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聖櫃  作者: 無名人
3/3

2日目

ふと目を覚ます。

沢山眠った気もするし

余り寝れていない気もする

外が明るいままなことが原因なのは確かだ。


「おはよう」と窓の外の「彼女」に挨拶をする

さて昨日の商業施設からマットレスを運んで

下に置いておこう。


窓ガラスを割って「彼女」を運べないかなと考えたりもしたが、何がスイッチになって

時間が動き出すか分からないから保留していた。


下にいる人を動かしたり出来るかは試したことがなかったのでそれも試してみようと考えながら

商業施設へ向かう。


15階相当の高さから

ビーズクッションやマットレスの上に

落下して人は生き残れるのかな、、、と

不安に駆られるが無いよりはマシだろう精神で

せっせと運ぶ疲れが程々に溜まって来た頃


街にいるマネキンのように固まった人々

静止した時間の中だと

生きているのか死んでいるのか実感が持てないが、「すいません触ります」と一言謝ってから移動させてみようとする。


結果としては凄く重い、、、

石のように重い、マットレスの方がまだ軽い

どうやら人や生物には干渉が出来ないみたいだったなので引っ張り入れる保留案は却下された。


「少し遠出になったとしても救助用マットがあるような場所を探してみるしかないか」とボソッと呟いて近所のコンビニへ食料を調達しに行く。


今日は弁当とスイーツを持って帰ってきた

「彼女」を眺めながらそれらを食べる

本当に綺麗だ、望むなら話してみたい

同じ時を過ごしてみたい、死んで欲しくないと

自分の願望が溢れ出る、そのため何ができるだろうと思いながら自販機で買った珈琲を飲み干す。


腹ごしらえも済んだし眠るかとも

思ったがどうにも寝付けない。

時間の感覚が早くも狂い出したみたいだ。


そこで近所のコンビニからトランプを持って帰って来てトランプタワーだったりを作ってみたり

ノートとペンを持ってきて模写だったりをしてみ

た。


我ながら画伯だと思う。

絵心はからっきしのようで悲しくなった。


いつかは「彼女」を描いてみたいなと考えるが

その前に救えたらいいなと思う。


今日は「僕」についても書き記しておこうと思う

年齢は22歳でフリーターというやつだ。

彼女いない歴=年齢の初恋もしたことない

割と冷めた人間だった。

趣味もなくただ惰性を生きているだけの

空っぽな人間と自覚している。


それが訳の分からない世界に

ぽつんと1人置いてけぼりにされ

そこで初恋をして熱心に救おうとしたり

驚くほど能動的に動いている。


恋は人を変えると言うが

こうゆう事なのかと実感していた

「彼女」はどんな人なのだろう

今までどんな人生を歩んできて

どんな性格で、声で、話し方で

何を見て生きてきたのだろうか

きっとその選択をするまでに沢山の喜びも

悲しみも、色々なことを経験してきたのだろう


それが例え明るいものじゃなかったとしても

「僕」はもっと知りたいなと思った。

最初から空っぽな「僕」と違って

大きな穴が空いた「彼女」の痛みを

埋めてあげられたらなと勝手に想像する。


そんな妄想をしながら気付けば

意識は暗闇の中に深く沈んでいった。

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