第8話 バトルロワイヤル2
俺たちは近くに落ちてある木枝と大きめの葉を利用して不格好ながらも雨をしのげるくらいの仮拠点を作成することに成功した。
「拠点もできたことだしこれからは消耗戦だ。出来るだけ食料や水を温存しておきたい。だから、食料と水の管理は俺に任せてくれないか。皆の体調を見ながらどれだけの食料が必要かを考える。」
「俺はいい考えだと思う。勇人なら一気に消費するなんてことは起こらないし、何より計画性がある。」
「俺も賛成。俺が管理したら一日で食料消えそうだし」
歩は冗談めかした声で言った。
「僕も勇人に頼らせてもらおうかな」
3人の賛成が得られたことにより食料の管理係は勇人に決定した。
「じゃあ、俺はこの辺りを探索してくる。きれいな水があるかもしれないからな。」
「ここの森は俺たち以外にも参加者はいる。単独行動は危険だ。」
勇人の意見は間違っていない。
だが、今は少し強引にでも一人にならせてもらう。
「確かにそうだが、水を見つけることが出来たらかなりアドバンテージを得ることが出来る。それに俺は能力で身体能力を向上することが出来る。他の参加者を見つけたらすぐに逃げる。」
「だが、その理論だと俺の姿を消す能力の方が適任だ。」
「確かにそうだが、勇人には食料の管理っていう重要な役割があるだろ。」
「じゃあ、せめて晴翔か歩を同行させるべきだ」
「晴翔と歩の能力は逃げるのには向いてない。それに拠点を守る方が重要だ。だからここは俺一人で行かせてもらう」
俺が折れないことを悟ったのか勇人はため息をつく。
「お前がそこまで言うのは珍しいな。だが一つ約束してくれ必ず戻ってこい」
「ああ、夜までには戻ると約束する。3人もこの拠点を守ることを約束してくれ」
俺はそう言って森の奥に足を進める。
俺が一人になりたかった理由は先ほどから俺たちを観察しているような気配を感じていたからだ。
気配がする場所に到着し俺は声を上げる。
「お前ら、この先は俺たちの拠点があるんだ。関わらないでくれるとありがたい。」
目の前にいるのは男4人組で俺の声に反応しこちらを向いて来た。
「気づいてやがったのか。お前もそういう能力なのか?」
お前もということはこいつ、索敵系の能力と言う事か。
「どうだろうな。それよりも俺の頼みを聞いてくれるのか?」
「それは無理な相談だな。俺たちには食料がない、ずっとお前たちを観察していたがお前らには大量に食料があるみたいだな。くれるっていうなら手出しはしない。」
こいつらの反応を見るに俺が何を言っても引いてくれそうにないな。
殺すか。
そう思い俺は初めて本当の能力【空間操作】を発動した。
目の前にいる男4人にばれないよう、俺は持ってきたナイフの座標を俺の手のひらに移動させるイメージをしたら空間操作によりナイフが手に現れた。
「便利だな。それに色々と応用が出来そうだ。だが、まだ実戦で使うには練習が足りない、失敗したら逆に自分を追い込みそうだ」
俺がそう自分の能力を分析していると相手4人の機嫌が明らかに悪くなった。
「何一人でブツブツ言ってやがる。マジで殺すぞ」
「へー殺すのか」
少し殺意を込めて相手を睨むと明らかに怯んでいる。
「やってみろよ。どうせ殺す勇気もないだろうけどな」
そう言った途端一人の男がこちらに向かって走ってくる。
だが殺意は伝わってこない。
男はそのまま拳を握りしめ俺を殴ろうとしたが俺はそれを見てすぐさま手に持っていたナイフで男の首を掻っ切った。
男はその場に倒れこみ動かなくなった。
完全に死んだな。
「は??」
仲間の死体を見て男たちは騒然とする。
「お、お前本当に殺したのかよ」
「ああ、こいつはもう死んだ」
俺がそういうと男たちは仲間を失ったショックなのか復讐心なのかは定かではないがようやくこちらに殺気が伝わってきた。
「やっとやる気になったか」
俺がそう言った途端今まで一言も喋っていなかった男が俺に手のひらを向けた。
嫌な予感がし、自分の身長ほど跳んだ瞬間にその男の手の平から炎が噴き出し俺が0.7秒前にいた場所を通過した。




