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巡る導師に惚れぬものなく  作者: 亜城優


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絶体絶命

「では、用意はいいかしら」


あんまりよくない。以前、スカーレットが一瞬だけ見せた威圧感。あれに似ている。あの時は冗談半分だとわかっていたから良かったけど、今回はどうだろうか。この子達の本性がわからない。でも、


「すまんのお……」


あれだけしょぼくれてしまっていた女の子を見ておいて、頑張らないわけにはいかない。


「いいよ」


「そんなに心配しなくても大丈夫よ。骨さえあれば、カノンが生き返らせてくれるから」


「安心してね♡お兄さん♡」


「……」


マコトがすごい顔でアリアを睨んでいるのが見える。きっと大丈夫だよ。根拠はないけど、この子達は悪人には見えないし。


「では、用意、スタート!」


「どーん!」


「!!」


痛い。いきなりルナが何かしてきた。黄色い光の玉が飛んできたように見えたけど、よくわからない。


「こらっ。ダメでしょルナ。いきなり倒れられちゃつまらないじゃない。でも……思ったより丈夫そうだね。お兄さん♡」


「っ!」


「いいわね。その根性。火傷しない程度の炎にしておいてあげましょう」


瞬間。周囲に炎の柱が上がった。この距離ならそこまで熱くないが……間違いなく燃えている。


「ちょっとちょっと二人とも。飛ばしすぎだよ。もっとじっくり料理してあげなきゃ。せっかく可愛いお兄さんを見つけたんだもの。こんなふうに……ねっ!」


今度は氷の中に閉じ込められた。とてつもなく寒い。このままここに閉じ込められてしまえば、見る間に体力を奪われていくだろう。なんとか寒さを堪えながら、魔女達の方を睨んでみる。


「ああっだめ♡かわいすぎるよお兄さん♡本気で濡れてきちゃった♡」


「ルナもおまたじんじんする……」


「下品よあなたたち。もう少し淑女として……」


なんだか騒いでいるのが見える。ああ。でももう苦しいかも。意識が遠くなってきた。そんなとき、


「やめんか!この馬鹿者が!」


その体躯に似合わぬ大きな翼を広げて飛んでいるネブラと


「寒そうだねー。シアンー」


ネブラにひしっとつかまってぶら下がっているヒビキが現れた。

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