スイーツトリオ後編 ユウキちゃんは、ヤンデレ気質? (統合&改稿)
前はシアンがケータイを知らない設定があったけど、街で暮らしてたら見かけないわけねえなと思ってやめました。
本来スイーツ編は一旦終わりなんですが、追加エピソード書きたいと思ってます。次のバンド編は、最後にみんなでシてるんで。
「こんにちは、シアンさん。ユアサユウキと申します。ユウキって呼んでくださいね♡」
「こんにちは、ユウキ。今日はよろしくね。それでアスカちゃん。昨日話してたアテっていうのは……」
「ええ、それは……」
「それは私のことですよ♡シアンさん♡」
妙に食い気味で答えてくれるユウキ。……なんだろう。なにかこう、ユウキと目を合わせていると、ねっとりと絡め取られるような、おかしな感覚になるな。……でも気にしなくていいか。ユウキかわいいし。
「はい!シアンさん♡どうぞ♡」
「うん。……これは?」
ケータイだ。え?なんで?
「見ての通りケータイですよ♡もうすでに使える状態です。私のメールアドレスと番号を登録しておいたんで、早速電話してみてください♡」
促されるまま、登録されてる番号にかけてみる。……『将来のお嫁さん』?……まあいいか。ユウキかわいいし。
「……聞こえるかな。ユウキ?」
「はい!バッチリですよ。シアンさん♡じゃあそのまま、試しに私に愛の言葉を囁いてみてください」
「え?」
なんで?
「試しに、ですよ♡」
いいでしょ?とかわいく首を傾けるユウキ。
「……ねえ。今日のユウキちょっと様子がおかしくない?」
「むむっ。軍曹もそう思われましたか。ユウキちゃん今日ちょっとハイだよね〜」
「……じゃあ。えーっと。……愛してるよ。ユウキ」
「ええ。私もですよ、シアンさん♡……ほらもっと♡」
「……好きだよユウキ。今すぐ思いっきり抱きしめて、キスしたい」
「はい♡どうぞ♡」
徐に距離を詰めてくるユウキ。え?冗談なのかな。この子距離感がよくわからないぞ。
「ちょっ、ちょっとユウキ!あなた本気じゃないでしょうね!?」
「えー?……もちろん、冗談だよ?ねえ、シアンさん♡」
ねーっ、と笑顔でこちらを見るユウキ。すごい。可愛すぎて、魂でも持っていかれそう。
「それでユウキ。このケータイもらっちゃっていいの?出どころがよくわからないんだけど」
「大丈夫ですよ。ウチの社員用ケータイなので。バンバン電話してきてもらっても大丈夫です♡」
「ユウキちゃんは、通信キャリアの社長令嬢なんですよ!すごいでしょ!」
「なんでスズが偉そうなのよ」
「ママにお願いして、用意してもらったんです。大切な人に送るからって♡」
「……ありがとうね。ユウキ」
「いえいえ!ところでシアンさん。二人に聞いたんですけど、もうすぐこの街を出てしまわれるって、本当ですか?」
あれ、そんなこといったっけ。私知らないよー。という会話が隣で聞こえてくるんだけど。
「本当だよ。ごめんね。一方的にもらっておいて、ろくにお礼もできないままで」
「いえ、そんなの全然構わないんです。でも、もしお礼をしたいと思ってくださるなら、次の休日、私とデートしてくださいませんか?」
「デート?私なんかでいいのなら、私は構わないけど……」
「シアンさんがいいんです!」
ずっとスズちゃんやアスカちゃんとばっかり仲良くして……と誰にも届かぬ小さい声で呟くユウキ。
「ちょっと待ちなさいよシアンさん。また……」
「お願いアスカちゃん。1日だけシアンさんを貸して?」
「……べつに好きにすればいいわよ。どうせ私のものじゃないし」
いじけるように言うアスカちゃん。こりゃよくない。頭を撫でてあげよう。
「あっ。こら勝手に……」
「アスカちゃんも、お別れまでにまた一度、どこかに行こうね」
「……知らない」
「スズもね」
「はい!」
そういうことになった。
約束した日から当日まで、シアンは三人とたくさんのメールを送り合っていた。
今日の学校はどうだったか、とか。今日食べに行ったスイーツはどうだったか、とか。今日放課後どこどこへ遊びに行った、とか。三人とのメールを通してわかったのは、三人がとても仲良しだと言うことだ。特別な用事がなければ、学校にいても、放課後になっても、常に三人一緒にいる。だから互いのメールに互いのことが書いてあった。
おや、今日もメールが届いてるみたいだ。
「シアンさん!今日アスカちゃんが水着と間違えて体操服を持ってきてました!人をバカバカ言ううわりに自分もお間抜けさんなんですから。困ったものですなあ!」
「聞いてよシアン。今日スズが、間違えて去年の数学の課題を解いて持ってきたの。なんか妙に簡単だと思ったんだよねー、だって。仕方ないから私の課題を写させてあげたけどね。本当仕方ないんだから」
「シアンさん。いよいよ明日ですね。私明日が楽しみすぎて、今日は眠れないかもしれません♡そのぐらい楽しみにしちゃってます!……それはそうと、明日の私の下着、どちらがいいですか?」
ん?下着?そう思いながらよくよくメールを見てみると、二枚の写真が添付してあるようだった。
「……」
開いてみた。
「第一候補は清楚な純白。でも、シアンさんが望むなら、こっちのオトナな黒に挑戦しちゃいます!」
「……黒かな」
黒と返した。
翌日。二人で遊園地に来ていた。ユウキは、とりあえず下着のことは触れないつもりらしい。じゃあ自分もいったん忘れよう。頑張って。
「シアンさん。あれ乗ってみましょうよ。落ちる時に叫ばないといけないみたいですよ。ちょっと恥ずかしいですけど、私頑張って大きな声を出してみます!」
「よーし、私だって負けないよ!」
「キャアアアア!」
「ホアアアアア!!!」
ああ、遊園地って意外と楽しい。そして思ったより怖い。
「次はあれに乗ってみましょうよ。シアンさん。」
「へー出てきたお化けを銃で打ち抜けばいいのか。面白そうだね」
まあ子供騙しだろうけどなー、と思いつつ乗ってみると。
「きゃああ。天井に何かいます。怖いですシアンさん♡」
全然怖くなさそうな声で、ヒシっ♡とシアンに抱きつくユウキに対して
「……大丈夫だよ。私がついてるから」
大きな叫び声とか、何かが這いずり回るような音に内心ビビりまくるシアンだった。
その後もしばらく遊園地を巡った二人は、少し歩いたところにある港で、遊覧船に乗ることになった。
「キャッ」
「大丈夫かい」
「ありがとうございます♡」
強い風に吹かれ、よろめいたユウキをそっと抱き抱える。体やわらかい。
「風が強いですね。シアンさんも気をつけてくださいね」
「うん。ありがとう。ユウキ」
「わあ。見てくださいシアンさん。あそこさっきまで私たちがいたところですよ。あんなに小さくなってます」
「ほんとだね。夕焼けに照らされて、とっても綺麗だね」
……港まで戻ってきた。ああ。今日は楽しかったなあ。
「……シアンさん。そろそろお腹が空いてきませんか?」
「そうだね。せっかくだし、何か美味しいものでも食べて帰ろうか」
「それなんですけど……実は予約してあるんです。実は近くのホテルに、美味しいレストランがありまして♡」
「へえ、楽しみだな」
……ホテルに来た。さすがに社長令嬢が用意したホテル。すごくいいとこだな。あんまりそういう褒められ方は好まないだろうから、なにも言わないけど。
料理は美味しかった。言い回しまでおしゃれすぎて、なにを食べたのかあんまりわかってなかったけど。
「ごめんね。料理の違いがわからない、つまらない人間で。でも本当に美味しかったよ」
「いえいえ。ご満足いただけたならそれが一番ですから」
レストランを出たあとそう口に出すと、微笑み返してくれるユウキ。優しい子だ。
「さてシアンさん。もうすでにお察しいただいているかもしれませんが、今日はお部屋も予約してあるんです♡」
「……」
これは裏切りなのだろうか。スズ、アスカちゃん。あとスカーレット。いや、ちがうな。これは愛だ。
そっとユウキの肩を抱いて歩き出した。
世界観の説明足りないっすよね。頭の中にはあるんですけどね。作品の方向性的に、そういうの興味ない人もいるだろうし。とりあえず感じて。




