第ニ章 旅は道連れ世は情け
せっかくなので、集落の宿屋へ泊まることにする。
姉妹とは別行動で、先に温泉へ向かうようだ。
ハルとユナが物資の調達へ向かうことになった。
当然だが夜はお店を出し、龍肉の鉄板焼きを出す予定である。
仕入れはハルのメインの仕事なので仕方ない。
一人でよかったんだが、何故かユナも一緒にということだ。
「二人っきりなのは久しぶりですね!」
「そーいやそやねー」
などなど話しながら、色々買い物をする。
そこまで距離が離れたわけではないので、売ってる物は、前の街と同じような感じである。
買い物を終えて、いつものように仕込みの最終調整。
そして鉄板焼きを振舞う。
本日の売上も上々である。
とはいえ、前の町より人数の少ないところである。
ユナも慣れてきてるので、一人で問題なく接客販売をしてくれるので、姉妹は休んでもらうことにした。
「なんだかんだで売り切れやね!今日もよぉ働いた!」
「ハルさんの料理は美味しいですから!あ!疲れてるなら、温泉どうですか?まだ入れるみたいですよ!」
「そらぇぇなぁ!ほなひとっ風呂頂こうかな?」
というわけで、お風呂セットを持っていざ出陣!
「あぁー… 少し乳白色の温泉!温度も熱すぎない、少し温めのこの感じが安らぐわぁ〜…」
空を見上げると一面の星空。
湯煙が上っては消えていく………………。
「…隣…いいですか…?」
「どうぞー………………ってはいっ!?何でユナがっ!?」
「今日は他にお客さんがいないからと、宿屋の主人が貸切にしてくれたんですよ!」
「だからって何で!?」
慌てて反対を向く。
「私…助けて頂いて、その後も美味しいことや、楽しいことなど、いっぱいハルさんから頂きました。ハルさんが町を旅立つってなったとき、胸が苦しくなったんです…」
「………」
「一緒に旅を初めて、ますますハルさんが好きなって、私と付き合ってもらえませんか…?私はハルさんの力になりたいし、側にいて欲しいんです…」
ただでさえいきなりの混浴状態。いきなりの告白と、かなり混乱しているハル。
「気持ちはすごく嬉しい!いきなりで正直戸惑っとる。」
「私は私の気持ちを伝えたかっただけ。今すぐに答えは求めませんよ?」
「…それでぇぇのん?」
「その代わりこっちを向いて下さい…」
ゆっくり振り向いたとき、唇と唇が重なり合う。
そして目の前にはユナの裸が…
普段は服装的にも着痩せしているが、引き締まってはいるが、なかなか豊満な胸。
「…本気ですから」
ユナは走り去っていった。
ハルには刺激が強過ぎたのと、入浴中だったのが重なり、ハルはそこでのぼせて倒れてしまった。
それから暫くし、清掃に来た宿屋の従業員の鳴り響く悲鳴。
翌朝に出発予定が、復活に時間がかかり、昼過ぎまで時間が、ずれてしまったのであった。