↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
精霊たちと話せるので、転生先で聖女になりました  作者: 高梨美奈子


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
52/721

学院祭7

ソフィーネに導かれ、カナは静かな廊下を抜けて学院の中庭へと向かった。

夜の空気は澄みわたり、星の光がわずかに木々の間から漏れている。


カナの胸の奥のざわつきは、少しずつ穏やかに落ち着きを取り戻していた。


やがて精霊樹の大樹が視界に入る。

その周囲には、学院の生徒たちや王族の関係者、学院の教師たちが静かに集まっていた。

さらに、精霊庁の重鎮たちの姿もあり、重厚な雰囲気が場を包んでいる。


その中で、見慣れた顔がカナの視線に入った。

エリアスは微笑むと、カナに近づき静かに声をかける。


「さすがだ、カナ。君が祝祷者なんだな。

大丈夫だ。君自身を信じろ」


その声には、深い温かさが込められていた。

カナはすぐに微笑みを返す。


「……ありがとうございます。エリアスさん。

はい。頑張ります」


エリアスは軽く頷き、目の前の精霊樹を見つめた。

大樹の葉が月明かりに揺れ、まるで生きているかのように息づいている。


カナは深呼吸をし、胸に宿る精霊たちの鼓動を感じながら、静かにその場に立った。



*



学院長が厳かに手を掲げ、会場に響き渡る声で宣言する。


「――これより、感謝の祝祷を開始する」


夜空に星が瞬く中、第一王子レイナルトがゆっくりと歩み出た。


銀糸のクッションの上には、淡いピンクのエルダーローズと、

白銀に輝く精霊草で編まれた花冠が載っている。


光を受けるたび、まるで精霊が舞うかのように淡い輝きが溢れる。


集まった生徒たちや来賓が息を呑む中、レイナルトはカナの前で立ち止まる。

深く息を整えると、両手で花冠を取り、跪くカナの頭上へと慎重に掲げた。


――その瞬間、精霊樹の葉がざわめき、柔らかな風が二人を包む。

花冠が頭に触れると同時に、淡い光の粒が舞い上がり、夜空に小さな虹を描いた。


レイナルトは身を寄せ、誰にも聞こえない囁きで励ます。


「……君ならできる。私は信じているし、精霊たちも同じだ。

――胸を張って、祝祷者として進めばいい」


カナは胸が熱くなり、震えそうになる手を押さえて、小さく頷く。

その表情に満足したように、レイナルトは一歩下がり、カナに静かな視線を送った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。