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プロローグ
⚠キーワードとあらすじを確認し、覚悟の上でご覧ください。
ある国王の葬列を、六人の忠臣が見守っていた。
細かな雨の降る中、誰もが傘も差さず、涙にくれている。
この大陸を統一した、征服王。
恐ろしく、強く、聡明で。
近寄り難く、しかし数多の民に讃えられ、慕われた、善政の王。
しかし、見送る者達の哀しみは深くとも、方途をなくした絶望感はない。
既にかの王の手で、誰もが認める立派な世継ぎとして育て上げられた王子が、この場に立っている。
その母にして、今日寡婦となった王妃が、沢山の子供たちに囲まれて泣いている。
成り上がりの征服王を支えた、古き良き異国の王家から嫁いだ妃。
深き寵愛を一身に集め、多くの子宝に恵まれた、幸せな王妃。
だが、彼女は知らない。
王が最後に下した、残酷な命を。
「⋯⋯言わなくていいのか?」
「何を言えと?」
「知らない方が王妃サマの為じゃない?」
「馬鹿な女だ」
「最後まで蚊帳の外なんだね」
「知って、何になる?」
六人の忠臣は、口を噤む。
そして、思い返す。
かの国王が彼らに遺した、最後にして、最悪の命を。
『私が死んだら、私の棺に、“彼女”を共に』
『そして、燃やせ』
『その灰を、私の墓に』
『従わぬ者は、叛逆の罪に問う』
『殺せ。誰であろうと』
『裏切ることは許さない――必ず、果たせ』




