ!お主は刀を探しておるのではないのか!?」


「あぁ。っつか嬢ちゃん何で俺の名前を知ってんだ?」


「ふふ。よくぞ聞いた!我こそがその刀なのだ!!!」




「「「‥‥。」」」



「バカにしてんのか?」


ズコー!!黒曜丸が前にヘッドスライディング。


騒がしい奴だな。


俺が苦笑いすると、隣に来たランスが俺に問いかける。


「ハル。どうゆう事なの?いきなり光って収まったと思ったらこんな綺麗な女の子とくっついてるし。」


「クンクン。この女。妙な感じだど。。」


プーたんは野生的な勘なのか黒曜丸が普通ではないと、何となくわかったようだ。


まぁいきなり出てきてるのだから普通じゃないのは当たり前だけどな。


「えーと。説明しても信じてもらえないかもだけど彼女は黒曜丸。刀が長い時を経て意思を持ち擬人化したんだってさ。」


「え!?あの子、刀なの!?」


ランスとプーたんの驚き様は面白いが、どうやら黒曜丸の言い分にダルブは子供のイタズラとばかりに信用しきれず、黒曜丸と口論になっていて、父さん母さんはそれの仲裁に入っていた。


仕方ない。助けてやるか。


「ダルブさん。間違いなく、黒曜丸はさっきの刀ですよ。黒曜丸。もう一度刀に戻れないの?」


「む。無論戻れるぞ。ほれ!」


黒曜丸は一瞬にして美しい黒刄の刀剣へと変化し、宙にふわりと浮いて見せた。


なんとまぁ綺麗な刀だ。何度見ても心奪われる物であるが、本人が厨二病なだけに凄く、物凄く残念だ。


俺の思考は置いといて、ダルブはその光景に驚きの表情を見せていた。


「こ、こんな事って。」


勿論父さん母さん、ランスも驚きを隠せないようだった。




〇〇



「しかし、俺が師匠から譲り受けた刀がマジもん伝説の四刀の一振りだったとはな。」


「なぜ、今まで気付かなかったのです?」


父さんの疑問はもっともだ。俺も気になっていた。


何でこんなあからさまに凄い刀がこの領地、またこのダルブの元にずっとあったのか。


ちなみに黒曜丸は人の姿に戻っている。


「まぁな。実際そうじゃねぇかとは思ってたんだ。現に其奴、いや今は嬢ちゃんか。嬢ちゃんを店からもってこうとした奴は何故か入り口で倒れちまいやがる。師匠は呪われた魔剣なんていってたが、なんやかんや大事にしててよ。特にこっちに何か気概があるわけでもねぇし、師匠が死んでからは店の厄除みたいに飾っておいたんだ。こいつは絶対価値のあるもんだってな。」


「ふふ。流石はダルブ。そうだ!そんなお主とガブリオスだからこそ例外としてわれに触れても危害は加えなかったのだ。しかし、我本来の力を振るう程の魔力は師匠共々に無かったがな。」


黒曜丸の言葉にダルブは何故か安心したような表情を見せる。


「そうか。俺らが大切にしていたのは四刀だったか。今まで大切にしてきて心から良かったと思うぜ。これで師匠もようやく満足できて成仏できるだろうな。」


ダルブは天位をみあげる。


まぁ俺の知らない物語が其処にはあるのだろうな。


詮索してもいいが、結構俺は気にならない事には無関心だからあえて聞かないけどね。


「ダルブさん?過去にな‥。」


ランスが喋ろうとした瞬間にランスのみにテレパシーを飛ばす。


(長くなるから聞かないで!聞くなら俺のいない時にして!)


俺の言葉でランスは苦笑いしつつ、出そうになった言葉を飲み込んだ。


「ふふ。しかし世の中面白いものだ。こうして相まみえ、会話を成せるとは思わなかったぞダルブ。いや昔の二つ名でここは呼ばせてもらおう。【#混沌の審判__カオス・ジャッジメント__#】よ!」


黒曜丸がそう言うと、ダルブの顔が青ざめる。


ぶ!!!思わず吹き出しそうになるのを手で押さえつける俺!


「な、なな‥」


一瞬で脂汗が吹き出て言葉を詰まらせるダルブ。


周りは首を傾げその事の重大さに気づいていない様だ。


正にカオス!!!笑


だめだ!!!色黒ムキムキスキンヘッドダルブの青ざめた顔を直視できない!


「な、なんだその驚き様は?共に#鮮血の亡霊__ブラッディファントム__#を打ち倒すべく死地を共にした仲だろうに。」


「!!!?」

!!?


「な、ななな、なにをいってるんだい?嬢ちゃん。」


黒曜丸の言葉にダルブは動揺を隠せないようで目をキョロキョロと動かし定まらない。


「ブラッディファントム?‥。そんな組織あったかな?」


父さんは本気でやっているのか本当に考える様に顎に手を当てる。


「な、そ、そんな組織あるわけないだろう!ネイブル君!」


ダルブが慌てて父さんの肩に手を置く。


君?何故に?


あからさまに黒歴史がバレそうで動揺しているようにしか見えん。


思わず口角が上がり吹き出しそうになる俺。


いかんいかん。冷静を保てオレ!ゴホっゴホっ。


 ダメだぁ〜!ニヤける!


 ニヤけてはいけないと必死に口を大きく開けて違う場所へ一点集中!全集中!!!


「むう。忘れてしまったのか?あの輝かしいまでの栄光の日々を!!見損なったぞダルブよ!!!こうなったら我の当時の名前を告げて思い出させてやろうぞ!!!我こそは漆黒刹那撲滅龍狼剣!!」


 でたぁぁぁあ!!!!俺は笑うのを堪える為に頭を地面にうちつけた。


ダルブは石化した。


ってか何この名前。


龍と狼が混ざってるし、それっぽい漢字並べただけじゃね?笑


まぁもっとも漢字なんてものはこの世界にないけど。


あーだめだこれ。


これだけで暫く寝る時思い出し笑いしちゃうよぉ~!!!笑


 そんな俺の行動にプーたんとランスは呆気にとられていた。


「痛くないどか?」




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