018▼場所:『走っていたら、電話が鳴った』……語り手:『ショートヘア』
◆◆◆場所:『走っていたら、電話が鳴った』……語り手:『ショートヘア』
「おい、『ショートヘア』、今まで何やってたんだ! 何度も電話したんだぞ! まぁ、いい。単刀直入に言うけど、『セミロング』そっちに行ってねぇか?」
《って、留守番電話が五件入ってるよ》と、後部座席の『ロングヘア・妹』が私に言う。
そんな私は、愛車の黒塗り『MOVE』を運転中で、『ルームミラー』越しに会話中。
「運転中は電話しない主義だってのに、何度も電話するから何かって思えば……。また、めんどうなことになってるな……。クソッ! 渋滞で、身動き取れないっての!」
こうなったら、『運転中は電話しない(自分ルール)』を破って、電話に出ようか……。
でも、一度決めたことを守らないってのもカッコ悪いしな。
――だけど、それ以上に『セミロング』が心配だ。無駄に、『やさ男(お兄ちゃん)』がテンパってたし。
よし、電話しよう。
「って、くそっ、こんなときに限って、『白黒』いるし! 解体騒ぎのせいで、お仕事張り切りすぎ。普段ならイイコトだけど、なんでこんなタイミングなんだよ……」
ダメだ。この渋滞は動かない。
何で渋滞してるか知らないけど……。あぁ、そういえば、道路作ってたなこの辺。その関係でなんかあったのかな。いや、例のバラバラ殺人関係で、『交通規制(検問)』やってるのかもしれない。どっちかはわかんないけど。くそっ、埒が明かない。
――こうなったら、『奥の手』を使おう。
『ロングヘア』たちにばれちゃうけど、背に腹は変えられないし、事情が事情だし、きっと納得してくれるはずだ。
「ねぇ、『ロングヘア・妹』、私の代わりに電話してくれない? ちょっと、急いでるみたいだし、私は『白黒』のせいで電話できないからさ」
「うん、別に構わないよ。じゃ、ちょっと電話してみるけど、なんて伝えればいい?」
「向こうも慌ててるみたいだし、シンプルに行こう。『私は見てない』、『そっちは何があった』、『何をすればいい?』って聞いてみて」
《おっけ、了解》と、『ロングヘア・妹』が自分のケータイをかけ始める。
「――あっ、『やさ男』? うん、私、私。そそ。ちょっと、『ショートヘア』が運転中だから代わりにかけてんだけど。うん、なんか大変そうだね。……こっちには来てないけど、それがどうしたの? えっと、何? 『セミロング』ってコがいなくなった?」
「なっ、えっ、ちょっと、マジで! あのコがいなくなったって、お前何やったんだよ!」
「――ふんふん。帰ったらいなくって今まで待ってたけど、帰ってこなくて、こっちに電話したけど繋がらなくって探しに出たら、『ケーサツ』が家に来てたらしくって」
「ちょっ、最悪じゃん! いろんな意味で最悪ジャン」
……それはマズいって。
あの心優しい『セミロング(妹キャラ)』が、逃げ出すのは、よっぽどのことだと思ってたけど、まさか『ケーサツ』絡みって。
ちょっと、『家出少女』の心境になって考えれば、誰でもわかることだ。
―――クソッ、なんて、『気配り(デリカシー)』のない連中だ。
「ホント、『ケーサツ』ってアレだよな。『敵に回したら鬱陶しい。だけど、仲間になったらそうでもない』ってまるで、『2ch(2ちゃん)の住人』かよ!」
【歩く騒怨】の受け売りだけど、ホントいらないときだけ、頑張りすぎだっての!
ついでに、今度から『ヘッドホン』の真似して、『イヤホンマイク』買っとこう。運転中に電話できないって、かなり不便だ。
「で、私たちには、何しろって? ねぇ、『ロングヘア・妹』聞いてる?」
「うん、わかった。見つけたら、連絡すればいいんだね。了解です」
《うん、頑張ってよね》と、『ロングヘア・妹』が、ケータイを閉じる。
「ねぇ、何、『修羅場』ってヤツ? 教えてくれない? ――もしかして、アイツの彼女だったりして?」
――実に楽しそうに言ってくれる。
『セミロング(彼女)』が、彼女かなんて分からない。
『やさ男』は、『甲斐性なし(バカ)』だし。
『セミロング(あのコ)』は、引っ込み思案だし。
二人がどこまで進んでるか、分からない。
二人じゃないから、そんなの分かるわけがない。
――つうか、どうだっていい。
代わりに、ただ、一つ、『シンプルな答え』をくれてやる。
「――私の『妹』だ。それ以上でも、それ以下でもでない」
《えっ、妹いたっけ?》と、『ロングヘア・妹』がツッコんでくる。
だけど、『恋バカ』は無視しとく。
「それと、『ロングヘア・姉(お姉様)』。悪いんだけど、ちょっと『野暮用』入るかもしれないんで、カラオケはまた今度でもいいかな?」
「ふふ。構わないわ。『妹』を思う『お姉様』の気持ちを尊重するわ」
《そのほうが面白そうだもの》と、『お姉様の鏡』が、上品にお許しをくれました。
「おうけっ、ありがと。また借りが出来ちゃいそうだけど、まとめて返すよ」
さて、どうしたもんかね。
――いや、どうしたもんでもないね。
私は、私に出来ることをするだけだ。
私の本分は【都市伝説】にありってね。
――色んなモンの『最高潮』と行こうじゃない。




