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巡る導師に惚れぬものなく  作者: 亜城優


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11/88

やっと次の街を目指すぞ

演奏後。時刻は18:00を回ったあたり。後で楽屋に来てと言われ、広間の近くにあった小さな建物、パフォマー用の待機場所として使われているらしき建物を訪れていた。


「あっ、お疲れ様です。さっきはすみませんでした。年上の方相手にテメーとか言ってしまって」


部屋を訪れて早々謝ってくれる楽器の子。


「何猫かぶってんだよ。猫耳生えてるからってテメーの根性まで猫畜生に成り下がったのかよ」


相変わらず喧嘩腰のボーカルの子が茶化す。


「……テメーにも生えてんだろうが」


「……あはは。さっきはいい演奏だったね。私はあんまり音楽に詳しくないけど、本当に心を動かされたよ」


「……ありがとうな」

「……ありがとうございます」


「それで、私に何か用があったのかな」


「あっ私が呼んでって声をかけたんです」


そう言ったのは、たしか後ろでドラムを担当していた女の子。


「あの、シアンさんですよね?私ユキっていって、スズちゃんの友達なんですけど」


「ユキちゃんか。スズちゃんって、あのマカロン屋さんのスズ?」


「そうです。あのちょっとおバカなスズちゃんです」


割とみんなスズをバカだと認識してるよね。まあ別に悪意はないんだろうけどさ。


「そっかそっか。わたしがシアンで間違いないよ。それで、私にどんな用があるの?」


「実はスズちゃんから、シアンさんが悩んでる女の子を助けながら旅をしてるって聞きまして。よかったら、私たちをロクサンヌまで連れて行ってくれませんか」


「……」


「なっ、正気なのスズ?」


「面白そうじゃん」


ついにもう一人の子まで会話に混じってきた。


「ロクサンヌっていうのは?」


「ここから北東に行ったところにある街です。ここよりちょっとごちゃごちゃしたところですけど、私たちの音楽を聴いてもらうにはぴったりの場所だと思うんです」


「……学校は大丈夫なの?」


「私たち一応社会人ですから。スズちゃんは年下の友達なんです」


「ああ、そうだったのか。……一応もう直ぐこの街を出るつもりだったんだ。他のみんなも構わないなら、私は全然連れて行くけど」


「ま、待ってください。流石に急すぎて、もう少し考えないと……」


「私は面白そうだと思うけどなー」


最後の一人は割と自由そうだな。意外とこの子が一番真面目なのかも。わざわざ謝ってくれたし。そんなことを思いながら見守っていると


「……何ウジウジ悩んでんだよ。アタシはいくぞ。テメーだけここに残ってろよ」


「なっ」


「本気で!本気で売れたいなら、ユキがいってることは理にかなってる。何も迷うことはねえよ」


そう言った少女はくるりと私の方を向くと


「キョウカ。よろしく」


そう言って手を差し伸べてきた。


「よろしくね。キョウカ」


「私はヒビキでーす。よろしくねー」


「ヒビキか。よろしくね」


「ほら、マコトちゃんも行こうよ」


「……わかったよ。わかりましたよ。……お世話になります。マコトって呼んでください。シアンさん」


「うん。マコトか、綺麗な響きだね。よろしくお願いします」


「……ありがとうございます」


「いちゃついてねーで用意しろやタコ」


「タコ〜」


「うるせーぞテメーら!」


まあちょっと寄り道するくらいならスカーレットも許してくれるだろう。東の方に行くみたいだし。どうせこの町で散々時間を使っちゃったし。スカーレットとの約束に対して、だんだん適当になってきたという自覚はあるけど、まあいいよね?

アスカの描写が全然できなかったですね。まあまたそのうち会います。スズとユウキもこれっきりってわけじゃあないです。

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