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ハロウィンのお菓子  作者: 知美
人間界
9/15

人間界‐5

 魔女達は、お店を出てから5分経つと、広場に下り立って、ランクが黒‐5で、ブラックダイヤモンドが、5粒ついているネックレスをしている魔女の、チェックを受けるために列に並んだ。

「去年も、このような事をしていたのですか?」

「今年からだ」

「それって、わたくしのせいですよね?」

「……、そうだな」

「すみません……魔女様方」

「いいじゃないか? 大昔には人間が、魔女界に来てしまった事もあるらしい」

「そうなのですか?」

「聞いた話だから、よくは知らない」

 ランクが青‐0の魔女とランクが黒‐5で、エメラルドが、1粒ついているネックレスをしている魔女が、話しているとチェックの番が回ってきたようだ。

「あなた達、お疲れ様でした。お菓子がたくさん用意できて、よかったわ。きっとあの子達も喜ぶわ」

「魔女様、水晶玉で見ておられたのですか?」

「えぇ。それではランクが青‐0の魔女よ、何個のお菓子が貰えたのか、チェックします。お菓子をお出しなさい」

「はい」

 ランクが青‐0の魔女は、青いリボンでラッピングされたお菓子を10個だした。

「あら、去年のも出してもいいのよ」

「! ありがとうございます」

 すこしボロボロになっている青いリボンが5個追加された。

「去年と今年、合わせて15個の手助けをしたのね。それでは、今からあなたのランクは青‐3と言いたいところだけど、人間界に1年間いてたくさんのお手伝いをしていたと、女王様から聞いているわ。だから、ランクは紫‐0よ。」

 ランクが黒‐5で、ブラックダイヤモンドが、5粒ついている魔女がそう言うと、とんがり帽子の色が紫色に、変わった。

「ありがとうございます」

「あなたが、人間界でがんばった証ですから」

「よかったな」

「……はい」

 ランクが黒‐5で、エメラルドが、1粒ついているネックレスをしている魔女が、声をかえると、ランクが紫‐0になったばかりの魔女の目から、涙が零れ落ちた。

「さあ、魔女界に帰りなさい。仲間達が、あなたの帰りを待っているわ」

「はい」

 ランクが紫‐0の魔女、ランク黒‐5で、エメラルドが1粒ついているネックレスをしている魔女、イエローサファイアが1粒ついているネックレスをしている魔女、マンダリンガーネットが1粒ついているネックレスをしている魔女、ピンクサファイアが1粒ついているネックレスをしている魔女、ダイヤモンドが1粒ついているネックレスをしている魔女は、魔方陣の上に乗り魔女界に帰って行った。

「あとは、新人さん達ね。あと10分、間に合うかしら……。でも、今年はこれがあるから大丈夫ね」

 ランクが黒‐5で、ブラックダイヤモンドが、5粒ついているネックレスをしている魔女が、指を1回鳴らすと、手のひらサイズのタイマーが現れた。タイマーの画面には、あと10分、と表示されている。

 10分経つと、タイマーの音が聞こえたらしく、ランクが青‐0の魔女達が、慌てて広場に戻って来た。

「魔女様、遅くなってすみませんでした」

「帰って来たのだから、いいのよ。それより、貰ってきたお菓子を見せなさい」

 ランクが青‐0の魔女達は、みんな持っているお菓子の個数は同じで、5個持っていた。

「今日からあなた達のランクは青‐1よ。良くがんばりました。さあ、魔女界に帰りなさい」

「魔女様は、一緒に帰らないのですか?」

「まだ、やることがあるのです。先にお行きなさい」

「ありがとうございます」

 ランクが青‐1の魔女達を見送った後、ランクが黒‐5で、ブラックダイヤモンドが、5粒ついているネックレスをしている魔女は、広場の外にいる村長に声をかけた。

「今年も、大変、お世話になりました。ありがとうございます」

「いえ、魔女様達に、たくさん助けて頂いて、助かりました。ありがとうございます」

「いいのです。昔からの、お約束、ですから」

「……、そうですね」

「そろそろ時間ですね、帰らなくてわ。ありがとうございました。では、また、いつの日かお会いしましょう」

「はい、また、いつの日か……」

 ランクが黒‐5で、ブラックダイヤモンドが、5粒ついているネックレスをしている魔女は、魔方陣の上に行き、魔女界へ帰って行った。

 すると、村の街灯の上にある、ジャック・オー・ランタンの灯りが、全て、消えていた。


◇◆◇◆◇


 旦那さんが運転している車が広場に着くと、そこには村長しかいなかった。

「どうしたんだ?」

「魔女様に、渡しそびれてしまって……」

 娘夫婦とエプロンをつけた女性は、車からおり、お菓子の材料を見せた。

「そうか……。なにかあれば、魔女界から連絡があるだろう。それまで、丁寧に保管しておく様に」

「はい」


読んで頂きありがとうございました。

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