ガールズバンドとの出会い
〜bein’ so reckless is another mistake to you〜
ユウキとデートをした次の日。今日もいつものように食べ歩いて、この街の思い出を作ろうとしていた時。誰かが何やら演奏しているのが聞こえてきた。どうやら広間のステージで、女の子たちがライブをやってるようだ。あんまり聞いている人はいないみたいだけど。落ち着いた雰囲気のこの街だとあまりはやらなさそうだけど、何か心を揺さぶられるような、熱い魂を感じるなあ。何か機会があれば売れるんじゃなかろうか。そんなことを思いながら通り過ぎようとした時。
「テメー本気でやってそれかよ!そんながなるだけの歌声じゃ誰も聞いてくれやしないぜ!」
「んだテメーこそ!偉そうに人様に指示ばっか出してよ。てめーがそんなんだからリハも来る気が起こらなかったんだよ」
「それはテメーの怠惰だろうが」
どうやらボーカルの女の子と、何か楽器の子。ギターかベースかわからないけど、とりあえず楽器の子と喧嘩してるみたいだ。あとの二人はもう慣れっこみたいで、我関せずといった様子だ。
「まあまあ落ち着いて。私はすごくいい歌だったと思うけどな」
思わずシアンが仲裁に入ろうとすると。
「「誰だテメーは」」
二人が一斉にこちらを睨んできた。怖いよ。
「通りすがりの人間に言われても困るかもしれないけど、本当に良かったんだよ。喧嘩なんかしてないで、もっと聞かせてほしいな」
「「……」」
困ったような、でもちょっとだけ嬉しそうな表情で顔を見合わせる二人。そんなに悪い子たちじゃなさそうだな。ちょっと怖いけど。
「しゃーねえ。続けるぞ」
ボーカルの子が言う。
「テメー勝手に……」
もう一人もぶつぶつ言いながら自身の立ち位置に戻って行った。
「聞いてくださってる方々、中断して申し訳ございませんでした。よかったらこのまま最後まで聞いて行ってください」
ボーカルの子がそう言うと、彼女たちは再び演奏を始めた。




