エピローグ [B面] 『断頭台へと至る』
スクラップの山。アワザの後から浦辺は不安定な足元を慎重に登っていく。
すると、あることに気がついた。捨てられているものに見覚えがあるのだ。ただの鉄屑ではなく、人の形をしたもの……人造人間。
「なぜ……コウノトリシステムがここに?」
「ついたでーー!」
浦辺は止めていた足を再び動かす。すると、アワザの隣に見覚えのある……ニヒルな笑みを浮かべた男がいたのだ。待ち受ける人物にやはり驚きはない。
「秋兎よ、君は優秀だ! 感動の再会に! 浸ろうじゃないか!!!」
「感動? そんな感情がルネドにあるのかね?」
浦辺は顔を顰めた。
「おや? 笑ってくれたまえよ? これはジョークだとも!!!」
ルネド初代は不気味で張り付いたニヒルな笑みを崩さない。
「ルネドよ、ひとつ聞いておきたいことがある」
「いいでしょう!!!」
「君は……いや、お前は、どこまで仕組んでいたんだ? 神にまで干渉したのかね?」
「おやおや、全て気づいてくれたのだね! 君の想像通りだ!!!」
嬉しそうに手叩きした。
「なぜだ?」
「純粋な興味だとも!!!」
「……っ!?」
スクラップ山から這い出てきた人造人間の手に掴まれて身動きが取れない。
「なんや! これ!!」
アワザがスクラップ山の中に引き摺り込まれていく。
浦辺だけが人造人間に注射を打たれる。
「う……うぅ……」
ガンガンと痛む頭を抑える。歪んでいく視界。身体の自由が奪われていく。
目の前の男を殺さなければと、衝動に駆られて銃を構えるーーー、
「君は私を超え、本当のルネドとなるのだとも!!!」
すぐさま引き金を引いて、ルネド初代の頭を貫通した弾丸。同時に意識が遠のいた。
走馬灯のように知らない記憶が入り込んでくる。
『ジ……ン……』
その名を呼ぶだけで胸が締め付けられた。彼はもういない。
『ライバルによってもたらされるはずだった死を、私は永遠に得ることはないのだ』
太陽のように眩しい男が翳るその顔は何ものにも代え難い愉悦をもたらす。
『私が認める最強の男に、完膚なきまでに殺されたかった……だがその願いは叶わない。ならばせめて、唯一の屈辱的な死を味わいたい』
だから神に干渉した。コウノトリシステムを手に入れて自らが人造人間になったのだ。
『あぁ……書き換えられていくーーー、私はやっと、完膚なきまでの死を迎えることができる!』
「まさかっ!?」
『おめでとう、秋兎よ。君が本当のルネドだ!!!』
「…………」
『Fallen Luck! 君に命日を送ろう!!!』
目が覚めると、曖昧な意識に倦怠感が襲ってくる。他人の身体のように重い腕。手で顔をなぞると生暖かい液体に触れた。見ると真っ赤で鉄の匂いがする。掠れたガサガサの声を何度か出してようやく、耳馴染みのない自らの声を知る。
「……ぁ……あぁ……」
×××はしばらくして重い足を前に進めた。
ー了ー
続ーーー、
本編『ブレイ×ブル(仮)』
2027年頃、連載開始!!!




