転生したようだ。
ん~。全く持って信じがたい事だが‥
どうやら俺は転生したらしい。
しかも生前の記憶もしっかりと持ったままだ。
そしてあの巨人だと思っていた2人は俺の両親のようだ。
父がネイブル。
何処の金持ちの家に生まれたのか、お手伝いさんなどが数名働く我が家の領主だ。
金髪の少し長い髪をセンターで分け流し、丸いメガネをかけている美形男子だ。
清潔感があり、見た目を裏切らず賢い。
個人的には、容姿が整っているにも関わらずあの丸くてダサいメガネは外した方が良いのでは?と思う。
母がリリス。
白銀の綺麗な髪を腰まで伸ばし、同じく容姿端麗。
肌は透き通る様な純白の白で特徴的なのが尖った耳だ。
まるでファンタジーに出てくる様なエルフを思いださせる。
そして俺はというと、母リリスに似て白銀の髪に将来を約束されたかの様なとても美形の幼子だった。
名前はハル。
父と母の名前とは真逆でかなり日本人に近い。
因みに白銀の髪とはいっても頭のテッペンしか毛は生えておらず両親からはタマネギ君と呼ばれている。
え?どうして自分の姿がわかったかって?
それは子供が生まれた時に結構な確率で親がするある行動だよ。
何故かは知らないけど子供を抱いて鏡の前に立ち、「だぁー」など「うぉい!」など恥ずかしい発言をしながら自分と子供を見るんだよ。
本当に結構な確率でやってるから周りの親とかにも聞いてみて!w
と、話は置いといて。
俺には兄がいた。
兄の名前はランス。
年齢でいえば6歳も離れていて、容姿は父ネイブルと瓜二つで、ネイブルを幼くした様な美形の子供だった。
しかし、ここでややこしい自体が起こる。
ランスの子供帰りである。
今まで一人っ子当然で生きてきたランスの家庭にまだ動くこともできない俺が入り込んできたからだ。
ランスにとって今までは、自分ばかりに目を引きつけれていたのに、俺がいきなり中心になり、まるで自分が蚊帳の外にいる様な感覚に陥ってしまっているのである。
だからあれやこれやと意味のわからない理由付けをしては父と母の目を引こうとする。
勿論、父と母もランスの気持ちは分かっているつもりで、父がだいたいランスの相手をし、気を紛らわす。
だけど俺にどうしても目がいくようでランスが可哀想にも思えた。
だが俺も産まれたからには生きねばなるまい。
「オギャァ!オギャァ!」
「はいはぁい。オッパイでちゅねぇ。」
ベロンっ。パクッ!
許せ!ゴクゴクゴクゴクゴクゴク!
しかし美味い!なんじゃこれ!やめらんねぇ!
そんなある日の事。
ランスは手口を変えて俺とコミュニケーションを取ってこようとしだした。
だが、まだ子供。力の加減を知らず、飛びついてきたり、手を引っ張ったりと何度か危機に陥った。
そして何より怖かったのが、俺が揺り籠で寝静まり母が部屋から少し離れた時だ。
ランスは忍び足で俺の部屋へと入り込み俺の事を真上からジッと見つめてきたのだ。
気配に気づき俺は目覚めるが目を開く事はできなかった。
いや、正確には開くのが怖かったのだ。
ただジッと見つめてくる。
特に何をしてくるわけでも無いというのがだ。
それから数日事あるごとに同じ行動を繰り返された。
なかなか怖くない?怖いよね!?
そして事件は起こった。
同じく俺が寝静まり母が身体を伸ばしに部屋を出た時、ランスは再び俺の部屋へと入ってきた。
そしていつもの様に俺の顔を除きこむと、驚く事に俺の手に触れてきたのだ。
続いて今度は揺り籠をグワングワンと揺らしてきた。
わ!?ちょっ!?な!
ポーン。
ついに俺は浮き上がり、揺り籠から弾き飛ばされた。
え!?やばい!これってもしかして死ぬ?
嘘嘘!!
それはマズイ!まだ産まれて間もないし、やっと首が座った程度の俺がこのまま地面に落ちたら確実にヤバイ!!
どうにか!?どうもならん!
宙に浮いたりできないかぁぁ!!!
と、目を瞑り思った瞬間、俺の身体は落ちる事を辞め停止していた。
え?と思い、目を開くと俺の体は宙に浮いていた。
ランスは驚きの余り声を失っている。
試しに俺は自分の意思で動けまいかとイメージすると、方向転換や宙返りなどが出来てしまった。
もしかして俺‥。エスパー?
「ま、」
ま、マズイ!ランスが声を上げそうだ。
「ママァぁあ!!!!」
ヤバイ!!ヤバイヤバイ!何がヤバイ?
分からんけどこの状態を見られるのはダメな気がして、急いで揺り籠へと戻り狸寝入りする。
すると急いで駆けつけてきた母が部屋の扉を開いた。
「どうしたの!?」
「ママ!!ハルが空を飛んだんだ!!」
「え?‥まぁ。夢を見たのね。」
「違うよママ!!本当なんだ。」
母が信じられないのも無理はない。人が空を飛ぶなんてこと信じられる訳がない。
「ほら!こうやってやったらまたきっと!」
って!マジか!!?
ランスは再度俺の揺り籠を揺らし始めた。
うわー!
と、俺が宙に浮かび上がった瞬間、「危ない!」と今度は母が急いで俺を抱き止めた。
俺の安否を確認すると当たり前のごとくランスを叱りつける。
「こら!!なんてことするの!!ハルはまだ小さいのよ!!」
「だって!」
「だっても無い!!これはしちゃダメなことなの!!」
「くっ‥!!もういい!!」
そういってランスは部屋を飛び出した。
こうして危うい危機は去った。‥と、思ったのだが‥。
翌日。またもや母と父が居なくなる瞬間を狙いランスが現れた。
「前からおかしかったんだ。ハル!お前は俺の言葉を分かっているだろ!!」
え!?ば、バレたぁぁ!!?




