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魔法剣騎士団

「ファイヤーボール!!」


「リフレクション!!」


ボガァァア!!!!


衝撃で砂煙が舞い上がる。


それを横目で見る一人の女性、いや、少女がいた。


その少女の年齢は12~3ぐらいだろうか?

髪は綺麗なオレンジ色をし、ショートカットがとても似合っている。また、肌は純白で特徴的な尖った耳をもっている。一見するとエルフの様にも見えるが確実に違うものが頭から生えている。


それは触覚だ。


頭から一本の触覚がヌーンと伸び出ていて、その先端にモフモフとした小さき毛玉のようなボールがくっ付いている。


あれは確かフェアリーという種族だ。


フェアリーは、20代前後で急に老が止まるエルフと比べてフェアリーは12~3ぐらいの見た目で止まる。


また聴覚、視覚においてはエルフに少し劣るが、援護魔法を得意とするエルフとは真逆の攻撃魔法を得意とする者が多く、またエルフより数段高い魔力を持つ者が多いって本に書いてあったっけ。


大まかに魔力の基本値が高いとされる順で言えば下から人間、エルフ、フェアリー、魔族といった感じだ。


他にも種族はいて個々の差もあるが平均的の順位付けによればこうなるらしい。


ってよりも、あの子メチャクチャ眠たそうな表情してるな。


「で、その魔法騎士団長とやらはどこに?」


俺がシスカに聞くと、「あのオレンジ色の髪をした人がカルラよ。」


うぇ!?マジか!あれが魔法剣騎士団長!?


てっきりもっと凛々しい方を想像していた俺としてはビックリだった。


それに何度も言うけどメチャクチャ眠たそうだし!


そんな事を思いながら訓練の様子を遠目で見ていると、オレンジ色の髪をしたフェアリー、もとい魔法剣騎士団長カルラが此方に気づいたようで歩み寄ってきた。


そしてシスカの前で片膝をつき軽く頭を下げた。


「シスカ様。‥どうも‥」


「カルラ。それはやめてっていったのに!」


シスカは頬を膨らませる。


「そ、‥だね。だけど、‥。」


カルラが此方を気にする様に視線を向ける。


「え、えと、ハル・フォン・エステードでつ。よろちく。」


「‥。」


ジー‥。


え?な、何?


「!!?」


急に勢いよく目を見開くカルラ。


な、何だぁ!?


「凄い‥魔力量。貴方はいったい‥。」


「流石はカルラね。ハルはね私のライトニングスマッシュさえも受け止めてみせたのよ。」


「な‥凄い‥。じゃぁ‥私の魔法も受けてみて。」


ん?今なんて?


カルラはいきなり立ち上がると、急にシスカを押しのけ俺にむけて詠唱を唱える。


「【フレアボール】!!」


ファイヤーボールをさらに5倍程強化した炎の玉が俺に放たれた。


咄嗟の判断でマジックバリアを正面に張りフレアボールを受けとめたが、気付いた時には俺の首ギリギリの所で止められたレイピアの切っ先があった。


「不意をついた魔法に反応したのは褒めるに値するけど、魔法以外は‥ダメ‥だね。」


カルラはそう言ってチャキンと音を鳴らし、レイピアを腰の鞘に納めるとドヤ顔をした。


「ってアホかぁ!!!死ぬでちょうが!!」


俺はいきり立つとカルラが俺の顔をヌッと覗き込む。


こ、今度はなんだぁ?と眉間を顰めるとカルラは急にニッコリと笑顔を作り俺を抱きしめた。


そして俺の耳元で「いいこ、いいこ」と優しく囁き俺の頭を撫でる。


何じゃこいつは!?謎すぎる!!絶対近づいてはいけない!


け、けど‥


やはり女の子。頬に当たるカルラの肌もとても柔らかく、そしてほのかに香る甘い匂い。


うわぁい!お花畑だぁ! 意識が遠のきそうになる。


って待てい!!俺はそんなに安かねぇぞ!!ましてや相手は子供!と意識を立て直した瞬間、隣にいたシスカが目に映る。


シスカは静かに壁に立て掛けられた剣を抜き取り振り上げる。


え?その小さな体でそんな物を持てるんですか?ってか何故に私に向けるの?


そしてそのまま剣は振り落とされる。


カルラが気づき、俺を素早く離し剣を躱す。


そして躱した剣はガンッ!と地面に亀裂をつくった。


「あら?私、今何を‥?」


惚けた様にシスカが慌てだす。


化け物か!!!


これが魔法剣騎士団長カルラとの出会いであった。


それから暫くカルラとシスカ、3人でたわいも無い話をしていると、何故かカルラに気に入られ週一回はここに訓練に来る様に指示された。


週一回なんて俺の領土からじゃあり得ないから無理と言おうとした時、シスカがある事に気付いた。


「そういえばハルはいったい何でここまできたの?急に来たとかってメイドから聞いたんだけど、それに馬車も無いみたいだし。」


うっ。鋭い。


シスカとカルラの視線が俺に注目する。


誤魔化しても仕方ないか。


「て、テレポートできまちた。」


「「テレポート!!?」」


シスカは驚きカルラも眠たそうな目がビックリするぐらい大きく見開いた。


「テレポートって古代魔法よ!?もう使える人は居ないって聞いていたのに。」


「まぁ、なんというか出来てしまったので‥。」


そう言って苦笑いしながら答えると2人はポカンと口を開けて固まっていた。


ちょこっと興味本位で覗くだけと思っていたが思惑とは違い妙な展開になってきたので、ここは一時撤退を試みる。


「と、言うわけでそろそろ食事ができた頃かもしれないから父さんの所にもどるよ。じゃ。」と、踵を返すように後ろへ振り向くと肩にガシッとカルラの手が乗せられた。


いや、乗せられたと言うよりも捕らえられたと言うべきだろう。


「なら、毎週これる‥よね?それにまだ幼稚園も行ってない。ってことは‥暇‥な筈。」


スボシ!


確かに暇っちゃ暇です。


なかなか痛いところをお付きですな。


しかし!!暇と一括りにするのはどうだろうか!俺は俺なりに時間を費やし日々の時間を有効に使っているつもりだ。


巨乳のメイドに時たま抱っこしてもらったり、膝枕で寝たりする時もあるが俺が決してそうしたいと望んだわけでは無くメイドがやりたいと言うからやっているだけだ!


いわばサービスなのだ!そう!神聖なるサービス精神があるからこそその時間はとても大切なのである!!!


と、言う訳でここはすんなり諦めてもらおう。


そう思い言葉を出そうとすると、シスカが先に言葉を発した。


「そうよカルラ!それはとてもいい提案だわ。そうね、それなら曜日を決めなきゃだけど、、」


「シスカの休み‥に合わせればいい。」


「そうよ!そうしましょ!早速お父様に相談してくるわ!」


シスカは強引に俺を引き連れ訓練場から出ることとなった。



〇〇



「はっはっは!カルラに気に入られたか!彼奴は魔法だけでなく剣も一流だからな。教えを請うにはもってこいの人物だぞ。」


晩餐室で食事を囲みながら王が高らかに笑う。


「ハル。それは凄い事だ。家にずっといるのも退屈だろうし是非お願いするといいよ。」


父さんも乗り気の様で、俺の意を反する展開になった。


最早ここまでか。


こうしてその日以来、俺は毎週この王都にてカルラの訓練を受けるという習い事が出来てしまったのだ。


 俺は暇ではない!!








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