表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
精霊たちと話せるので、転生先で聖女になりました  作者: 高梨美奈子


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

52/670

学院祭7

ソフィーネに導かれ、カナは静かな廊下を抜けて学院の中庭へと向かった。

夜の空気は澄みわたり、星の光がわずかに木々の間から漏れている。


カナの胸の奥のざわつきは、少しずつ穏やかに落ち着きを取り戻していた。


やがて精霊樹の大樹が視界に入る。

その周囲には、学院の生徒たちや王族の関係者、学院の教師たちが静かに集まっていた。

さらに、精霊庁の重鎮たちの姿もあり、重厚な雰囲気が場を包んでいる。


その中で、見慣れた顔がカナの視線に入った。

エリアスは微笑むと、カナに近づき静かに声をかける。


「さすがだ、カナ。君が祝祷者なんだな。

大丈夫だ。君自身を信じろ」


その声には、深い温かさが込められていた。

カナはすぐに微笑みを返す。


「……ありがとうございます。エリアスさん。

はい。頑張ります」


エリアスは軽く頷き、目の前の精霊樹を見つめた。

大樹の葉が月明かりに揺れ、まるで生きているかのように息づいている。


カナは深呼吸をし、胸に宿る精霊たちの鼓動を感じながら、静かにその場に立った。





学院長が厳かに手を掲げ、会場に響き渡る声で宣言する。


「――これより、感謝の祝祷を開始する」


夜空に星が瞬く中、第一王子レイナルトがゆっくりと歩み出た。


銀糸のクッションの上には、淡いピンクのエルダーローズと、

白銀に輝く精霊草で編まれた花冠が載っている。


光を受けるたび、まるで精霊が舞うかのように淡い輝きが溢れる。


集まった生徒たちや来賓が息を呑む中、レイナルトはカナの前で立ち止まる。

深く息を整えると、両手で花冠を取り、跪くカナの頭上へと慎重に掲げた。


――その瞬間、精霊樹の葉がざわめき、柔らかな風が二人を包む。

花冠が頭に触れると同時に、淡い光の粒が舞い上がり、夜空に小さな虹を描いた。


レイナルトは身を寄せ、誰にも聞こえない囁きで励ます。


「……君ならできる。私は信じているし、精霊たちも同じだ。

――胸を張って、祝祷者として進めばいい」


カナは胸が熱くなり、震えそうになる手を押さえて、小さく頷く。

その表情に満足したように、レイナルトは一歩下がり、カナに静かな視線を送った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ